さて、今回はイノシシの「内臓」料理です。
何度も書いてますが、先日わな猟の手伝いして、おこぼれとお土産をもらいました。
で、おこぼれの中で、ちょいと失敬したのが、
イノシシの「心臓」と「肝臓」と「肺」でした。
一般的な内臓の感覚で言うと、てっちゃんのような「小腸」や「大腸」のような腸や、せんまいやはちのすのような「胃袋」のイメージ、そして心臓と肝臓ですね。
焼き鳥屋でも「ハツ」や「レバー」ならありますし、牛の心臓や肝臓なら街のスーパーでも置いてますから、生の感じと、食べた感じが一番想像がつく内臓だと思います。
しかし「肺」って・・・食べれるのか?!
実は私の愛読書「山賊ダイアリー」の7巻に、料理したイノシシの肺を食べて「旨い!」って書かれてます。
私の中で、ションベンまみれの腎臓や、ウンコまみれの大腸よりも、肺はよっぽど興味のある内臓でした。
いつかイノシシの解体現場に立ち会うことができて、内臓を好きなだけ持って帰れる状況ができたなら「心臓」・「肝臓」、そして「肺」は必須でした。
そんなこんなで先日解体現場を体験することができたので、イノシシの解体は初めて❤とかビビってる暇もなく、手探り自力の状態で、なんとかその3つを入手しました。
正直、最後まで悩んだのが「タン」でした。
ぜったいに旨い部分ってわかってながらも、初めてのイノシシ解体で、上半身の内臓を取り出すだけでもなかなかの勇気を振り絞ったんです。
その流れでさすがに、顔にナイフを入れる度胸と集中力がなくなってしまい、タンは諦めました。
さてさてネットで調べてみると肺臓は「フワ」って呼ばれる部位らしいです。
ふわふわしてるから「フワ」
これは一般的に食感がフワフワしてるから名づけられたのだと思いますが、解体した私ならリアルにわかります。
肺は大きさの割にメチャクチャ軽いんです!
肉の部分も内臓部分も、筋肉と脂肪の塊なので、どの部位も見た目通りの重さがあります。
それが肺は
え?!
っていうほど軽いんです!!
で、本日解凍し、切り分けて・・・。
フワフワっと柔らかいから切りにくいなあ・・・。
なんか真っ赤なドリップが多いなあ・・・。
肝臓と同じくらい真っ赤に水が濁るなあ・・・。
ブログ用の写真なんか撮れないくらいグロいなあ・・・。
仕方ない、ある程度洗ったら、とりあえず茹でてみるか・・・。
って、フワだからね❤フワフワっと❤
ぷかぷか浮くんじゃねえよ!!
火が通らねえじゃねえか!!
って、なんだよこの尋常じゃない灰汁の量!!
だから浮くんじゃねえよ!!
灰汁まみれじゃねえか!!
ふうーーーー。写真を全てとり忘れるほどの尋常ではない下処理・・・。
とにかく、フワに火が通り始めると茹で肉の色に変わり、ようやくお湯の中に沈んでくれました。
・・・。
さて、ここまでは野生動物の内臓を食べることができるようにしただけの、ただの下処理。
ここからが調理になるんですが・・・。
さてどうしよう・・・。
でも、やっぱり茹でて下処理したんだから、このまま「煮込み」にしようかと。
で、さまざまな味付けを施し、一応料理として完成!
イノシシの肺の和風煮込みです!
見た目はいいし、食感もスポンジ的でくにくにと面白くて良いんですが、やっぱり内臓だけあって、柔らかい食感でも「噛み切りにくい」んですね。で、噛んでいるうちに口いっぱいに広がる野生臭・・・。
不味くはないけど・・・旨くもねえな・・・。
で、今晩はこれでおかずとしましたが、食後あれこれ考えました・・・。
食感は良いから、食感だけ生かすということで、できる限り薄切りにして茹でこぼすだけ茹でこぼすか・・・。
って方針で、薄切りにした後に大量の水と日本酒を入れて、沸騰させたら、まあすごいことの灰汁の量!!
全ての煮汁を捨てて、もう一度大量の水と日本酒入れて火にかけ沸騰させ・・・ってことを3度やりました。
それでも、肉の中心に残る野生臭が消えないので、焼きに方針を変え、大量のごま油としょう油と一味で炒めることにしました。
で方針変更の、イノシシの肺のごま油炒めです。
ずいぶん野生臭は収まりましたが、それでも中心部に残る野生臭は消えることがありませんでした。
難しいけど、面白いなあ、素材としてイノシシの肺って。
今から考えると、解凍した後で切り始めたので、柔らかい素材だったから切りにくかったのですが、元々スカスカの部位だから、逆に冷凍状態のほうが、薄切りにしやすかったのではないかと。冷凍状態のほうが切り分けしやすかったのではないかと。
できるだけ冷凍状態で薄切りし、解凍するときに大量の牛乳とともに解凍したら臭みは極限収まったのではないかと。
次にそんな機会があれば、肺は絶対に持ち帰って、もう一度勝負したい部位となりました。
さて今回はイノシシの肺の調理だけの記事にしましたが、
実は持って帰った「心臓」・「肝臓」・「肺臓」はこの順番通り、調理しました。
で、実は一番美味しかったのは・・・というよりも、イノシシ肉の中で一番上等だとされている背ロースよりも、ダントツで美味しかったのは、実は「心臓」でした!
今まで食べた中のイノシシ料理の中で、イノシシの心臓の単純な焼き肉が一番美味しかったです!!
これは驚きでした!!
逆に「肝臓」はダメでした。
解凍後の切り分けで、延々と真っ赤なドリップとの戦いで、それの水洗いも延々で、とにかく下処理が延々でした。
そしてその後、レバニラ炒めを作ったのですが、下処理であれだけ真っ赤ドリップを見てきたので、半生❤とかピンク色❤とか許せなかったので、これも延々とレバーに火が通るだけ通しました。
で、出来上がったのが、ぱっさぱさだけど、野生臭が半端ない不味い料理でした。
何か手段を思いつかない限り、二度とイノシシの肝臓を持ち帰ろうとは思いません。
で、今回の肺臓の料理はこんな感じで、初戦敗退ですが、次回対戦するときのための経験値は上げたつもりでいます!
私の中で、次回このような解体機会に恵まれたなら、ぜったいに「心臓」と「肺臓」は持ち帰りたいと思ってます。
時間が許せば小腸も持ち帰ってもいいかなあ・・・。
でも処理は大変だろうなあ・・・。
P.S.1年後にリベンジして肺料理を成功させました!
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