冷凍丸鳥アヒルを料理してみた

前回の記事で、アヒルをさばきました。
さて、続きです。
今回は、さばいたアヒルを余すことなく料理していきます。


1品目:鶏がらの舞茸スープ

さばいている途中で出たガラを、水を張った鍋に次々投入。
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沸騰したら全ての水を捨てて、もう一度水を張り、スライス生姜入れて沸騰したら灰汁が落ち着くまで取り続けます。
で、この鍋は我が家愛用の保温鍋、まずは一晩煮込みます。

次の日の朝に味見して・・・つまんない味だったので、かつお節と昆布を投入。
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こんな感じで、結局夕方まで煮込みました。

で、ザルで漉して、
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このスープをどう使おうかと考えたのですが、普通にこのまま生かすことにしました。

スープを別鍋にうつし、舞茸をほぐしながら入れ、刻みねぎを散らして、火にかけて沸騰したら1品目が完成です。
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2品目:鳥そぼろ

弁当のふりかけ代わりになるあれです。
先ほどの鳥ガラにくっついている肉が素材になります。

ボールに水を張り、火の通った鳥ガラを入れて冷まし、それを指でしごきながら骨と肉に分けていきます。
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骨はもう一度保温鍋に戻し鳥ガラスープ作りを続行。

あとはとれたくず肉をフライパンに入れて、ごま油、ゴマ、砂糖、しょう油、ラー油等を加え、炒めます。
途中、味見しながら調味料を足して、最終的に水気を飛ばせば、鳥そぼろの完成。
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保温鍋で一晩煮込んだあとに、くず肉と骨を分けたので、骨周りとはいえ肉自体がホロホロ状態で、水分を飛ばすためにかき混ぜているだけで、写真の様にパラパラに崩れました。



3品目:脂身揚げ焼き

私がイノシシでよくやる調理法です。
各部署から集めた脂身を一口サイズに切り、最初は中火で、油が出始めたら強火で。
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ドンドン出てくる油で脂身を揚げ焼きする感じ。

十分油が出てキツネ色になったら、油を切って強めに塩こしょうして完成。
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これは脂身が多い肉と出会った時にお勧め料理です!
本当にビールのつまみに最高です!






さて、先ほどまでの3品は、どちらかというと「変化球」で、アヒルでなくてもそんな料理を作れます。
というか、私自身アヒルを食べたことないので、変化球料理の味見だけでは、アヒル本来の味が、ハッキリわかりません。
まずはちゃんとアヒル肉を普通に焼いて、アヒル肉とはどういうものなのかを確かめる必要があります。



4品目:もも肉焼き肉

写真左のタッパーほうが、切り分け途中ででた脂身で、右タッパ―のほうが一口大で精肉したもも肉です。
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左タッパ―の脂身は揚げ焼きにしましたので、次は右タッパ―のもも肉です。

もも肉はシンプルにフライパンでの焼き肉。
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一口大のまま焼いてますので、食べて固かったら一口サイズに切ろうと思ってました。
で、少し切り分けて試食したら、カモのような野性味はあるものの、食感はニワトリのもも肉程度に柔らかく、切り分けの必要なし!
いやあ!驚いた!
アヒル!やるやん!!

普通に食べることができたので、塩・こしょう・しょう油のシンプル味付けで勝負!
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いやあ!普通に使える!

まあ、ジビエ肉に慣れた猟師の私が「普通に使える」って感じただけなので、一般人からすると、やはり大型カモの野生臭が鬼門となる可能性はゼロではないでしょうね。
でも、それを差し引いても、カモの解体の練習ができて、カモ料理の練習ができるわけで、カモ猟師からするとデメリット部分のほうが見つけにくいほど、メリットの比率はでかいです。




5品目:胸肉のロースト

さて、いよいよメイン食材です。
これもどう料理しようか迷いに迷ったんですが、最終的にカモの胸肉と同じ手法を使うことにしました。
ただ今回は猟期と違って余裕があるので、十分に計算して胸肉のローストを作ることにしました。

まずは前日、胸肉を精肉した時点で、オリーブ油を十分にまぶして、その後全面にスパイスをかけました。
この状態で一晩マリネします。
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写真の胸肉の右横にあるのはささみです。
次の日、両面適度に塩をして、皮目からゆっくりと焼いていきます。
先ほども書いたように、今回は余裕があります。そのために調理時間を計ります。
ゆっくり中火で皮目を焼いた後、5分後にひっくり返して、もう5分焼きました。
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この写真を見ると、皮目に焼き色がついてないですね。反省点です。

で、蓋閉めて計10分経った状態がこれ。
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肉全体がこんもりとプックリ丸くなってます。
肉の中心部付近まで火が通ったと判断して、火入れ終了。

あとは放置。その放置余熱時間でささみに火を入れる作戦。
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余熱タイムの目安は火入れ時間の倍、つまり今回10分火入れしたので20分。
でも、ささみを入れるために蓋を開けましたし、ささみはこれからが火入れタイムです。
そのため、20分とかじゃなく、とにかく放置方針としました。

で、胸肉が冷め、切り分けて完成!
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いやあ!火入れは完璧だと思いませんか!(自画自賛)
ちなみに右上部分の肉がささみです。


さて、多少反省点を振り返ります。

食べてみて感じましたが、赤身は旨いんですが、この脂身と合わないんです。
つまり肉がロゼなぶん、脂身がもう少し薄く香ばしい状態でないと調和が取れないんだと思います。

なるほどなあ、同じ10分加熱でも、脂身下にして強火で6分、その後裏返して弱火で4分、のほうがいいのかなあ・・・って、考えました。
なぜなら、火入れ10分と余熱20分は、それほど間違ってはないと考えるからです。

うーーーーん。
今回の調理手順は、基準としていろいろな起点を示してくれたと思います。

さばくのも経験だけど、火入れの感覚も経験ですね。
ああ、また近々アヒルさばくか・・・。







この記事へのコメント

  • けろあき

    こんばんは。いろいろと忙しくてご無沙汰です。(川にばっかり)
    相変わらず「極めて」おられますね。アヒルとは目の付け所が…イイ。これだけお安いのなら色々できますね。
     ちょっと影響されまして私もカモを出してきました。それで自分の捌き方も。
    更新講習で新しく仕入れたお話、また紹介して下さいませ。 
    2020年06月12日 22:50
  • morimori

    お久しぶりです、ブログ読みました。けろあきさんは3枚おろしですね。ようやく5枚おろしと肩関節等のつなぎ目が理解してきたので、今度はコガモを想定して3枚おろしに挑戦しようかと考えていたところでした。なるほど参考になりました。私も3枚おろしは胸から開いていこうと思います。
    2020年06月13日 16:32