ターメリック・クミン・コリアンダーの考察

今までスパイスカレーでお世話になってきて、何も考えずに使ってきた、
「タクコ」
を、今回は改めていろいろな方面から調べていきます。

タクコとは「ターメリック・クミン・コリアンダー」の頭文字、多分「印度カリー子」さんが最初に命名されたものだと、私は勝手に認識しています。
この本の魅力的な言葉として「たった3種類のスパイスだけで本格的スパイスカレーが作れる」です。カレー専門家が削れるだけ削って、最後に残ったのが「タクコ」というわけです。つまり逆に言うと、タクコが無ければカレーにはならないと言っているのと同意義です。

で、このブログでもいくつかタクコで料理を作りました。
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もちろん記事にしていないところでも、タクコ料理はかなり作っています。
で、正直「なんでこの3種類なんだろう?!」ってのは、最初の部分で疑問に思っていました。
今回は、私の経験とネット情報とを組み合わせて「タクコ」の本質に迫ってみたいと思います。



では「タクコ」の語順の逆から紹介していきたいと思います。

コリアンダー
実はコリアンダーとパクチーは同じ植物です。
って聞くと、驚かれる方も多いのではないでしょうか?
実は私も非常に驚いた人間の1人でしたから。
簡単に説明すると、種の部分を乾燥させて粉にしたのがコリアンダーで、生の葉や茎を野菜として使うのがパクチーです。
詳しくはこの記事で、
この記事内でコリアンダーとは英語圏の呼び名で、パクチーはタイの呼び名とのこと。
・ ・ ・。
これは私の勝手な想像かもしれませんが、大東亜戦争時のイギリスとアジアの関係が頭をよぎってしまいました。
植民地でコリアンダーを育てさせ、種だけを必要としていたイギリス。
コリアンダーのフレッシュな葉や茎は大量にあるために、食文化として根付いたタイ・・・。

まあ閑話休題、印度カリー子さんはコリアンダーを、
「ロックバンドにおけるギター」と表現されてます。
いわゆる歪んだギターがあるからこそのロックであるわけで、コリアンダーはカレーであるための中心的スパイスって印度カリー子さんは言っていると、私は勝手に理解しています。

というか、私も使ってみての感覚で言うと、コリアンダーはカレーのベースですね。ロックバンドに例えるなら、ベース・ドラムのリズム隊に思えます。
印度カリー子さんとは、役割として意見が割れますが、カレーに必要なスパイスであるという点では同意見です。



クミン
印度カリー子さんは「バンドにおけるボーカル」って表現されています。
ロックバンドに例えたなら「ギタリスト」って私なら答えますが、単純に「バンド」となると、なるほど同意見です。
いわゆるカレーにおいてクミンは間違いなく主役のスパイスです。

元々クミンとの出会いは志摩さんの本からです。
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この本の中で「洋風煮込みはローリエとタイムがあればOK」って書かれていて、ローリエは自宅にあって、タイムを買いに行ったんですがうろ覚えだったので、タイムじゃなくクミン間違って買ったのが、最初の出会いです。
で、使い方もわからないけど、多分肉料理には合うんだろうなあと、クミンを使ってみました。
そしたら、瞬間的にカレー的な匂いを感じたんですよね。まあカレーってスパイスだらけの料理だから、まあクミンも使われているんだろうなあ・・・って感じでしたし、それ以上深く追及することもありませんでした。

その後しばらくのちに印度カリー子との出会いがありました。
で、タクコの存在を知るわけです!!
まあ驚きましたね、たった3種類のスパイスで本格スパイスカレーができるって豪語する印度カリー子さんの強気発言と、その中の1つクミンが瞬間的とはいえカレーっぽいって思った自分がいたわけですから!!

