イノシシチャーシューのスパイスカレー仕立て

さて今回は、ある種「イノシシ料理の頂点」を極めます

まずはイノシシチャーシューを作っていきます。
この作り方は、イノシシラーメンプロジェクトにおける、
という記事で、詳しく書いています。
ポイントを簡単に述べると、
「重曹食塩水」という下処理と、「低温調理」という火入れが、最重要項目です!!

今回は肩ロースとバラ肉という、脂身と腱の部分が多い部位を使って料理していきます。
まずは冷凍肉を、
水800ml・重曹と食塩を各小さじ2杯
入れて解凍します。
で、十分水洗いして、キッチンペーパーで水分をふき取ります。
で、耐熱袋にイノシシ肉入れて、そこに今回は「オリーブオイル」と「グリルマスターブレンド」と「乾燥タイム」を加え、いきわたるように揉み込みました。
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ここに入れるものは油以外はお好みでご自由に。まあでも個人的には「グリルマスターブレンド」はこの下処理においても良い仕事しますので、本当にお勧めです。
これ本当に使いやすいのでお勧めです!他の肉系のスパイスだと、かなり塩分が入っているタイプが多いです。でもこれは塩分がかなり少ないので、いつも通りの塩コショウの後に使えるのところが気に入ってます!

さて、以前の記事でイノシシの肩から足なら「65.5℃4時間」と設定しました。
これは今でも変えていませんが、今回は肉の量も脂身の量も多かったので、ギリギリの設定時間ではなく、
「66℃5時間」
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としました。いわゆる臨機応変ってやつです。



さて5時間後です。多少切り分けました。
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ああ、いい感じです。これに両面十分に塩して焼いていきます。
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これを多少冷ましたのちにスライスしました。
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味見したら、少々塩分足りませんでしたけど、それでも、
いやあ!旨い!!
今までなら、これに自家製パセリを添えて完成としてました。
しかし今回はもうひと手間加えます。
風味づけに、最近覚えた「スパイスカレー」の手法を使います。
いわゆる玉ねぎとかトマトとか、カレーとして成り立つ手順を割愛しています。

さて、多めのオリーブオイルに、チューブおろしにんにく2㎝とタクコ各小さじ1杯入れます。チリパウダーさえ入れていないこの状態でスパイス系は終わりです。
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で、タクコとは、ターメリック・クミン・コリアンダーの頭文字です。
これを弱火にかけて、全体的に泡立ち始めたら炒め終わりです。
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ここに、今回カレーの具とするキャベツのざく切りを少々入れて混ぜ合わせ、なじんだらパセリ少々と水50ml入れます。
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具はキャベツとパセリだけなので、蓋して煮込む必要はありません。中火にしてなじませ、味見して少々塩入れて、カレーソースとしては完成。
で、ここに先ほど切っておいたイノシシ肉を投入して、中火のまま改めてなじませて、最後に曳きたて胡椒入れて、これで本当の完成です!

はい!イノシシチャーシューのスパイスカレー仕立てです!
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はい!旨い!!
はい!美味しい
この料理の本当の美味しさを伝える魔法の言葉があります。
それはタイトル通りの料理でありながら、誰もタイトル通りの料理だとは気が付かない料理ということです。
あっはっは!矛盾でしょ?!
でもですね、重曹食塩水と低温調理のおかげで、言われなければ誰もイノシシ肉のようなジビエ肉だとは気が付かないこと。
そして、スパイス的にはカレーの方向性の使い方をしながら、小麦粉を使っていないからカレールーとは程遠く、チリパウダーのような辛み成分も一切使っていない方からカレー味とも程遠く、言われなければカレー仕立てとは気が付かないこと。

で、レシピ再現中に書いていませんでしたが、低温調理後のオリーブ油とフライパンで焼いたときに出た油は、すべて捨てています。
つまりイノシシ由来の油はすべて捨てて、それをオリーブ油に入れ替えている感じです。
で、何が言いたいかというと、
この料理は冷めても旨い!!
次の日の弁当のおかずとしても旨い!!
ってことです。
それほど今回の料理はイノシシ料理の中で究極の料理と胸張って言えます!!

まあ、今まで経験してきたすべての合わせ技料理なのですが、足し算的ではなく、掛け算的に、イノシシ肉を美味しくする方法となりました。




なんか思い返すと、猟師になる前は、イノシシ肉もらうとすべて味噌で煮込んでいました。
若かった、あの頃・・・遠い目

これを書きながら考えついたのですが、みそ汁って沸騰させると味が悪くなるって言いますよね?いわゆる味噌を入れてからは沸騰直前で火を止めると。
もしかしたら、イノシシ肉の味噌煮込みも沸騰させないほうが美味しく作れるんじゃないかと。

なんか最後は何言っているのかまとまらない感じになってしまいましたが、とにかく今回のイノシシ料理は今までの中でピカイチです。
多分、重曹食塩水処理までは正解で、その後に沸騰しない程度で煮込むとか、今回のようにスパイスを駆使するとか、和食系とか中華系で攻めるとか、まあバラエティーはあると思われます。
その中でも、ジビエ肉の焼き料理は、かなりの難易度があると思うんですよね。

ある種、一番難しいジャンルで、自分なりに最終結論と言える料理にたどり着いたのは、素人ジビエ料理家としては、これ以上ないほどの名誉です。






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