PCP式エアライフルにおける200気圧と、その威力とは?

「エアライフルの教科書」では、
「150~180気圧で一番スピードが出る!」
って書かれています。

いろいろ調べてみると、200気圧を超えるほどの高圧入れて引き金引いても、高圧すぎるためにエアが十分に流出する前に、弁が閉まってしまうらしくて、結果威力が落ちるらしいです。で、低圧になりすぎると今度は十分に弁が開いていても、当たり前だけど威力が落ちるということ。
つまり、銃ごとに十分に威力が出る気圧、いわゆる「おいしい気圧帯」があるみたいですね。
で、そういう気圧ごとのムラを無くすために「レギュレーター」という機能がある銃があるみたいで、レギュレーター付きの銃だと、高圧でも一定の威力らしいです。

「エア圧一定」って単語だけなら、我がエースハンターの勝ちです!!1発1発ポンピングする単発銃のエースハンターは、毎回毎回同じ圧力です。
そうなんです、PCP式で気圧の残量考えながらスコープを調整するのは、エースハンターにとって毎回毎回ポンピング回数を変えたうえでスコープ調整する感じに思えてしまいます。
あっはっは!絶対に嫌!!です!!
こんな私がもしPCP式エアライフルの購入を検討するなら、絶対的にレギュレーター付きの銃を選ぶでしょう。

で、もしレギュレーター付きPCP式を入手したら、まあ多分切りのいい数字で200気圧を目標に、手動ポンプで空気を充填すると思うんですよね。
多分、いろいろと費用と苦労がかかる空気タンクは使わないと思うんですよね。なぜなら長年、エースハンターでポンピングしてきましたから、ポンピング作業には何となく自信があるわけです。

ただ、なんとなく目標値を「200気圧」って決めましたけど、
「じゃあ200気圧って、実際にどんな圧力なんだ?!」
って想像ができません。
悩む.jpg
今回の記事は、私のような素人でも200気圧というのを実感できるような、なにか比較対象を調べてみようという企画です。
後半の記事では、PCP式の威力を計算します。



まずは一番身近な手動空気入れ、いわゆる自転車の空気入れの話からスタートします。
参考にしたのはこの記事です。
ただこの記事に限らず、色々な空気圧を調べてみると、記事によって単位が違って混乱するんですよ。
上記記事でも「PSI」とか「BAR」とか「kPa」とか・・・

そのために、まずは単位から調べます。
まずはPSIとBARなんですが、この2つは自転車関連の空気圧の単位らしくて、PSIがヨーロッパで、BARがアメリカで使われる単位とのこと。
1PSI=0.7BAR
1BAR=14.5PSI
とのことです。
で、次にkPaですが、
100kPa=1BAR
とのことです。

あと重要なこととして1気圧という圧力がどれくらいか?ってことですが、気圧という単位は「atm」と表記され、
1atm=1.01325bar=1013.25mbar
とのこと、ちなみに、ミリバールと現在気象用語のヘクトパスカルは単位として言い方が違っても、同じ圧力です。
厳密には1.3%ほど違いますが、
1気圧と1barは同じ空気圧と考えても支障はなさそうです。
というか、元々barはatmを簡単に表記するために作られた単位みたいですから。

これで単位が出そろいました。




まずは一般的な自転車のタイヤの空気圧です。
調べてみると、タイヤにとって適正な空気圧がタイヤ自体に表記されているみたいですね。一般的には知られていませんけど・・・というか、私も知りませんでした。
タイヤ空気圧.jpg
これだと、4.5-7.0Bar 65-100psiとのこと。
つまり最高で7気圧です。


それでは次に、普通乗用車のタイヤを調べてみます。
そうすると、一般的な車のタイヤで230kPaくらいです。
100kPa:1bar=230kPa:xbar
x=1*230/100
ん?!2.3気圧?!
どうやら自転車のタイヤと違って、自動車のタイヤはゴム自体がしっかりとしているために、空気圧自体はそれほどでもないみたいです。

