今回は、猟師なら定期購読が必須である、
「狩猟生活」Vol.4の紹介です。
今回の特集記事は
「大物猟に行こう」
罠なし空気銃のみの私にとって、まるで無縁の世界ですが、まあ将来的に罠猟やるかもしれませんしね、一応購読してみました。
やっぱり読んで面白かったのは、私にとって無縁中の無縁の「熊猟」の話でした。
猟師でありながら、クマにだけは出会いたくない私です!
上記の記事中のコメント欄にさらりと書きましたが、
本当はメチャクチャ怖かったんです!!
猟なんかやめたくなるほど!!
今となっては昔の話。
あの当時の話をちゃんと書きます。
私のロケハンの手法は初年度も今年も同じ。始めて行く猟場はまず駐車スペースを確保して、ロケハンしながらその先に駐車できるスペース探し、駐車スペース見つけたら車まで戻り、そして拠点を移してまたロケハン・・・って感じです。
つまり、車を拠点に歩きが往復、そして車で移動して歩きが往復・・・って繰り返しです。
で、「カモの三段池」を1回目のロケハン中に、急にものすごい生臭さが漂ってきたポイントがあったんです。
それが、車を拠点とした「行き」ではなく「帰り」だったんです!
その先に、駐車スペースを発見したので戻る途中で、行きの時にはなかった、ものすごい生臭さを帰りに感じたんです!
その時は単純に「ああなんか山中でイノシシかなんかが死んでるのかなあ・・・。」って思ったのですが、それだったら行きの時にも臭ったはずです。本当に初年度で、本当に何も知りませんでした。
そして次の日、同じ場所に車停めて、今度は銃持って三段池にカモ探しに行きました。つまり昨日と同じ場所に車を停め、昨日と同じ道を歩き、行きは全く異常なく猟場に向かい・・・そしてカモがいなくて帰り道です。
「確か昨日はあの辺りで強烈に臭ったなあ・・・。」
って思いながら、昨日と同じポイントにさしかかった時、
「むうううううう・・・。」
って低い低いうなり声のようなものを、私はちゃんと聞いたんです。
これ今になって思うと、私だからこそ聞こえたのかもしれません!
長年、低音域が担当楽器なので、例えば普通に喫茶店とかでBGM的に音楽流れてても、私はきっちりベース音聞こえているんです。日常で言うとスマホとか携帯とかのバイブ音が一般人では聞き取れない距離でも、私は今でも聞きとれます。
さて、あの時聞いた「うなり声」・・・。
スマホのバイブ音よりももっともっと低音だったような気がします。
ただ一瞬で理解しました!
でかい野生獣がいる!!
昨日の今日です!
あの生臭さは大型の獣臭です!
あの時私は、とにかく冷静に!歩みのテンポを乱すことなく!振り返らず!
なにより刺激せず!!
この場を立ち去ることを第1の優先としました!
そんなこんなで、私はシカ以外の四足を猟場で見たことありませんが、あの日以来「熊」がとてもとても怖くなりました。
で、無理やり話を本線に戻しますが、今回の記事の中でクマに襲われても復帰した熊猟師の話が、一番わくわくしながら読ませていただきました。
「すげえな!熊猟師って!」
俺第一種銃猟免許持っているけど、クマって・・・。
あと、今回の記事の中で福井県人の私が絶対に取り上げねばならない記事がありました。それは114ページから始まる、
「地域活性の取り組みレポート④」
ジビエは地域を救えるか
福井県鯖江市の挑戦
です。
取材し記事書いたのは、個人的に負けたくない相手「北尾トロ」さんです。
この記事がメインで伝えているのが、
「電気柵での住み分け」
です。
「鯖江市にはくくり罠文化がなく、銃を使う猟師も少ない」
とのこと。
そのために駆除という考えではなく、電気柵で野生獣と農家との境界線をきっちりわけあう方針ってことで、行政側じゃなく市民側がプロジェクトとして動き、そして成功した例として記事はまとめてある。
「・・・。」
「はああ・・・。」
逆に言うと、新参者の猟師は鯖江市では動きにくいってことかな?!
もっと逆に言うと、鯖江市の境界線で鳥猟を行うことは人間の痕跡を見せることであり、鯖江市的にはありがたくなる存在となるのかなあ・・・。
北尾トロさんの記事で言うと、「鯖江市で銃を使う猟師も少ない」ってだけで、私が鯖江市を銃持ってうろちょろすると、無用ないざこざがあるかも知れないってことですなあ。
星新一さんだったかなあ・・・阿刀田髙さんだったかなあ・・・。
昔々に私が笑った、こんなショートショート話、思い出しました。
ある発展途上国へ靴のセールスマンが2人やってきた。
一人のセールスマンは本国へこう報告した
「この国は靴を履く習慣がない、靴が売れる見込みなし。」
一方のセールスマンは本国へこう報告した
「この国は靴を履く経験がない!靴が売れる見込み大!!」
鯖江市の住み分け話は、ハンターの私にとってこんな感じの話に聞こえました。
この記事へのコメント
黒猫
でも、くくり罠の「文化がない」とか、銃を使う猟師が少ないとか、それって正しい表現なのかなぁ。そういえば福井市でもククリ罠をやっている人って、耳にしません。皆さん、グループを作って箱罠、1種の人達で、私みたいに単独でくくり罠、2種なんてありえませんね。。。。
morimori
私は「山賊ダイアリー」から狩猟に入った人間なので「罠」といったら「くくり罠」が全国的にも主流だと思ってました。
そういえば、以前記事にも書きましたが、昨年のロケハンで畳6畳くらいの鉄柵で囲まれた「柵罠」見ました。群れで行動するイノシシなら、言葉通り「一網打尽」のプロの罠です。
福井県の猟師は「散弾銃」で「箱罠」が主流なのですかねえ・・・。
それじゃあ、私や黒猫さんなんかは、亜流中の亜流なんでしょうねえ・・・。
でも亜流でも亜流なりの意地ってありますよね(笑)