数年前まで、知り合いの猟師から冬になるとイノシシ肉をもらっていました。
大きさで言うと、5kgくらいの塊肉ですね。
スーパーで売られているような家畜豚からすると、ものごっつい脂身をまとった肉です。
(写真はイメージです)
さて、初めてイノシシ肉をもらった時には、さすがにどうやって食べたらいいのか考えましたよ。
で、やっぱり一般的なイノシシ料理といえば「ボタン鍋」かなあと。
確か、ボタン鍋って味噌仕立てだったような・・・って記憶と知識をたどって、最初のうちはもらったイノシシ肉を味噌煮込みにして食べてました。
美味しかったです!美味しいんです・・・。
でも、人によってはずいぶん獣臭がするっていうんですよ。
若い時、私、大阪に住んでいたことがありまして、大阪の食文化に「どて焼き」ってのがあるんですね。
いわゆる、牛すじ肉の味噌煮込みなんです。
まあ、言われてみれば、どて焼きよりも、イノシシの味噌煮込みのほうが、臭みが強いんですね。
どうも、臭みの強い肉は、煮込んだ汁に臭みが入り込む感じになって、臭みがいつまでも残る感覚に気が付きました。
それで、イノシシ肉の料理法を、煮込みから焼きに変えたんです。
美味しかったです!美味しいんです・・・。
でも今度は、分厚い脂身が邪魔に感じてきました。
牛ステーキなんかでも、余分な脂身は取り除くでしょ?
イノシシ肉をフライパンで焼くと、赤身部分は確かに美味しいんですが、脂身をそのまま食べようとは、さすがに思わないんですね。最初は多少食べたのですが、さすがに脂身ばかりを食べ続けると気持ち悪くなってくるので、結局脂身は残すようになりました。
そうなると、次第に切り分ける段階で、イノシシの脂身はごっそり捨てるようになりました。
でも、さすがにそうそうもらえる肉でもないし、もらった肉によっては7割近く脂身がついていることもあって、このような食べ方をしていたのでは、その7割が食べる前にゴミになってしまうってことに、何かもったいなさと罪悪感を持ったんです。
それで「鳥皮のから揚げ」にヒントを得まして、イノシシの脂身を含めたイノシシ料理に応用したところ、大変美味しい料理法になりました。今ではイノシシ料理というと、私の中ではこの料理法が定番となりました。
長い前フリでしたが、ご紹介します。
そうそう、知り合いの猟師からここ数年イノシシ肉をもらっていないので、調理風景とか画像とかはまったくありません。
すいません、私の文章力のみでお伝えしますのでよろしくお願いします。
まずは、イノシシ肉の脂身と赤身とを切り分けます。
そして脂身をサイコロ大にカットしてフライパンに投入。
焦げないような火力で炒めます。
そのうち脂身から油が出てきます。
ドンドン油が出てきます。
最後には炒めているいうより、揚げてる状態になるほど油が出ます。
そのまま脂身をカリカリになるまで揚げ焼きします。
脂身がキツネ色になったら完成!
余分な油は牛乳パック等に入れておきます。
脂身は適度に塩をして別皿に一旦保管。
で、余分な油を移した状態とはいえ、適度にイノシシ油が残ったフライパンで、今度はイノシシの赤身肉を適当に切って焼きます。つまり、調味料以外は全てイノシシ料理です。
ここからはスピード勝負!
焼いてる途中に適度に塩・こしょう。
完全に火が通る手前で、別皿に移しておいた脂身もフライパンに投入。
クルっとしょう油を投入して、ザッと炒めて、
はい出来上がり!
この作り方だと、サラダ油とかごま油とか、余計な油無し、全てイノシシ油で調理できますし、別皿に移しておいたカリカリ脂身もアツアツ状態で食卓に出ます。
何より全てイノシシ肉なのですが、赤身はがっちりした肉の食感で、脂身は多少カリっとした食感で、余分なラードを調理段階で除いているので、どちらも食べやすいです。
少し専門的な話しますが、香水とかの匂い系のものって、油に溶ける、いわゆる親油性物質なんですね。
だから、獣臭がするようなイノシシ肉の場合、脂身の油を極限まで少なくして、解放したフライパンで焼けば、匂いが極限まで飛ぶんじゃないか?!って考えたんです。
その考えがビンゴでした!
イノシシ肉をこの調理法に変えてから、臭みを前ほど感じなくなりました。野生肉を臭いといって食べられなかった人間まで美味しいといって食べてくれました。というか、カリカリ脂身のほうが、焼き肉よりも美味しい!って人気が出ましたほどでした。
ハンターとして、イノシシは捕るけど、イノシシの強烈な脂身の処理に困っていた方は、一度お試しください。カリカリ脂身は本当に美味しいです。
カリカリ脂身を余分な脂を除いた後に、多少おろしにんにく入れて、強めに塩コショウして、きっちり炒めたら、まあビールの友には最適なつまみになりますよ!!
あと余談ですが、この調理方法、牛ステーキ肉をスーパーで買ってきたときにも、私は同じ手法を使います。
いわゆるサーロインステーキ肉の脂身だけを切り取って焼いて、その脂身で赤身ステーキを焼きます。
ただ、牛肉はイノシシ肉より旨味が薄いので、赤身を市販の焼き肉のたれに浸してから焼いたほうが、下手な塩コショウより食べやすくなります。
以上、イノシシ肉の調理方法でした!
はああ、久しぶりにイノシシ肉食べたいなあ・・・。
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