通常、イノシシをさばく場合、背ロースは別部位としてさばいてしまうので、あばら骨って肉が少ないスカスカの部位として捨ててしまうことが多いと思われます。
で、先日「ウリ坊」を一頭分もらう機会に恵まれました。
本当に「黒猫さん」、ありがとうございました!
で、ウリ坊なんですが、背ロースをさばく前に、何となくあばら骨ごとに切り分けてみました。
いわゆるラム肉で言う「ラムチョップ」ですね。
まあラムチョップより肉は貧素ですが、単純なあばら骨よりは食べごたえがありそうです。
というか、けっこうな塊肉がついてます。
この塊肉に火を通しながら、美味しくいただく方法を考えると・・・。
やっぱり「蒸し」と「焼き」の複合技ですね。
まずは料理する予定のスペアリブを全てフライパンに投入!
いやあ!結構な量があります!
単純にフライパンやグリルで焼くと、塊肉の中は生で、骨周りはカリカリになってしまいます。
ラムチョップなら多少生のほうが美味しいですが、さすがにイノシシ肉は多少の生でもNGです。
そこでまず塊肉に火を入れるため「蒸し」ます。
多少塩したあと日本酒を加えます。
そして蓋して強火でガンガン蒸します。
通常、煮るときに日本酒を入れる理由は、アルコールって揮発するときに、匂い成分を連れ去る効果があるのだとか。
でも今回は煮物ではなく、蒸しです。きちんと蓋閉めます。
で、5分以上蒸し煮してから様子見るために、一番大きな塊肉をキッチンバサミで切ってみました。
ちゃんと中まで火が通ってました。
この時点で蒸しはOKです。
次に、蒸しに使ってきた水分を強火で飛ばします。
蒸しから焼きへ、水分がなくなり始めると、パチパチと油の音に変化するので、焦げないように火加減調整。
水分が飛んだ瞬間に、焼きに変わります。調子に乗って強火で水分飛ばしていると、その境目は一瞬です。
焼きに変化し、肉に焦げ目がつき始めてから、ちょっと味見。
蒸し焼きの前に行った、塩加減がどんな塩梅かを確かめます。
その微調整で、今度は追加の塩と醤油と胡椒。
十分塩すればしょう油は要らないように思えますが、やっぱり少々焦げるしょう油の香りは日本人なら大好物ですからね!
私は塩分の追加というより香り付けでしょう油を入れました。
で、完成!ウリ坊のスペアリブ焼き。
いやあ!元がウリ坊だから、元々くせが少ないことを差し引いても、
いやあ美味い!!旨すぎる!!
というか、確かにウリ坊とは言えど、多少の野生臭があります。
しかしその野生臭が、匂いではなく、肉本来の持つ香りとして変化した時、強烈な魅力となることに気がつきました。
下手すると、無臭に近い家畜豚よりも旨い!
同じ羊肉でも「マトン」と「ラム」では大きな違いがあるように、
同じイノシシでも「大人イノシシ」と「ウリ坊」では、格段の違いがあるように思われます。
ウリボウは、私のような素人料理でも掛け値なしで美味いです!!
次回ウリボウもらうときは、内臓付き頭付きのままもらって、細部の細部まで食べつくすこともありかもしれないですね。
あと後日、同じようにスペアリブを調理しようとしたときに、豚のスペアリブと違って脂身が少ないことに気がついたので、蒸しの段階から「バター」を入れてみました。
ちなみに私がバターを使うときは「無塩バター」を使います。
有塩バターだと、肉に対する塩加減がわからなくなるからです。
バターの風味って、大きく言うと「牛風味」だから、純粋にイノシシを楽しみたい時は邪魔になります。
しかし「料理」として楽しむなら、バター加えたほうが味に深みが出る感じで、単純な味として比べるなら、バター入りのほうが美味しかったです。
まあいろんな意味で、おためしあれ。
この記事へのコメント
黒猫
アルコールで臭みを飛ばす。共沸ってやつですね。しかも蒸して火を通す。最高です。
野生の肉は高い温度で火を通しすぎると、硬くなるだけでなく、えぐみというか、後味が悪くなります。蒸すことで確実に火を通しつつ温度が高くなりすぎないのは、大正解だと思います。
もう少し大きな背ロースが付着しているとトマホークステーキ的なものになるのでしょうが、何せ 「小物ハンティング倶楽部」 ですから。
まぁ、羊もマトンよりラムの方がおいしいのと同じで、イノシシも小物の方が癖が無くて良いのでしょう。
次はカモの番です。がんばって!!
morimori
今期は・・・そうですね、もう一度、近場のロケハンからやり直そうかと考えてます。