コガモのロティ アピシウスソース添え

タイトルだけは完全に本格的フランス料理を気取った感じになりました。
まあ確かに作った料理はタイトル通りなのですが、別にフレンチを気取ったわけではなく、単純に苦労して回収したコガモを美味しく食べたい!!って一心で作った料理です。

さて、アピシウスソースは先日、作り方をブログで載せました。

で、今回はコガモを料理していきます。
そのコガモを獲った時の顛末はこちら。

そのコガモを2時間かけて回収した顛末はこちら。

まあ簡単に言うと、この小さな小さなコガモですが、できる限り無駄なく、今の私のできる最高峰の料理技術で、頑張って頑張って、料理していきたいと思います。

さて、広告越えてから、毛毟りとか処理しているとはいえ、少しだけグロいと感じる人は感じる写真があります。
そういう敏感な方はここでさよならです。





さて、コガモです。獲った時に毛毟りと内臓を抜いて水洗いして、腹部にキッチンペーパー詰め込むだけ詰め込み、表面にもキッチンペーパーで覆い、その状態で冷凍してました。
それをゆっくりと解凍して、気になった毛を取り除いたのがこれです。
DSC08014.JPG
さて今回は、胸肉をメインとしながらも、できる限り無駄にしたくないってイメージで調理を考えてみました。
そう考えた時に、今回は1羽丸ままで調理していこうかと。でも、火の通しを考えると、背割りか腹割りかで開いて調理していこうかと。

で、色々考えたら、胸肉にダメージを与えたくないので、今回は背割りすることにします。
さすがに背骨付近はきついかなあと思いましたが、簡単にキッチンはさみで切れました。
DSC08015.JPG
切ってから、残っていた血合いとか内臓とかをキッチンペーパーで、きれいにぬぐい取りました。
さて、コガモの処理は以上です、次は火入れです。ロティしていきます。

さてさて、フランス料理の技法で言う「ロティ」とは、オーブンを使って全体的に熱を通していく方法です。
あっはっは!私はオーブンを持っていません!
ので、ロティをガスバーナーのみで調理していきたいと思います。
ガスバーナー料理研究家2.jpg

まず両面にオリーブ油と塩をしました。
で、汚染領域に近い、内部から炙り始めました。
DSC08016.JPG
コガモ一羽分の炙り用なのか?!ってくらい、ピッタリのタジン鍋に入れて炙っていきます。

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感想(18件)


オーブンの良さは、上下左右同じ温度で加熱出来ることです。
じゃあ、せっかくなので、ガスバーナーでオーブン過熱を超えていきたいと思います。

簡単に言うと、手羽やももの骨回りは火が通りにくく、胸肉は火が通りやすいので、オーブンのような一律加熱のほうが調整が、実は難しいんです。
そういう意味では、部分部分的な加熱をコントラスト的に加える道具として、ガスバーナーのほうが、オーブンやフライパンよりやりやすいはずです。

まず内臓が接していた内部を、殺菌の意味で思う存分炙れたのは、食中毒を防ぐという意味でありがたいです。
あと背骨の剥き出しになった部分のみ単独を、ギンギンに火を通せるというのも、ガスバーナーのありがたいところです。

で、あとで出てきますけど、火入れの後に休ませる時間があります。その時に、ゆっくりじっくりと火を通したいために、多少保温的な部分もあって欲しいんです。
で、肉を炙りながら、それ以上にタジン鍋自体を炙ってます。
あと、たたきにするつもりでなく、ちゃんとオーブン料理のロティに仕上げたいので、ガスバーナーを使いながらもロティのイメージです。
具体的には、肉を炙るときは焦点をズラして何となく温めるイメージで炙りました。
逆に、焦点を合わせたのは、タジン鍋本体でした。

さて、内部の殺菌が十分に終わったと感じたら、次に外側の皮目です。
皮目は、腕と足の部分を集中的に炙る感じで、胸は全体にさっと皮を張らせる程度の炙りです。
胸肉は今後休ませるときにゆっくりと間接的に火が通ればいいやって感覚で良いと思います。
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これが1回目の表裏の炙りを終えた状態です。

で、タジン鍋の蓋して放置。1回目は表裏で5分ほど炙ったと思うので、放置で休める時間も5分です。
これはゆっくりと内部に火を通したいときの基本で、熱した時間と同じくらい時間休ませます。
で、通常ならアルミホイルで包んで休ませるのですが、今回は蓋のみで休ませてます。
DSC08019.JPG
まあタジン鍋自体、ちゃんと蓄熱してましたからね。蓋でOKと判断。

