クリーニングペレットって自宅で撃てるの?

福井県在住サラリーマンハンターmorimoriです。

今回は、散弾銃所持者には聞きなれない「クリーニングペレット」の話です。ちょっと説明します。

散弾銃の銃身は「穴」です。だから煤で汚れたら、細長いタワシみたいなの突っ込んで、ゴシゴシ掃除すればOKです。
しかし、空気銃は正確に言うと「エアライフル」です。
つまり、銃身内にライフリングが切られてます。
そのために、下手に銃身内に物突っ込んでゴシゴシやると、ライフル銃の命ともいえる、ライフリングを痛めてしまいます。

そういう繊細部位なために、人によっては、「鉛弾で鉛コーティングを銃身内でしている状態だから、下手にクリーニングペレット使って掃除すると、そのコーティングがとれてしまう」って意見もあります。

でもですね、私自身の意見として、適度なコーティングも必要でしょうが、必要以上の鉛のこびりつきは、やっぱりクリーニングが必要なのではないかと。

で、私自身銃買うときに「クリーニングペレット」もセットで買いました。
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見ての通りのフェルト素材のペレットで、これを撃ちだすことによって、銃身内を掃除するわけです。
人によっては「フェルト弾」という言い方をします。

さてはて、今回の疑問点なのですが、
「フェルト弾を自宅で撃って良いのか?!」
って話です。

あくまで、掃除です。自宅メンテナンスです。
私は深く考えることもなく、クリーニングペレットは「実弾」ではないから、多分法的に問題ないかなあ・・・って思ってました。
そしたらですね、前回の記事でも書きましたが、最近買ったこの本の中で、フェルト弾のこと書かれてて読んで、ホンマ血の気が引きました。

P154の記載を抜粋すると、
「・・・家中に破裂音が響き渡り、あなたの部屋のカーテンには穴が開くでしょう。ひょっとすると窓ガラスが割れるかもしれませんし、当たったものを壊す恐れもあります。それ以前に違反です。」

それ以前に違反です!

ん?!違反?

・・・。

さすがにね、危険を伴うってのは理解したけど「違反は言い過ぎじゃね?」って思いました。
でも、自分の中で、違反は言い過ぎじゃね?って軽く捨てておけるような問題ではなくなりました。

さあて、それからいろいろ調べてみました・・・。





まあ、本当にいろいろ調べてみたんですが、ネットで調べる限りは意見が分かれたというのが正直なところです。良いという人もいれば悪いという人もいる・・・。

で、私は原点に立ち戻って「銃刀法」ではどう記されているのかを調べてみました。

発射制限に関する法律はこの部分でした。
その原文をそのまま引用します。

第三条の十三  何人も、道路、公園、駅、劇場、百貨店その他の不特定若しくは多数の者の用に供される場所若しくは電車、乗合自動車その他の不特定若しくは多数の者の用に供される乗物に向かつて、又はこれらの場所(銃砲で射撃を行う施設(以下「射撃場」という。)であつて内閣府令で定めるものを除く。)若しくはこれらの乗物においてけん銃等を発射してはならない。ただし、法令に基づき職務のためけん銃等を所持する者がその職務を遂行するに当たって当該けん銃等を発射する場合は、この限りでない。


さて問題は、法律上の発砲行為の定義は?!ってことですが、銃刀法では、
けん銃等を発射してはならない。
としか記されていません。

発射?!
はっしゃって、何を発射したら違法になるの・・・?
例えばもし「適応弾丸を発射してはならない」って記されていたなら、フェルト弾は弾丸ではないからOKってことになります。
しかし「何」を発射したら違法になるのかが明確ではありません。
つまり、何かを「発射」する行為自体が違法って、読み取ることもできます。

で、次に法律上の「発射」の定義を調べてみたのですが、これも正確なことがわかりませんでした


それで一般的なネット辞書「Weblio辞書」での「発射」の意味を調べてみると、
はっ しゃ [0] 【発射】
( 名 ) スル
弾丸などを撃ち出すこと。 「ミサイルを-する」
です。

・・・弾丸など・・・「など」ってどこまで含まれるんでしょうかね?
などっていうと、フェルト弾もなどですよねえ。


つまりですね、銃刀法上で言うと、銃刀法上の「銃」である空気銃から、「弾丸など」つまりフェルト状の「何か?」を撃ちだしたという行為自体が「発射」とみなされると、違法行為と読み取ることが可能というわけです。



あっはっは!

・・・はっは


・・・あはは



・・・はああ。


怖えええええ!!!!


まあ簡単に言うと、室内でクリーニングペレットを撃ちだして、ご近所さんから「銃声がした」と通報されたとします。それで駆け付けた警官に、「クリーニングペレットで掃除してました」って正直に話すと、銃から「何か」を違法地域で発射したって解釈されると、その時点でNGになりかねないということです。

あと「エアライフル猟の教科書」に書かれていた、自宅でクリーニングペレットを撃ちだす危険性としては、通常のペレットなら音速以下の初速になるらしいのですが、クリーニングペレット自体がずいぶん軽いため、撃ちだし初速が音速を超えるらしく、いわゆる「ソニックブーム」って言われる、マッハ時の衝撃波が鳴るとのこと。

つまり、実弾を発射するよりもクリーニングペレットを撃つほうが大音量になるために、ご近所からの通報の可能性が高まるというわけです。
あと、フェルトとはいえ、音速を超えるものが狭い室内で跳弾すると、強烈に危険ですね。目に当たったら、失明のうえに銃没収でしょうね。


何度も記事に書いてますが、銃所持許可に、運転免許証のような「免停期間」はなく、OKかNGかだけです。NGだったら、その時点で何百万円の銃だろうと没収です。


法律は冷徹に見えて、判断する人間によって色や温度が変化するしろものです。
「君子危うきに近寄らず」
銃所持者にとって、グレーゾーンは危険ゾーンと同じです。


クリーニングペレットによる掃除は、猟場か射撃場で行うことが間違いない行為と言えますし、その日の撃ち止めの際に、クリーニングペレットを1発撃っておく習慣をつけると、確実な脱包確認にもなりますね。


この記事へのコメント

  • 黒猫

     いやぁ、私はそこまでしっかりと考えたことがありませんでした。

     実包ぢゃないから、大丈夫だろう。。。ていどにしか。。。

     危ないという認識はありましたので、ペレットは射場でしか使ったことがありません。汚れの程度を確認しようと、射場に設置してあるクリーニングペレット用のペール缶にタオルを入れて撃ったら、タオルに穴が空きました。クリーニングペレットといえど、危険ですね。
    2017年06月26日 11:34
  • morimori

    同じ空気銃所持者でも、クリーニングペレットの考えは、PCP式とポンプ銃では違うかもしれませんね。
    PCPの200気圧で至近距離でフェルト弾撃てば凶器です。
    しかし1回ポンプのフェルト弾の威力はたかが知れてるでしょう。
    気分次第で気圧を変えられるポンプ銃では、やっぱりフェルト弾が凶器にならないって意識があるからこそ、今回の記事のように、驚いちゃうんですよね。
    エースハンター所持者で、200気圧でフェルト弾を撃とうなんて考える人間は皆無ですからね。
    2017年06月26日 20:59
  • morimori

    hayateさん、ありがとうございます。
    はい!この記事はチェック済みです。
    それでもですね、エースハンター情報量トップである「近江屋」さんの記事読むと、集弾力が落ちてきたらクリーニングペレットで掃除!!って書いてます。
    未だに一発も実弾発射したことのない「ハンター」からすると、近江屋さんの情報を信じるしかないです。
    2017年06月27日 20:24