保温鍋の保温力と危険性について

以前ですね「保温鍋」による煮込み料理の便利さについて記事書きました。
で、その後ちょっと気になりまして、ネットで調べてみたら、
「保温鍋」による「危険性」
という記事がいくつも出てきたので、私なりの実験をしてみましたので、まとめて報告します。
もう一度、我が家の保温鍋はこちら。TIGERの3L保温鍋です。
DSC05846.JPG
Amazonで探してみると、こんな感じ。

一般的には「シャトルシェフ」って名前のほうが商品名として通っているかもしれません。

さて、長時間の煮込み料理の道具としては非常に便利な道具なのですが、
使い方を間違えると一度にすべてがダメになるみたいです。
いわゆる、温度が下がりにくい調理器具なのですが、それでも時間とともに徐々に鍋内の温度が下がります。
そして50度を切ったあたりから、腐敗菌繁殖しやすい温度帯となってきて、それが長時間続くものですから、
鍋の中身が全て腐ってた!
って事故があるみたいです。

一方で、私の保温鍋、それこそずいぶん昔に購入したものですから、
「真空断熱」
って書かれてても、
本当にいまだに真空か?!
って疑ってまして、印象的には、購入当時のほうが、もっともっと断熱効果が高かった気がしたんです。
本当に「保温鍋」として現役か?!
って思ったんです。

で、実験しました!


私の3L保温鍋に8分目くらいまで水入れて沸騰させ、それからの温度の下がり方を検証しました。
ちなみに検証当日の我が家の台所の温度は、暖房入れていたため早朝でも20度を下回りませんでした。

お湯の温度を測ったのはこれ。
初年度、低温調理をした時に、肉の中心温度を計るために購入したものです。
地味な驚きとして、沸騰したお湯の温度って、小学生の時に習った「100度」なんですね!
さて、100度がスタートです。

結果は、
1時間後:86度
2時間後:75.5度
でした。
低温調理最低温度60度ってことを考えると、もう老朽化でダメになったんじゃね?!って考えていた我が家の保温鍋が、2時間後でも十分な火力があることが実証されました。
ごめん!!保温鍋!!お前現役だ!!

で、続きまして一晩放置実験です。




23時15分に再沸騰させて、次の日の7時45分に温度確かめました。
それが:45.1度
でした。

時間として8時間半です。
8時間半で100度から45.1度まで下がったので、
失われた温度は54.9度です。
直線的に温度が下がったとして、30分後毎の温度が知りたいので、8時間半とは17回、30分が経過したというわけで、
54.9度÷17回=3.23度
つまり、我が家の保温鍋は
30分後には3.23度温度が下がる
と予想できるわけです。

その予想温度を列記してみます。
0分:100度
30分後:96.77度
1時間後:93.54度
1時間半後:90.31度
2時間後:87.08度
2時間半後:83.85度
3時間後:80.62度
3時間半後:77.39度
4時間後:74.16度
4時間半後:70.93度
5時間後:67.7度
5時間半後:64.47度
6時間後:61.24度
6時間半後:58.01度
7時間後:54.78度
7時間半後:51.55度
8時間後:48.32度
8時間半後:45.09度

こんな結果になりました。




さて、実際の1時間後の測定結果「86度」と、8時間放置の計算上の1時間後の数字「93.54度」がずいぶん違います。
ただですね、この結果は予想してました。
1回目に保温した時にですね、保温する側の鍋の内側の温度が低くて、その分の温度が奪われたのではないかと。
つまり、最初の1時間と2時間の温度の下がり方は、外側の保温鍋を包む鍋の内側部分に熱量が奪われたのだと思われます。
そして熱量が平行化するまで奪われてしまえば、あとは実験通りの温度の下がり方だったと思われます。

さて、実験はこの通りの順番なので、2時間後の測定をした時には外側鍋の内側自体も十分に温まっていたと思われます。
その状態で再加熱で100度にして、室温20度状態で8時間半後に45.1度だったというわけです。
私としたら、何度か再加熱を繰り返して、最後に寝る前に完全沸騰させて、朝までもつかどうかが問題だったわけです。

さて、この結果は十分に満足のいく実験結果でした。
やっぱり私の保温鍋は現役として十分使える鍋で、寝る前に沸騰させ、朝起きて一番で再沸騰させればまるで問題ないことを、実験結果として証明して理解しました。

一番危ないのは一晩放置した後、朝起きてから保温鍋の存在忘れて、夕方まで外出してしまうことでしょうね。
まあ、確実に鍋全体の腐敗でしょう。

一度でも鍋全体の腐敗を喰らった人間からすると「保温鍋」はヤバいしろものかもしれませんが、私からすると、保温鍋って「過熱状態」いわゆる「コンロで火をかけている状態」と同じなわけです。
そんな状態を、一晩寝たからと言って忘れること自体がヤバいわけで、保温鍋自体がヤバいとは、到底思われません。
便利な道具も使い方次第ってやつですね。






この記事へのコメント

  • 黒猫

    すばらしい検証結果、ありがとうございますございます!

    私もシャトルシェフをよく使いますが、沸騰させるのを2~3回、繰り返します。その際に注意しているのは、途中で絶対にふたを取らないことです絶対にふたを取らないことです蓋を取らないことです。

    夏場のような腐敗しやすい季節ですと、シャトルシェフでなく普通の鍋でも、放置すると温度が下がるに従って菌の増殖しやすい温度が保持されて腐敗につながります。

    何度か沸騰させて菌が死ぬ高温を長時間キープすると良いのですが、中の状態を確認しようと蓋を開けると、それだけで新たな菌が入り込み、腐敗につながります。

    あと、沸騰させても芽胞は生き残りますから、特に夏場は速やかに冷却して冷蔵庫に入れるのがベストですね。

    私は1晩シャトルシェフしたら普通の鍋に移し替えています!
    2018年12月03日 15:29
  • morimori

    あっはっは!
    コメント読んでると、さては腐敗させたこと一度ではなく数度ありますね(笑)
    正直私は保温鍋での腐敗全滅は経験してないので、それが逆に怖くて今回の実験に至ったわけです。
    さて次は高音キープと腐敗温度の中間、いわゆる「低温調理」の実験が必要ですね。
    ・・・。まずは獲物を獲ってからの話ですね。
    今期は多少手ごたえを感じているので頑張ります。
    2018年12月03日 22:25