イノシシ肉を「どて焼き」風に料理してみた

先日お会いした黒猫さんからと、最近お会いした猟友会支部長さんから、イノシシ肉をいただきました。
黒猫さん編
支部長さん編

黒猫さんからもらったイノシシ肉は昨年捕れた肉ですが、ロースのいいところで真空パックされていて、1年前とはいえ保存方法としては最高状態です。

数年前まで、知り合いの猟師からイノシシ肉をもらっていたのですが、ここ最近全くもらえなかったので、本当に数年ぶりの再会です!

で、黒猫さんのイノシシ肉を解凍し、久しぶりだったので、塩コショウのみという、本当にシンプルな味付けで食べてみました。
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一緒に舞茸も混ぜてます。

いやあ、わざと厚めに切ったとはいえ、強烈な歯ごたえと後から湧いてくる獣臭!
これこれ!これがイノシシ肉だあ!!って感じでした!

イノシシ肉を食べたことない人にわかりやすく伝えると、スーパーで売っている牛すじ肉をそのまま焼いたくらいの硬さで、食べていると、豚ホルモンのような独特な匂いがわいてくる感じです。
私は久しぶりのイノシシ肉のワイルドさに美味しかったんですが、冷静に考えると一般受けしない料理方法ですね。

それでですね、次は支部長さんからもらったイノシシ肉を食べてみようと思って解凍しました。で、気になったのが、ラップの上に、
「前足 11/13」
って書かれていたんですね。

もらったのが猟期スタート日11月15日

あっはっは!まさかね、2日前の肉とは思えませんよねえ。
やっぱり黒猫さん同様に昨年のイノシシ肉だと思ったんですよ。
それも「前足」ですから、ロースと違ってもっともっと固いって思ったんです。
それでですね、「煮込み料理」にして、柔らかくして食べようと思いました。

解凍し始めたのが15日の夜、16日昨日の夜に解凍終わって、さて・・・。
「ちょっとだけ焼きで食べてみよう・・・。」
って、少しだけサイコロ状に切って、これもシンプルに塩コショウで食べてみました。

・・・?!?!
なんじゃこりゃ?!あきらかに旨いし、思ったよりも固くない!!

食べた瞬間に理解しました、1年前の冷凍肉ではなく、3日前に捕れたてのイノシシ肉だってこと!!!
これはすげえ肉もらった!!全部煮込みにするのもったいない!
って思って、半分焼きに、半分煮込みにすることにしました。


さて、半分焼きにする方に、ちょっとおまじない。

サイコロ状に切ってタッパに入れた後、「塩麹」を混ぜ込んで、冷蔵庫の野菜室へ。本当なら常温2時間ほど置きたいのですが、野生肉を半日以上常温に置く勇気ないので、野菜室に入れました。

次に半分煮込みにする方、これはいつも牛すじを使った肉じゃがを作るときに作る方法に、大阪的な「どてやき」手法を混ぜて作ってみました。

それでは牛すじ肉じゃが編





まずは牛すじ肉を食べやすい大きさにカットして、水から煮込み、沸騰したら全てのお湯を捨てます。
これでアクと共に臭みが消えます。
ただ旨味も流れます。

で、次に味付けです。

黒砂糖(思い切り!)
ほんだし(適量)
しょう油(適量)
かつお節(好み)

こんな感じで私は味付けします。

いわゆる砂糖としょう油の「甘しょっぱい」感じと、魚系の旨味があって、味見の段階で美味しいなら、その味がしみ込むイメージです。


さて、今回のイノシシ前足は「どてやき」系いわゆるみそ味にするつもりだったので、上記の「しょう油」を「味噌」に変え、味の微調整に「しょう油」を使いました。

味が決まれば、今回長時間煮込むつもりだったので、煮くずれしない厚揚げを入れました。

あとは、2時間「保温鍋」で放置、その後再沸騰させ朝まで放置して、冷蔵庫へ。
煮込み料理の基本として、冷えるときに味が素材にしみこみます。


さて、本日我が家のメイン料理です!

まず「塩こうじイノシシ肉焼き」です。
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見た目はインスタ映えしませんが、冷蔵庫の中とはいえ、1日塩こうじにつけたおかげで、昨日そのまま焼いて食べた肉よりも、若干柔らかくなりました。あとサイコロ状に切って1日置いたせいか、昨日よりも野性味的匂いも少なくなりました。



次に「どてやき風イノシシ肉の煮込み」です。
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昨日、冷蔵庫に入れた鍋を温め直すときに、千切りしょうがを改めて加えてから火を入れました。
おかげで、汁だけ飲むと、味噌風味のしょうが汁って感じです。
肉自体はタンシチューのようなホロホロ感までいきませんでしたが、一般人が「固い」って言わないレベルまで柔らかくなりました。
もちろん野生臭もほぼなくなりましたが、逆に個性が消えてしまった感じですね。
イノシシ肉を初めて食べる人間なら食べやすいかもしれませんが、単純にイノシシ肉を塩コショウで食べれる人間からすると、物足りない感じの料理になりました。


意外だったのが脂身です!

