イノシシの肺をリベンジしてみた

でもそれは、処理を失敗しただけで、食感はくにくにと面白い部位だということはわかりました。
今回はそのリベンジです。

広告の後は、切り刻んだ後のイノシシの肺とはいえ、生の内臓写真が出てきます。
苦手な方はここまでということで。




ああ・・・1年ぶりのイノシシの肺です。いわゆる「フワ」です。
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触った感じ、本当にフワフワのスポンジ質ですが、薄い薄い筋肉質というか、昨年よりもちゃんと観察してみると、入りくんだ血管も多く、肺臓の役目通り、血の出入りと外気の出入りが強い部位だということが良く理解しました。
これは・・・レバーのような血の匂いが強い部位でありながら、スポンジ質で外気に触れていたという事実から、
「内側」「外側」の汚れを、きちんと処理しなければ、食べられない部位だということを改めて痛感しました。

まずはこの状態で何度も水を変えながらもみ洗い、
そして火にかけます。
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ふわふわだからフワ、水にぷかぷか浮きます。前回実証済みです。
まあ面白いように灰汁が出るのは、これも昨年経験済みです。
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一通り茹でたら茹でこぼして、再度十分もみ洗い。
2回目でもこれだけの灰汁が出ます
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2回目を茹でこぼした後でも、揉み洗いだけで、これだけの汚れが出ます。
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昨年はこの段階の前、2回煮こぼしただけで、調理に入りました。
上記の水の色見ると、昨年の失敗は下処理が不十分だったことがわかります。

さてここで一口サイズに切ります。
というか、茹でこぼすときの表面積を広げる作戦です。
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あっはっは!やっぱり灰汁だらけ!
躊躇なく茹でこぼします。
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再度、数度の揉み洗いします。
まあ水が透明になることはないんですが、スポンジ状の肺を考えると、ここら辺から、灰汁汁で茹でるより、だし汁で茹でたほうが良いのではないかと。
イメージとして、スポンジ状の奥の灰汁や汚れを旨味汁と交換していく感じです。
まあかつお節ですね、後は多少塩入れました。
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で、今度は火を止めて、鍋の温度が下がるのを待って、だし汁の中で十分揉み洗い。

次は、だしだけではなく、味も入れていきます。
同じくかつお節と、醤油に黒砂糖です。
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かつお節の灰汁も考慮しなければなりませんが、ここにきても、これだけの灰汁がまだ出ます。
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仕方ありません、これで最後にしようと思ったのですが、灰汁を取り除いた後、鍋が冷めるのを待ち、もう一度だし汁の中で揉み洗いしました。
そして、もう一度同じ工程でだしと味を決めて煮つけて完成としました。
はい!フワの煮ものです。
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リベンジという意味ではリベンジになりました!
昨年は一口でほぼ全廃棄だったフワが、今回はなかなか美味しくて箸が止まりませんでした。
ただ、ここまでやっても、中心部に残る獣的な臭さはとりきれませんでした。
それがジビエ臭だと思えばジビエ料理として成功なんですが、野生臭が苦手な一般人までも含めると、成功料理と言えるのか・・・って、多少思ってしまいました。
いやあ!難しいなあ!フワって!
だいたいフワはフニフニとした食感を楽しむだけの部位です。
フワ自体に、何らかの旨味があるわけではありません。
旨味は何か追加しないと食べにくい部位だと思われます。
私は今回かつお節という魚系を追加しました。
もしかしたら、クセが異常なほどない部位だけに、他の動物系の旨味を加えることもありかもしれませんね。
うーーーーーん。
次はもっと美味く料理して見せる!
って思わせるような、おもしろい部位だと、私は思います。






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