さて、今期獲れたカルガモを料理していきます。
やっぱりカモ肉のメイン料理と言えば胸肉です。
使う胸肉は上記記事で回収でずいぶん苦労したほうのカルガモを調理していきます。なぜならこのカルガモはヘッドショットなので、胸肉にダメージはないです。
このカルガモの胸肉をレア仕立てにしていきます。
まずは一度冷凍したカルガモを2℃1日で解凍しました。
設定温度を1℃単位で変えられる冷凍庫は今期とにかく便利です!!
多少産毛が残っている状態での冷凍でしたので、この時点で毛炙りします。
まあここら辺は、私の衛生的な観念なのですけど、毛毟りと内臓抜きはジビエなので室外作業です。
で、この室外作業を終えたなら、冷凍庫という室内に持ち込めると考えます。
毛炙りは、私の中で室内でも室外でもできる作業です。なら室内で行うほうが楽です。
その後の解体作業も内臓が無いのなら室内作業でOKです。
で、散々練習してきた5枚おろしをカルガモで行いました。
ただカルガモは鶏と違って、足のもも肉が発達していないため、大腿骨の脱臼がやりにくかったです。
まあでも、いろいろと経験してきたおかげで、そんなに手間取ることなく解体はできました。
どちらかというと、棒毛の毛抜きが一番時間がかかったかもしれません。
さて、今回のメインは胸肉です!!
まだ猟期序盤なので、そんなに脂はのっていません。皮目に切れ目を入れることなくこのままで全面に塩だけしました。
で、火入れは皮目を中火の弱のフライパンで10分ほど放置。次第に肉全体が膨らんできたのをみて、弱めたガスバーナーで全体的に炙りました。
フライパンにたまった脂はすべて捨てて、キッチンペーパーで拭き取り、改めて肉に塩して、あとはアルミホイルでくるんで、加熱時間と同じ時間放置してから、できるだけ薄切りに切りました。
次にわさびソースを作ります。カモには塩しかしていません。
レシピはこんな感じです。
わさび:チューブを4㎝くらい
オリーブオイル:しょう油:レモン汁 = 1:1:1くらい
まあとりあえずこれを混ぜて味見して、あとは自分好みに微調整してください。
味見した感じはオリーブオイルを半分にしても良かったかも。あと油のせいでわさびが効かなくなるので、もっともっと量を追加しました。
胡椒を入れたり、一味入れたり、アレンジはいくらでもできそうです。
はい!カモの胸肉ソテー わさびソース添えです
はい!!ずいぶんレアっす!!自己責任で食べてます!!
いやあ!!これは抜群に旨い!!
これ単独、塩味だけでも旨い!!
でもわさびソースと絡むと、また旨い!!
そしてジビエ肉とパセリがこれまた合う!!
胡椒追加しても旨い!!
正直、カモ猟やり始めてから初めてカモ猟やってきてよかった!!って思うくらい、目の覚めるくらいの美味さでした!!
思い返せば、以前コガモで同じようにレアステーキ作って感動しました。
ただ、肉の色を比較してもらうとわかるのですが、コガモは刺身に近いたたきでした。
今回のカルガモはちゃんとレアステーキを調理しています。
単純に、さばく技術も料理技術も、食に対する安全も以前より向上しています。
それ以上に驚いたのが、たたきのコガモより、今回のカルガモのほうが美味しいと感じたことです。
まあ確かにちゃんと火は入れたので、多少獣臭はしましたけど、わさびソースを合わせたことが勝因かな?
とにかく本当に旨かった!!
2時間かけて、最後まであきらめずに回収した苦労がすべて吹っ飛びました!!
本当に、命の恵みに感謝です!!
さてさて、他の部分は小さ目に切り分け、もも肉は骨を外し切り分けました。
もも肉以外はこれだけの肉となりました。で、中火の弱で塩胡椒とグリスマスターブレンドで、単純な焼き肉にしました。
これはこれで旨かったです!!
で、これはレアステーキと区別する意味で、ちゃんと強めに塩してグリルマスターしているのですが、それでも先ほどのわさびソースをつけると美味しかったです!!
鹿肉だと、洋風のバルサミコソースとか考えてしまうのですが、鴨肉ってジビエの中でも日本食的ではあると思うのです。
そのため、今回はあえて洋食ではなく和食系のソース、わさびとしょう油をメインとしました。
今回私の作ったソースをもっと和食に寄せるなら、オリーブオイルを菜種油に、レモン汁をスダチかカボスに変えればよいと思われます。
ただ、わさびもしょう油も個性が和的に強いので、このままで十分和食的だと思います。とにかくここから自分好みにアレンジすることのほうが大切だと思われます。
次はどうしようかなあ・・・オリーブオイルを極力少なくして、柚子胡椒入れて、ミル付き胡椒はカモの方かなあ・・・ソースのアレンジにも夢が広がります。
P.S.カモ猟師の先輩たちが、胴体撃ちは邪道で、基本はヘッドショットっていうのが、銃の性能と腕自慢だとずっとずっと思っていました。しかし今回ヘッドショットのカルガモを料理して理解しました。鴨料理のメイン食材ってやっぱり胸肉で、ヘッドショットは胸肉を傷つけない狩猟方法なんだと。なるほどなあ、苦しませないだけでなく、料理する方にもメリットがあるんですね。
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