先日獲れたメスイノシシの舌(タン)を料理していきます。
昨年も料理してます、この記事に詳しく書いてます。
今回はその経験と、この1年間で得た知識を踏まえたうえで料理していきます。
まずは冷凍タンを半解凍くらいで、そのまま5分湯引きします。
舌(タン)はもともと雑菌の宝庫らしいです。
昨年までは、塩もみしたりして表面の汚れをできるだけきれいに処理していたのですが、温かい手で時間をかけるほど雑菌の繁殖につながるのでは?!って想像してしまったので、今年は多少洗ったらすぐにジップロックに入れて冷凍かけて、まず雑菌の繁殖を止める作戦にしました。
次に半解凍での湯引きの理由なのですが、やっぱり雑菌だらけで冷凍したタンが、解凍進むにつれて雑菌の繁殖が次々と始まると思うんですよ。そのため、表面上さえ解凍されたのなら、まずはタン表面上の殺菌のために湯引きしたわけです。
5分の湯引きって、皮剥きの為だけなら長すぎます。違います、汚れの残ったタン表面をきちんと熱湯殺菌するための5分です。
だいたい雑菌だらけのものって、台所での取り扱いが難しいんですよ。二次感染を防ぐ意味でもね。
台所作業をやりやすくするためにも、初手は殺菌のための湯引きがベストだと考えます。
で、水にとり、素手での扱いができるくらいまで冷まします。
あとはタン以外の付属組織を切り取り、タンは包丁の根元で表面の皮をこそげ取っていきます。
5分茹でても、肉の内部から赤いドリップが結構出てきます。先ほど台所作業をやりやすくするために湯引きしたと述べましたが。もちろん表面上の雑菌の殺菌処理は終わりました。しかし体液内に潜むE型肝炎ウイルスの処理は、まだ終えていませんので、まだ安全な肉であるとの認識は持てない状態です。
さて、表面の皮剥きが終わりました。
裏の部分のぐちゃぐちゃな部分は、どう処理しようか迷いましたけど、多少表面上は削いで、あとは指が入る部分は強くしごく感じで、流水で洗いました。
で、できる限り薄切りし、先端は削ぎ切りしました。
下処理とさばきは完成です。あとは焼き肉にするだけです。
家庭料理だと、通常ならフライパンによる焼き肉となるでしょうが、私は、
ですので、単純にガスバーナーで炙ります。
まずは炙り用のタジン鍋に並べて塩します。
あとはちゃんと生部分がないように炙ります。それも両面ちゃんと炙ります。
で「イノシシタンの炙り焼き」完成です!!
いやあ!美味いっす!!
牛タンの様にレモン絞って食べると美味いっす!!
まあしかしですね、牛タンよりもずいぶん小さい部位なので、タン元でも霜降りにならず、どうしても筋肉質で固さがばかりが目立つ部位です。そのためできるだけ薄切りにすることが必要です。しかしこの手順だと、どうしても生肉を切ることになるので、極薄状態で切るのはなかなか難しいです。
そう考えると、手順的に言うと、
持ち帰ったタンをそのまま5分湯引き。
邪魔な部分を切り分け、皮剥きして冷凍。
食べる当日に、包丁の刃が通るギリギリの半解凍で極限まで薄切り。
で、塩振ってガスバーナーで炙って完成。
これが多分、極薄切りでイノシシタンを食べる効率的な手順だと思われます。
なんというか、イノシシ肉の中でも、これほどまでに臭みを感じずに食べることができる部位は、まあなかなかないと思います。
タンは下あごからナイフを入れて、引きずり出すように根元でカットするだけで取れるので、イノシシ猟されている方は、ついでの部位として、タンはありですよ。
一度家庭料理で炙り料理を経験すると、もう後には戻れなくなるほど、魅惑的な調理道具です!
この記事へのコメント
黒猫
舌は小さい上に不潔領域ですから、処理が難しいですね。次回は舌を切り取らず、下顎ごと、傷つけずに持ち帰ってはどうでしょう?
屋外で流水で十分に洗ってから、次亜塩素酸(ハイター)で処理、その後、さらに流水で十分に洗えば、表面の微生物は減り、皮は柔らかい状態のままなので、削らずにはぎ取って、中はきれいな状態で。単なる机上の空論ですが。。。
morimori
私思ったんですが、最近料理に目覚めているので、フグのてっさを作るような刺身包丁を使いこなせるようになれば、どの部位でも薄切りできるのではないかと。
解体も経験で向上できたので、薄切りも経験でレベルアップできればなあと考えてます。