シャリシャリ感が残って歯ごたえがいい感じで、脂身特有のべとべとの食べにくさがなく、下手すると、この煮込み料理で一番美味しかったのが、脂身だったかもしれません。

黒猫さん、支部長さん、ありがとうございました!
本当に美味しくイノシシ肉を食べさせてもらいました。





さて、最後に私的な意見を書きますが、ハンターというか、猟師は男性が多く日頃料理なんかしたことないって方、多いと思います。
そんなハンターに「狩猟肉の料理はパパね!」って家庭が多いかもしれません。

日頃料理してない人間が本当に「ジビエ肉」「料理」できてますか?

例えば「牛コマ400g」とシイタケだけ渡されて「じゃあ今日のメインおかずはパパお願い!」
って言われて、家族が納得いく料理が作れますか?
例えば「豚のスペアリブ800g」渡されて「今日安かったの、いつもイノシシ捕っているパパなら美味しく作れるでしょ!お願い!」
って言われて、美味しいスペアリブ料理作れますか?

正直、イノシシ肉より、豚のスペアリブのほうが料理としては扱いやすいから、多少無茶な料理しても美味しいんです!
日頃、料理している私からすると、たまに入手する「イノシシ肉」はなかなか厄介な素材なんですよね。

日頃料理してる私ですらそうなんです。
ハンターパパ!本当にちゃんと「美味しく」ジビエを料理できてますか?

なんでこんなこと言うかというと、せっかく一生懸命捕ってきたジビエをそれを食べた家族が、
「固いし臭いし美味しくない!もう食べたくない!」
って言われたら、悲しいと思うわけなんですよね・・・。

私は日頃料理してますので、そこに「ジビエ肉」って素材が入っても、全く問題なく調理できます。
なんだかなあ・・・。どんな種別の「ジビエ肉」でも、私は料理できる自信があるのに、猟期が始まって、とにかく捕れる気がしないっていう感じ・・・。
まあ、愚痴はそれぞれ、初年度はいろいろな角度と自分なりのペースで、猟場を楽しみたいと思います。






この記事へのコメント

  • 黒猫

    美味しそうに料理されましたね!!

    しかも2日前のイノシシですか。支部長さんですから、有害駆除もされていたり、鹿と猪の罠は1日から始まっていますから、取れたてのほやほやだったんですね!

    僕も塩麹に漬けて2~3日置いてみようかな。
    2017年11月18日 10:50
  • morimori

    塩麹はお勧めアイテムです!
    基本的に細菌が活動する温度って体温ほどなので、冷蔵庫放置よりも、温かめの室温放置のほうが、劇的に肉が柔らかくなります。
    解凍した肉を適度に切って、沸騰したお湯にドボン。30秒ほどでお湯切って、塩麹に混ぜます。すると・・・ちょうど体温くらいになるかなあって感じ、冷たかったら10秒単位でレンジ。
    あとはチキンレースです(笑)
    室温の野生肉をどれだけ放置できるかってハート次第ですね(笑)
    ちなみに、同じ方法で3時間、牛すじ肉を室温放置したら、本当に柔らかくなりました。
    ついでに、ちなみに純鶏を1日冷蔵庫での放置は、ほとんど食感変わりませんでした。
    肉の種別によって、塩麹の効果の違いがあるのかもしれません。
    あと、塩麹は名前通り「塩」ですので、焼く前にある程度洗い流さないと、焦げやすくてしょっぱいです。
    2017年11月18日 21:10
  • 182

    やりました!
    初捕獲成功です!
    昨日は本当なら班長さんが捕獲したイノシシで解体法法を学ぶはずだったのですが、どうせ掛かって無いだろうからヌカだけ撒いとこうと思い見に行くと1番高い場所の仕掛けに捕まってました。
    即班長に連絡してとりあえず待てと言われ班長ともう一人と合流して現場へいき、とりあえず見とけと言われてどうやるのか結局内臓抜きまで見学してました。
    そして今日、皮剥ぎから精肉まで教えて貰います。
    2017年11月21日 06:09
  • morimori

    182さんおめでとうございます!
    本気でうらやましい限りです!
    さすがに罠猟は、猟友会の先輩と良い人間関係ができているみたいですね。182さんの社交性が大きいのかな?
    私のほうは、空気銃のみっていう存在自体が珍しいのか、鳥猟自体が単独で行うためなのか、未だに独学で孤軍奮闘してます。
    まあ私はもともと社交的ではないので、孤軍奮闘してる方が性に合うのですが、ここまで小鳥たちに会えない日々が続くと、師匠的存在が欲しくなります。
    2017年11月21日 18:41