なんか、俄然スパイスカレーに興味を持ち始めたのがこの時期で、最初に紹介したスパイスとカレー入門の本を読み、かなりの共感を受けながら、そこから季節が変わるほど、本格的にカレー作りに手を染めるのに戸惑っていました。



ターメリック
さてターメリックです。
正直「タクコ料理」を色々作ってきて、ターメリックのありがたさを感じたことがありません。
で、調べてみました。
この記事が詳しいかなあ。
機能性食品として「ウコン」って言えば、飲みすぎた時のサプリメントとして有名ですよね。
ネットでも「ウコン」で調べれば、薬効は色々出ます。
一方で、高価な「サフラン」の代わりの、色付けとしての材料としてターメリックの名が出てきます。

つまりターメリックのネット情報をまとめると、
「漢方薬&食用色素」
としての使い方がメインに感じました。
言い方を変えると「タクコ」3種類の中で、唯一スパイス的な香りに貢献していないのがターメリックだと、私は結論付けてます。

しかし、カレー論です。
一般的に「カレーライスのカレーってどんな料理か?」って考えた時・・・茶色でドロッとしたスパイシーな料理で、ご飯にかける前提で調理されたものを「カレー」って、私なら答えます。

で、ですね、その一般的なカレールーにおいて、ターメリックは黄色という色にしかほぼ貢献していないスパイスです。
実際、前述した印度カリー子さんの本の中で「ホワイトカレー」ってレシピの中にはターメリックが使われていません。

しかし、メインが肉であれ魚介類であれ野菜であれ、必ずタクコは健在でターメリックはレギュラーポジションです。
実は印度カリー子さんの本の中では、ホールスパイスとして数種類ほどがレシピとして使われています。それらを使えば使うほど本格スパイスカレーに近づくと。
でも、最低限これでOKってのが「タクコ」なんです。

コリアンダーとクミンより長々書きましたが、それは結局私にはターメリックの必要性が理解できないけど、スパイス専門家は必要としているってことを書きたいがために長くなりました。
まあ見た目的にカレーというのであれば、ターメリックは必須なのかなあ・・・。
それ以上に、カレーとしてのまとめ役がターメリックなのかなあ・・・。



以上、現時点における「タクコ」の考察でした!!
肉料理、焼き肉料理に、何か1種類、今まで使ったことないけど新しいスパイスを試してみたい!!って方には、まずは「クミン」をお勧めします。
塩コショウの豚肉炒めにクミン、一番クミンの効果を感じられると思います。

で、正直スパイスを使うと、足し算ではなく掛け算なんですよね。
先ほどターメリックは必要ではないのでは?!って書きましたが、それは足し算的発想です。ターメリックを単独で使っても色素以外にそれほど効果を感じていませんが、クミンとコリアンダーの掛け算に、爆発力をもたすのがターメリックであるなら、絶対的に必要です!!
なんか難しいけど、面白いなあ・・・

まずはタクコを1:1:1で使ってみてください。私は現在、小さじという分量を離れ、テースプーンで各1杯とか各2杯とか気分次第で遊んでいます。そんな使い方でもタクコは十分美味しい料理に変わります。
最近は、スパイスカレーの基本中の基本の炒め玉ねぎとか炒めトマトすら作っていません。肉炒め料理に、直接タクコを入れたりしています。ただ直接入れるときは、タクコは焦げやすいので、十分に肉に火を通して、ほぼ完成って時にタクコを入れ、弱火でなじませる感じで使います。
本格スパイスカレーに必須の炒め玉ねぎとか炒めトマトとか、そんな手間かけずに、こんないい加減な使い方でも、さわやかなカレー風味を感じ、冷めても美味しいんです。

繰り返しますが、肉料理が好きな方なら、本当にタクコはおすすめです。


Amazonでこんなセットが売られているくらい「タクコ」はスパイスカレーの基本中の基本のスパイスです。もちろん最初はスーパーのスパイスコーナーで買いそろえるほうが良いです。でもこの世界にハマり始めると、結構な量のスパイスを使うことを改めて知りました。

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