新年あけました。今年も一年よろしくお願いします。
さて、シカ肉料理の続報です。
我が敬愛する「山賊ダイアリー」にも書かれてますが、長年猟師を続けていると、シカを軽視して、イノシシを重視する傾向があるようです。
でも私は、ずっと疑問だったんですよね。
シカよりイノシシを重視する考え・・・。
だって、私が今まで経験したフランス料理でのメイン料理に「エゾジカ」が書かれていることがあっても、
「イノシシ」あるいは「豚」がメインだったことがないからです。
イタリア料理のコースだと、メインで「ミラノ風ポークカツレツ」ってのはあります。
でも高級フランス料理で「豚」をメインで使う店見たことないんですよねえ・・・。
私も食材としての「イノシシ」は「固い豚」って位置づけです。
食材として高級感はありません。
ここなんです!ジビエとして高級感がイノシシにはないんですよね!
で、シカです。
で、私が思うにシカ肉の利点は牛肉のユッケのように、生で食べれる食材だということです。
ステーキでも、ほぼレア状態でも食べることができるのがシカ肉の利点ではないかと。
ここが絶対生では食べられない「豚肉」との違いではないかと。
ただ現在、厚生労働省からも「シカ肉を生食するな!」って通達出てます。
もちろん私だって知ってます。
冷凍シカ肉を解凍後に刺身で食べてE型肝炎になった例もネットで確認してます。
それでもこの先の記事は「シカ肉を生食します」
もちろん自己責任ってことは当たりまですが、食べる前に調べに調べたうえでの判断です。
後日「生シカ肉」の危険性については、別記事としてアップする予定です。
今回はその論点を「せおいなげ~~~~
」

さて本題です。
今回はシカの背ロースをたたきにしました。
まあわかりやすく言うとシカ肉は「カツオのたたき」と同じ料理法です。
でも味付け方法は「マリネ」です。
この調理方法はシカ肉を入手したから考えたのではなく、元々昔から、牛肉の赤身肉の塊をスーパーで買った時に、どうやったら一番美味しく食べられるのかを試行錯誤の中でたどり着いた、自作レシピです。
まあレシピといえるほどの詳細レシピではありませんけどね。
まずマリネのつけ汁から。
バルサミコ酢・しょう油・みりん・胡椒
を全て適量・・・ってだけじゃあわかりませんよねえ・・・。
でも本当に適量なんですよねえ・・・。
適量を説明します。
私はバルサミコ酢としょう油を1:1ってのが基本の味付けです。
だからバルサミコ酢をお玉1杯分入れたら、醤油もお玉1杯分入れます。
いわゆる酸っぱさと旨さをバルサミコで、塩味を醤油で作ります。
ただ純粋にこれだけの分量だと本当に酸っぱすぎて塩辛すぎてキツイ。
それを薄める存在として、みりんを使います。
みりんの量は・・・これが適量としか言えません。
ただマリネのつけ汁なんで、みりんで薄めながら味見して、
味付け的にはちょっと濃いかなあ・・・ってところまで入れたら、みりんストップ!!
このつけ汁に匂い消しの多少胡椒ふって、つけ汁レシピ終了。
ただ量的にソースではなくつけ汁なので多少大目に作りましょう。
もし、バルサミコソースを作りたいのなら、みりんではなくワインか日本酒で薄め、一度沸騰させて多少とろみがついたら完成です。
シカ刺しはもちろん、牛ユッケにかけても絶品ソースですよ!
次にじゃーん!
野菜室でゆっくり解凍されたシカの背ロースです。
解凍後、良く見たら表面に結構毛がついていたので、もう一度きれいに洗いました。
今回シカ肉を扱ってみてわかりましたが、シカには脂肪分って考えがないんでしょうか?
イノシシと違って、どこ触っても脂でべたべたギトギト感がまるでありませんでした。
つまり、上の写真で白く見える部分は脂身ではなく「筋」です。
本当ならきれいにトリミングしたほうが良いのでしょうが、今回はたたきです。焼いた後に包丁とまな板でたたき肉を切ります。
衛生的に焼く前と焼いた後で同じ包丁同じまな板を使いたくなかったんです。
このまま焼きにはいります。
フライパンに多少大目に油入れてチンチンに熱して、一気に表面を全て焼いたのがこれ。
右下の白く見える部分が筋ですね。
いいんです。表面殺菌が先です。
で、表面の温度が手作業できるほどに冷めたら、薄切りします。先ほどの筋はこの段階で切り取りました。
はい!見た目はカツオのたたきです。
ほぼ生肉です!
このたたき肉を白い皿に盛りつけて、
黒いバルサミコソースを肉の周りに流しかけて、
最後にみじん切りした浅葱散らすと、
インスタ映えするでしょうなあ・・・(遠い目)
私はそのたたき肉をつけ汁に浸します。
あっはっは!見た目がこの時点できたないですね(笑)
このきたない状態を1時間キープ。
それで完成!
通常ならせめて色目的にも刻んだカイワレ大根を散らすのですが、この日に買ってなかったので、なんとまあこんな汚い絵図らです。
本当にね、私の作る料理って、どいつもこいつも絵図ら悪いです(笑)
生肉の赤身感が消え、ドブ色に変わってます。
でもね味は保証します!
いやあ
美味かった!

食べだすと箸止まりませんでした!
シカ美味い!!
さて次の日、食べきれなかったシカのたたき肉を、これもやっぱり衛生上考えてフライパンで焼きました。
きっちり中まで火を通しました。
ちゃんと焼きました。
結果・・・不味くなりました。
今回、初めてシカ肉を触り料理した感想なのですが、
「シカ」と「鮭」は素材として似ているのではないか?
って思いました。
鮭って魚、シカと同じく全身赤身肉です。
そして火を通せば通すほど不味くなります。
似てます。
そんな鮭を刺身で食べると絶品です!
ねっとりとした食感の中に微妙な旨味があります。シカも同じように感じます。
似てます。
鮭は通常刺身で食べられません。寄生虫のアニサキスに感染されている可能性が高いからです。
そのため一度冷凍殺菌されます・・・殺虫かな?
冒頭でも言ったように、山賊ダイアリーでも48時間の冷凍殺菌を述べてます。
似てます。
シカも鮭も生は危ないんです。
危ないけど、火を通すと途端に不味くなる食材です。
しかし、生食OKの状態さえキープできれば、見違えるほど美味しくなる食材です。
似てます。
いやあ似てます。
シカは美味いです!
いろいろクリアしなければならない問題点はありますが、単純に美味しいと思える食材です。
この記事へのコメント
黒猫
私の知人は、フィレを刺身で食され、非常に美味しかったそうです。大昔から日本人は鹿肉を生で食べる習慣があったそうですが、つまり、火を通すよりも生の方が美味しいからなのですね。
次は、プア様にならってローストにバルサミコソースではいかがでしょう?夢が広がりますね!!
morimori
こういうのって、賛否両論出てきますが、まあ自分が正しいと信じた方向に向かって一石投じるってのも、ブロガーの役目かなあと。