ジムニーは「パートタイム4WD」ってご存知ですか?

ジムニーって「悪路王」だから、いつもいつも四輪駆動でしょ?
・・・ってことは、ジムニーって「フルタイム4WD」ですよね?

って思われる方、多いと思います。

はい!間違いです!
ジムニーは「パートタイム4WD」です。フルタイムではありません!

私はジムニー乗り手になってから10年たちますが、とにかくジムニーの「四駆」に慣れるまでに時間がかかりましたので、今回ご存知ない方に紹介いたします。


さて、ジムニーはパートタイム4WDなのですが、その「パートタイム」って部分を、パートのおばさん的な働き方、
いわゆる「一時的」って訳してしまうとわかりにくくなります。
248455.jpg
それよりも「手動式」って考えてもらえれば、間違いないです。

つまり「二駆」か「四駆」かは、自分で選択するわけです。
選択するまでは「四駆」にならないので「パートタイム」
でも、いったん「四駆」を選択したら、今度は「オールタイム四駆」となります。

この違いが判らない方が多いと思われますので、ゆっくり説明します。







ジムニーは四駆を選択すると、どんな状態であってもずっとずっと四駆です。
このずっとずっと四駆状態って、一般道を走るときには、たまに強烈に面倒な状態が発生します。

「内輪差」ってご存知でしょうか?

前方の車輪と後方の車輪とでは、その道筋が違う現象で、後方の車輪のほうがショートカットするような道筋を通るために、大きなトラックでは後輪で巻き込み事故を起こす現象ですね。

さてこの内輪差がジムニーでは問題になります。
前輪と後輪の道筋が違うということは、急ハンドルをとればとるほど、その道筋の差が大きくなりますよね。つまり前輪と後輪の進む距離が変化するということ。
しかしずっとずっと四駆ということは、同じ距離分を進もうとする力が発生するということ。

その結果、
「オールタイム四駆状態でハンドルを最大限に切ると、内輪差の抵抗分の摩擦力が働き、その摩擦力でブレーキがかかります」

まあ一般的な使い方で言うと、スーパーとか行って駐車場にバックから車庫入れしようとするでしょ。そのためにハンドル切った状態だとブレーキかかるから、無理やりアクセル踏むと、

ギャギャギャギャギャギャ!!!!

って、タイヤがアスファルトで無理やり擦れながら空回りする音が聞こえてきます。
まあこんな使い方、タイヤにも車にもいいわけありません。


さてはて、この記事を読んだ皆さんの中で、
「私の車は四駆だけど、そんなハンドル切ってブレーキかかった経験ないんだけど・・・。」
って方が多いと思われます。

それは、その車が「フルタイム四駆」だからです!

フルタイムってことは、ずっとずっと四駆です。
ジムニーと違って、いつでもどこでもずっとずっと四駆です。
でも、内輪差問題とかないでしょ?

それは、基本四駆だけど、内輪差問題とかのときにはコンピューター制御で二駆になるからです。
そうなんです!フルタイム四駆とはコンピューター制御四駆のことなんです!

まあ通常の街中いわゆるタウンユーザーには、四駆の「デメリット」を感じることもなく、四駆の出番の時でも、それを感じることなく使っているというわけです。

それを「良し!」とするか「否!!」ってするかで、フルタイム四駆とパートタイム四駆の意見が分かれます。


例えば、強烈な山道でスタックしたとしましょう。

フルタイムはコンピューター制御、いわゆる「頭良い系」です。いろんなことを考えてくれます。でもプログラムにないようなスタックの仕方をした場合、下手すると二駆と判断されてしまいます。ドライバーは手動で四駆にする方法がありません。
あるいはスタックした状態で制御システムが壊れた場合、これも四駆にはなりません。
「頭良い系」は、強烈な環境との相性がイマイチなんですね。

これと比較して、パートタイム「バカ」です。どんな状況下でも四駆であり続けます。例えアスファルトの上で縦列駐車しようとも内輪差ブレーキかかろうとも、四駆状態を維持し続けます。
ただ、過酷な条件であった時に、どんな状態でも四駆状態を保ってくれるというのは、極限環境下において一つの安心感でもあるんです。


ジムニーの四駆は「バカ」です。
バカの良さはたった一つ「どんな条件でも四駆を守る」ということ。
それがジムニーの「パートタイム四駆」のメリットでありデメリットでもあります。

世の中の99%のドライバーが、四駆にジムニーのような性能を求めていないと思います。

しかし、たかが「手動」なわけで、ミッションのように手動でギヤを入れ替えるように、二駆と四駆を手動で入れ替える作業を面倒と思わない方なら、ジムニーのパートタイムはそれはそれでメリットになるのです。

私は初年度猟期の時に、例えアスファルトでも一般道から狭い農道に入る前に四駆に入れてました。猟期中、2度ほど枯葉などで見えなかった側溝にスタックしましたが、一撃で脱出することができました。

もう、「雪国」の「猟師」ってだけで、ジムニー以外の車に乗りたいとは全く思いません。






この記事へのコメント

  • ヒロポン

    タイトコーナーブレーキング現象ですね。
    最初の頃はなんてメンドクサイ4WDなんだと思いまいしたが、使い込んでいくと逆にフルタイム4WDが邪道だと思うようになります。2WDにすれば燃費も良いですからね。
    ただ、直結になっているからこそ無理な事をすると壊れるので注意が必要です。特に大径タイヤに変えたジムニーで、アクセル全開で走るジムニー走りを繰り返しているとシャフトやデフ類が簡単に壊れるので要注意です。
    2018年08月21日 08:31
  • morimori

    なるほどなあ・・・。
    でもやっぱり「一般的」には「タイトコーナーブレーキング現象」のほうが面倒だと思われると思います。
    私も含めた「狩猟初心者」向けブログ内容としては、「狩猟初心者」向けジムニー情報のほうが適していると思われます。
    ただ、ジムニー上級者からするとフルタイム四駆のほうが邪魔なんですね・・・っていいながら、私も上級者の仲間入りをし始めたのでしょうか?!私もフルタイム四駆のほうが邪道のように感じ始めてますからね(笑)
    2018年08月21日 20:29