人のレシピで煮豚(煮イノシシ)を作る

基本的にレシピ本って、読むのは好きなんですが、それを真似して作るのは大嫌いなんです。
今までのイノシシ料理も、例えば煮込みなら「ボタン鍋」とか既存の料理を参考にするのも、
「ああ、イノシシ煮込みに味噌使うのね、それもできる限り薄切り肉をね」
ってくらいで、塩味に味噌を使うだけで自己流味付けで、ボタン鍋をまねて、できるだけ小さく肉を切り分けてました。

でも毎回毎回、そんな感じの味付けと料理だと、正直飽きちゃうんですよね。
特に煮込み系は変化付けにくいから。
そこで今回は他人のレシピを参考にして、一切合財味付けと料理方法は丸投げで、煮込み系のイノシシ料理を作りたいと思います。

参考にしたのはこちら。
ググった検索キーワードは「煮豚」「保温鍋」です。


さて今期はありがたいことに、カモ猟が順調なうえ、イノシシ肉も大量にもらうことができました。

先日、黒猫さんのわな猟の手伝いに行きまして、推定100キロ(期待値)のオスイノシシを解体し、いつもいつも私はおこぼれでいいんですが、黒猫さんって律儀にきっちり半分こしてくれるんですよ。本当に申し訳ないけどありがたい。
いつもいつも頭の中ではこの曲が流れます。
ああ・・・年がバレる・・・。


で、やっぱり成熟したオスイノシシの肉は旨味はあるけど固いんです。解体当日に食べた、単純に焼いただけのスペアリブがそんな感じの肉でした。

で、前足の下の部分の腱のあたりが、もう冷凍庫パンパンで入らなかったので・・・煮込みにしようかと思い、冷凍ではなく冷蔵へ。
さて、腱と筋ばかりの部分を「保温鍋」でできる限り美味しくできないかと考えて調べた結果、上記の記事に出会いました。
その記事には、
「保温容器に入れ、1時間以上保温する。」
って書かれてましたが、この部分を一晩以上の保温で、ギチギチに固いイノシシの腱の部分を柔らかくしようかと。

で、上記の記事のレシピは

豚肩ロース 600g
長ネギ 2/3本
しょうが 4片

しょう油 1カップ
酒 1カップ
甜麺醤 小さじ2
砂糖 大さじ2

水 1~2カップ

作り方をざっというと

塊肉に焼き色つけて材料入れて、保温鍋で1時間以上に煮ろ!!

これだけの話。
たったこれだけの話でも、私めんどくさくて守れないんですよねえ・・・。



レシピの最後の、
甜麺醤と砂糖は黒砂糖で代用し
黒砂糖「大さじ4」と読み替えました。


まず、あるだけの前足の下部に焼き目をつけます。これで全部ではないのであしからず。
DSC06392.JPG

で、保温鍋に焼いた肉を入れて、しょう油と日本酒をカップで交互に入れていくと、両方3カップでこんな感じ。
DSC06394.JPG
後は、黒砂糖大さじ12を入れて、青い部分の多い長ネギ1本しょうが3固まりをぶっこみました。
長ネギはぶつ切り、しょうがは皮つきのまま厚切りです。
その後、鍋いっぱい近くまで適当に水を入れました。

最終的にこんな感じ。
DSC06395.JPG

この後、結構な量の灰汁を取りながら、途中で味見。多少黒砂糖を追加しました。
正直、この写真の時は肉が入りきらなかったので、3割ほど抜いてました。
でも多少煮込んだら肉が柔らかくなり隙間ができ始めたので、残りの3割肉も全て鍋に突っ込みました。
その写真は撮り忘れましたが、ギチギチのパンパンでした!

でも、これは保温鍋です。
入ってしまえばこっちのもの、鍋の中のどの肉も長時間の煮込みが可能です。


寝る前直前に沸騰させ、おやすみなさい。
おはようございますで、再沸騰。
これで一晩煮込みました。
味は冷めるときに浸み込みます。
朝食後、鍋を保温状態から出して、冷めたら冷蔵庫へ。
これで出来上がり。




夕食に出すために、食べる分だけを別鍋に入れて温めます。
で、薄切りに切り分け。
DSC06397.JPG
いわゆるラーメン屋のチャーシューです。

見栄えは本当にいつもいつも悪いながらも、出来上がりです。
DSC06399.JPG

本当なら、捨てる部分のネギや生姜もどれもこれもぶっこんでいるんで、
よろしく!

でもですね!
見栄えはさておき、ビックリするほど!メチャクチャ旨かった!!

部位としては、
オスイノシシの前足のアキレス腱に付随する筋肉やすね肉。
いわゆる腱だらけの一番固い部分で、肉の価値的にかなり下の部分。

正直、今までどんな調理方法とっても美味しく食べれなかったので、多少廃棄していた時もありました。
そして今まで私は、この手の固い肉は何度も茹でこぼして灰汁を抜き、旨味はほんだし足して、煮込みにすることが多かったです。
固くて臭いイノシシは、何度も茹でこぼして灰汁を抜き、ついでに抜けた旨味は魚系を足す。
その状態で、長時間煮込む。
これが固い固い部位のジビエ肉の正解料理だと思ってましたけど、間違ってました。

確かに固く、家畜肉より臭いけど、ちゃんと肉としての旨味があるのがジビエ肉だと、改めて確かめることができた料理となりました。



さてさて、鍋いっぱいにあった煮込み肉が、数日で半分になりました。
煮汁多めになった鍋を眺めて1つアイデアが。


はい!厚揚げと茹で卵を残った煮汁にぶっこみました!
肉と違って、保温鍋の保温能力は要りません。
一度沸騰させれば、あとは冷めるまで待つだけです。
DSC06401.JPG

いやあ!これも旨かった!!
DSC06405.JPG

残ったイノシシ煮汁に、おでん系の具材を突っ込んで放置すれば、何入れても美味しくなるんじゃないか?!ってのは嬉しい誤算で発見でした!


イノシシ肉の煮込みは、できるだけ大きいブロックで保温鍋で煮込むってことを、今回覚えました!







この記事へのコメント

  • 黒猫

    すばらしいですね!

    あの筋だらけの肉をどうしようかと悩みつつ冷凍庫で現実逃避していました。焼くか味噌汁に入れる程度しか考えていなかったので、これは参考になります!

    イノシシは豚と同系列なので、基本はブタレシピがイケるんですね。私もシャトルシェフ2つ持っていますので、試してみます!
    2019年12月17日 05:27
  • morimori

    本当に、いつもいつもありがとうございます。
    元々、ジビエ肉が食べたいから猟師になった私にとって、冷凍庫がジビエでパンパンって今の状況って、猟期にもかかわらず、猟欲から解放されちゃうんですよ。もうしばらくはあんな寒い思いしなくていいんだって。
    今現在、ジビエ料理の日々探求に励んでます。
    2019年12月17日 20:24