さて、1回目に火を通したイメージです。
このコガモは5℃で4日かけて解凍しました。ただし冷蔵庫から出して調理を始めるまで時間をおいてません。
通常、塊肉等のレシピの場合、「室温にまで戻して」ってのが定番ですが、ジビエ肉の場合、私はできる限り冷たい状態で料理し始めてしまいます。
なぜなら、その肉にどんな細菌がくっついているか、わかったもんじゃないからです。
室温に戻して放置ということは、同時に食中毒の危険性が倍々ゲームで増える可能性をはらみます。
そんなギャンブルを私は好みません。
つまりですね、1回目の炙りは表面殺菌予備加熱です。
塊肉に火が通ったなんてまるで考えていません。加熱行為はこれからです。
私がジビエ肉を生っぽく料理していく工程って、いつもいつもこんなイメージで作ってます。

まず表面殺菌をクリアする。
そして中心温度を素材によって見極める。

このコガモは単純な生肉料理にはしたくなかったので、ちゃんと火を通したレア料理をめざしました。
で、肉に火が通ったかどうかは、触った感触で確かめます。
今回、炙って休むを3回繰り返しました。
3回目の状態がこれ
DSC08020.JPG
表面は良い色になりました。でもそれはガスバーナーの火が近すぎた場合、表面だけ焼けて、中は生ってことがあります。
何度も何度も言いますが、肉は触って確かめます。
で、触った感触が1回目も2回目もかなり柔らかく、完全に生の感覚でした。で、3回目で初めてきちんと弾力を感じました。いわゆる必要ギリギリの火が入ったレア状態だと判断しました。
通常なら、もう1回か2回、火入れをした方が良いと判断する方が普通だと思える状況と読んだうえで、これで火入れを終え、もう少し温度が下がるま待ってから、食べやすいように切り分けました。

コガモのロティ アピシウスソース添えの完成です!!
DSC08021.JPG
ボナペティ
って言いたいくらい、我ながらすげえ料理を作ってしまいました!!
この動画の17:50で、星野シェフのリアル「ボナペティ」が聞けますので、ご参考までに。

さて、生っぽく真っ赤に見えますが、光沢のある生肉の赤ではなく、くすんだ赤いわゆる必要量の熱は入っているレア状態の赤色です。
必要量の火入れが出来ていて、必要以上の火入れをしていない状態です。
火入れに関してはパーフェクト!!でした!!

あと、アピシウスソースも作りたてよりも数日置いたほうが尖った部分が抜けて、食べやすいソースとなりました。
そして、尖ったカモのジビエ臭と、尖ったアピシウスソースの八角臭が、きっちりぶつかり合うことによって、なぜか消え去るという、奇跡の組み合わせとなりました!!
ポールボキューズさんが、アピシウスソースがカモ肉に合うソースというのが、本当にわかった気がします。


アピシウスソースは五香粉以外は入手しやすい材料ばかりですし、作るのも順番通り加えて煮詰めるだけで完成する、料理初心者でも簡単に作れるソースです。

火入れはガスバーナーだけです。別にタジン鍋でなくても、高温に耐えられる容器なら何でも構いません。
まあ難しいのは火の通り方の感覚かもしれませんが、一般的には鉄櫛を刺して、下唇に当ててビリっとする感覚が63℃で、中心まで十分火が通ったって目安になります。

この記事は猟師の方ばかりが見られていると思いますが、今回の料理はめちゃくちゃ難易度の高い料理に思えるかもしれません。
でも私からすれば、この料理を作るよりも、コガモを獲るほうが、もっともっと難易度高いです。

小さいけど、やっぱりコガモは美味しい!!






この記事へのコメント

  • けろあき

     いつもながら、いや、いつもに増してすごい料理ですね。
    旨そう~。
     コガモは外れなく美味しいですよね。
    私は獲り貯めたハトをボチボチと。
    2022年02月24日 00:01
  • るな

    絶対美味しいヤツですね。
    コガモ獲る方が簡単ですよ!
    2022年02月24日 17:46
  • morimori

    けろあきさん、るなさん、コメントありがとうございます。
    これは本当に本気で旨がった!!カルガモも旨かったけど、やっぱりコガモも旨い!!このもう一度食べたい!!って思いだけが、私の猟欲のモチベーションでとなってます!来期こそ、もっともっと万全の体制で臨み、もっと数獲れるように頑張りたいです。
    2022年02月24日 19:58