参ったなあ・・・身近な空気圧ねえ。
身近とは言えないけど、Amazonでエアコンプレッサーで検索かけてみました。

で、これでMax700kPa!!
・・・7気圧かあ。

本当に参りました。身近にあるもので200気圧を表現するものが見つかりません。
ああ!あれならどうだ!ポン菓子!!(ああ年がバレる)
ポン菓子1.jpgポン菓子2.jpg
ウィキペディアで調べると・・・10気圧かあ・・・遠い目

身近で圧力ねえ・・・それも高圧力ねえ・・・。
仕方ありません、水圧で例えます。

調べると、10mで1気圧・・・この時点で果てしないですね。ちなみに空のペットボトルが20m2気圧でペシャンコになるとか。
そういえば深海探索のしんかい2000ってありましたね。
しんかい.jpg
2000mで200気圧です。
って、やっぱり想像がつかねえ!!

ダメですね、せめて身近にある50気圧くらいのものを例えられたら、200気圧の想像ができたと思うのですが、身近で探しても10気圧までしか思いつきませんでした。
なるほどなあ・・・逆に言うと、それほどPCP式銃の圧力って、一般的には考えられないほどの高圧力を常時常備した銃なんですね。
取り扱いは要注意です。




さて後半です。
さてさて、この流れで「威力」の話をすると、「200気圧の威力」の話だと思われてしまいますね。
違います、違います。200気圧一気の破壊力の話ではなく、200気圧もの高圧力を原動力としたPCP式エアライフルの威力の話です。
つまり、我がエースハンターのようなポンプ式銃PCP式銃威力の違いを改めて知りたくなりました。

銃の威力はFt-lbsって単位で表されます。その計算式がこれです。
Ft-lbs=gr(グレイン)*fps*fps/450240
以前詳しく書いた記事がこれです。
この時に書いたエースハンターの威力は理論値でしたが、その後、我がエースハンターの初速はデーター的に入手できました。
上記の初速5.5㎜10回ポンプ時の平均値を計算式に入れると、
16*755.3*755.3/450240=20.27ft-lbs
となります。

さて、カモ猟では一般的な6.35㎜PCP式エアライフルの数値として、
弾丸重量:25.39gr 初速:910fp/s
を参考値とします。
25.39*910*910/450240=46.70ft-lbs
物理の単位って難しいところがあって、Ft-lbsって単位が、単純に数値比較していい単位ならわかりやすいのですが・・・例えば10Ft-lbsと20Ft-lbsを比べるなら、単純に20Ft-lbsのほうが2倍の威力だと仮定します(これで合っているのかどうかわからないので、物理に詳しい方コメント欄にお願いします)。
その仮定が正しいなら、我が5.5㎜10回ポンプのエースハンターと、6.35㎜PCP式エアライフルとでは、
約2.5倍!!!
の威力の差があります!

これは同じエアライフルって名乗ってはいけないほど、威力の差があります。
ちなみにエースハンターの5.5㎜で10回ポンプって、エースハンターとしては強力な威力設定のほうです。それだけ毎回毎回頑張ってポンピングしても、2.5倍もの威力の差をつけられるんですね・・・これはさすがに凹みます
やっぱり、PCP式はすごい銃ですね。


最後におまけとして、音速の話。
いわゆる戦闘機のマッハ1の基準値は1225km/時
秒速に直すと、
1225*1000/60/60=340.28m/秒
fpsに直すと、
340.28*3.28=1116.12fps
先ほどPCP式の設定値を910fpsとしましたので、音速と比べてみると、
910/1116.12*100=81.53
音速の82%の速度ということになります。
なるほどなあ・・・1.6gほどあるペレットで初速は音速の82%ってことは、これでもしクリーニングペレットを撃ったら、確実に音速越えますね。
いわゆるソニックブームって呼ばれる爆音が鳴り響くんでしょうね。
ふーん、エースハンターならポンピング2回くらいでクリーニングペレットを撃って、タオルで受け止めて、銃身の汚れ具合を確かめていたのですが、PCP式で撃ったクリーニングペレットってどうやって捕まえるんだろう?!
やっぱり、威力だけでなく、クリーニングペレットの使い方も含めて、エースハンターとPCP式銃は別物です。

エアライフル初心者の予習だけでなく、経験者の復習も兼ねた良書です。エアライフル所持者なら所持必須と言っても過言ではありません。






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