以前、パセリを使った料理の記事で、「パレ・ド・Z」ってYouTube番組を、最近よく見てますって書きました。
で、ようやく全ての番組を見終わったのですが、メチャクチャ衝撃を受けた料理人集団がいました!
みなさん、ELEZOってご存知ですか?知っている方も知らない方も、とにかく騙されたと思って、まずは動画をみてみてください。
特に狩猟に関わる方々、必見と思われるほどの内容です。
私は終始すげえ!って思いながら、一気に見てしまいました!
なんか、私が狩猟をやり始めた動機の、究極の最終形がここにあるんじゃないか?!とまで思ってしまいました。
さて、ELEZOの機能自体は獲物が持ち込まれてからがスタートですが、そのプレスタート時点、つまり猟師にも課題をつけていて、一定の条件をクリアした獲物しかジビエとして扱いません。逆に言うと、その条件さえクリアすれば、どこよりも高く買ってもらえるために、猟師にとっては大きなモチベーションになります。
で、もちこまれた獲物は、
「解体」「精肉」「加工」「レストラン」
とつながっていきます。
なんていうんでしょう、私はELEZOで働いている従業員を正直ものすごく羨ましく思いました。
でもたった2人から初めて、現在精鋭15人って、恐るべきほど狭き門なのだろうなあ・・・って思いました。
それでも私は、まあ狩猟部門においてまるで役に立てる人間ではないですので、せめて「解体」か「精肉」の分野で、見習いからでもいいから使っていただきたいなあ・・・って、こんな年齢になっても思えるほどに夢を見てしまいました。
ただ、正直「未来に残すべき一皿」に、ポリシー部分が深く強すぎて、若い世代が関わるYouTubeに、あの一皿は食味もテーマも重すぎはしないか?!って思いました。
私ならYouTubeっていう媒体を通じて、ジビエって美味しいから若い世代も敬遠することなく、どんどん食べてね❤って伝えるんじゃないかなあと。
もう1つ、猟師の立場から言うと、持ち込まれた獲物は骨も血も恵みに感謝して使い切るって精神は立派だと思います。
でもその前に、持ち込む獲物に対して厳密な基準を設けています。逆に言うとその基準外の獲物は他の所で食べてもらえればよいですが、例えば有害捕獲鳥獣なんかは、今でも単純に埋められて処理されるだけの存在です。
同じ命なのですけどねえ・・・。
正直、私からするとELEZOの子会社をやりたいですね。
何をしたいかというと、ELEZOの基準でははじかれたシカやイノシシを受け入れ、あるいはELEZOで解体等、どの段階でも良いのですが、どうしてもELEZOの基準にはじかれてしまったような、獲物や部位を格安でゲット。
子会社は、別基準で肉の状態を判断し、出荷OKならELEZOの名前を汚すことなく、独自の子会社バリューで販売。
まあ精肉部門よりは、加工肉部門が主流になるだろうなあ。
あとは最後に残った骨をメインにして、ELEZOの「レストラン」の庶民版として、ラーメン屋をやりたいなあ。
シカ骨やシシ骨ラーメンがチェーン展開できれば、有害鳥獣の命が本当の意味で世の中の役に立てるのではないかと。
なんか、いろんな意味でこの動画は深く深く考えされられ、そして楽しませていただきました。
さて、後は余談です。
この記事を書いている時点で、パレ・ド・Zは「#36」が最新作です。
この36作目までに「ジビエ料理」が出てきた回を紹介します。
27作目「15:57」くらいからイノシシ肉をメインにする話に入ります。
最初から動画を見ていただけると、この店の料理のメインの味付けは、大将の人柄とトークでは?!って思ってしまうほど、なんというのか、ほんの少し動画で見ただけで、居心地の良さそうな店に感じます。
しかし料理紹介が始まってから印象が一変します。
特に私が心を震わせられたのが「2:25」からのフォアグラ料理のその成り立ちの話です。
さすがに、見た目と性格だけで「銀座」で有名店を維持できません!やっぱりすげえ!
で、そんなシェフが、なぜイノシシ肉をメインにしたのか?そしてなぜイノシシに合わせる具材をそれを選んだのか?
なぜ未来に残す一皿にこの料理を選んだのか?
私は何度見ても心が和む動画です。
次の動画として35作目「5:37」くらいからメインディッシュでイノシシ肉が出てきます。
ほとんど料理紹介はないのですが、見る限りレア肉をソースでたっぷり纏わせた料理で、イノシシ料理の中でも最上級の料理であることがわかります。
このシェフは最初の紹介の感じから、どちらかというと肉よりも野菜が専門分野に思えます。
しかし「18:28」くらいから、未来の一皿のくだりをご覧ください。
そして「20:55」くらいから、キジが出てきます。やっぱりこのシェフすげえ!野菜だけじゃない!!
最期に「21:59」くらいからの付け合せがすごい!
やっぱり最初から見てほしい動画です!
さて、狩猟で殺めた命をどう生かすのか?
それは日本において、料理人よりも猟師に求められる気概のような気がします。
なぜ野生動物を殺してまで食べたいのか?
この問いにちゃんと答えられないと、猟師は一般人からすると、野蛮な存在でしかありません。
今の私が答えるとするなら・・・。
「結果論かも知れないが、一度でも自ら命を奪った獲物がいて、それを自力でさばいて、自力で料理した経験があるなら、獲物の隅から隅まで無駄にしたくない気持ちが生まれる。これはスーパーで肉を買うだけでは、知識と経験と感情がつながらない。人生で培った知識と、猟師になってからの経験と、そして自分の手で殺めた感情が、結びついた今なら理解できる。食肉を絶対に無駄にはしたくない。それはジビエであってもスーパーであっても。この感覚は猟師になって初めて得た感覚であり、そして今の私にとって人生の知的財産になったと胸張って誇れる。」
まあこんな感じですかねえ。
最期にわざと重い話にしましたが、やっぱり日本においてジビエって「可哀想!」って感情が先にくる人間も多いですし、日本という環境において、そんな人間感情を、私は頭ごなしに全否定するつもりもありませんから。
ただ、なんていうのかなあ・・・今回紹介した料理人は日本でもトップクラスの料理人です。そんな料理人がジビエ肉を扱うだけで野蛮人に貶められる風潮が、現代日本に少しでもあるというなら、最後に一石投じておきたくなっただけです。
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