「ぼくは猟師になった
この本も、私にとってバイブル本です。
何度手に取り、何度読み返し、何度猟師の世界にあこがれたことか・・・。
そんな、千松信也さんの「ぼくは猟師になった
正直、冒頭のまあ自分という人間を知ってもらおうと思っての学生時代の話は、まるで共感できません。
私、バックパッカー嫌いなんですよ。個人的に。
バックパッカーって基本的に金ないから、物価の安い国の安宿で寝泊まりし、時間かかってでもいいから交通手段もバスなんか使って安く安く旅します。
そんな人間たちって、日本国外へと一歩も踏み出さない人間と比べて視野が広いんじゃないかって思いませんか?
でも意外とですね、日本という先進国を飛び出したはいいけど、結局自分のアイデンティティは日本人だということを痛切に知って、ムダ金と無駄な時間を使って帰ってくるバックパッカーが多いんですね。
結局、旅の結論が「ああ、日本人でよかった!」って。
それって、日本に住みながらにして理解できる経験じゃあないでしょうかねえ?
まあだけど、千松さんのすごいところは、帰国後、アイデンティティを日本人と確認した後、日本人でも少数派の「猟師」という道へ、若き年でどっぷり漬かる道を選ぶことです。
若くして「猟師」として生きるために、仕事も生活拠点もそれなりのところを選んでます。
多分私が想像するに、千松さんは、帰国してからも国内において「旅」を続けていたんじゃないかと。猟師が見据える世界観を、世界中を旅する楽しさと、ある意味同調したのではないかと。
本格的な猟を始めてからの話は、猟師に興味を持つものなら読み始めたら止まりません!それほどまでに、現場における状況と、その感情とが、素人とは思えぬタッチで書かれています。
ただ、唯一私的に残念な点は、私は空気銃ハンターなのですが、千松さんは「罠猟」・「あみ猟」ハンターとまるで重ならないところです。
それでも、今でもそんな私とって、やっぱりバイブル本です。
初年度猟師登録まで済ませたので、もう私は「猟師」っていって過言ではないと思いますが、そんな猟師目線でも面白く読める部分が、実は「あみ猟」の部分です。
実際に読んでもらえればわかりますが、散弾銃・空気銃ハンターからすれば、カモ猟って回収大変な水鳥のイメージありますよね。
でもカモって、日が落ちたら収穫が終わった乾いた田んぼなど水の無いところに移動する習性があるらしく、それを利用して、日没後に乾いた田んぼでカモ猟を行う「あみ猟」の様子が書かれています。
とにかく手段選ばず、カモを数捕りたいのなら「あみ猟」が一番!ってことを知った著書でもあります。
猟師歴が長い方でも「あみ猟」のことを深く知らない方には、お勧めの著書です。
あとこの本のすごいところは、今なら当たり前かもしれませんが、当時カラー写真付きで、イノシシとシカの解体写真を載せていることですね。
今でもYouTubeで解体映像なんかアップすると、なかなかの炎上を見せる平和な日本です。
そんな日本で10年ひと昔、本名にて解体写真付きの書籍を発売したことは、出版会社も含めて、大きな賭けだったでしょう。
私を含めた「銃猟ハンター」にとって、「ぼくは猟師になった
まあ「猟師本」は、過去にもいくつもあるのですが、若い世代への猟師への呼びかけを行い、それに成功したという本というのは、この本が最初だと思われます。
この本の後に、「銃猟ハンター」の魅力をわかりやすく紹介したのが「山賊ダイアリー」です。まあ山賊ダイアリーも罠猟やってますけどね。
以上、「ぼくは猟師になった
とにかく、網猟についてここまで詳しい書籍は、私はまだ見たことありません。
同じハンターなら、多少興味ありませんか?
あみ猟は、捕れたらカモはてんこ盛り、スズメもてんこ盛りの世界です(笑)
まあ、銃猟とあみ猟の違いは、漁師で例えると、一本釣りと地引網の違いでしょうかねえ(笑)
まあ、どちらも男のロマンです。
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