元々私は料理が得意でも好きでもなかったんです。
ただ狩猟を初めてから、肉料理が得意な人間になってしまいました。
理由は単純に、獲物が獲れなかったからです。
来る日も来る日も、獲物が獲れない日が続き、ようやく獲れた日には、
「絶対に美味しく食べてやる!!」
って思いが強すぎてしまいまして、だったらオフシーズンに肉料理を練習しておけば、ジビエ料理も美味しく作れるようになるのではないかと。
それが数年続いたら・・・気が付いたら、肉料理に特化した人間になってしまってました。
普通は「獲るのは上手くても、料理はそこそこ」って猟師が大半だと思います。
それが私の場合、獲れなかったゆえに、通常猟師の真逆のタイプが誕生したわけです。
さてそんな私が、肉料理の基本中の基本の調味料として、
「塩・胡椒・スパイス」を、私なりの視点で使い方を紹介したいと思います。
さて、文字では横並びに羅列しましたが、私の中でこの3つはかなりの差を持って、上下の関係です。
なんといってもぶっちぎり1位は「塩」です。
塩だけで焼肉を美味しく食べることが可能なほどです。これは肉に限らず魚でも野菜でも同じことが言えます。
なぜなら、生物は海から生まれたから「塩分」を求める・・・って考えると、壮大で根源的な調味料ですよね。
つまり、塩は調味料として絶対的王者です!
そのずいぶん下に2位として「胡椒」です。
焼肉で塩胡椒は基本中の基本です。
古くは大航海時代、肉食文化のヨーロッパで、肉の臭み消しとして胡椒は金と同等の価値として取引されていたって歴史もあります。
ただ、臭い肉というイメージが無い現代日本において、胡椒の必要性はどうなんだ?!って問われると、金と同等の価値はさすがにありません。
でも現代日本においてでも、ラーメンの香辛料として一番使われているのが胡椒だと考えると、いわゆる臭み消しの役割を、今でも多少なりとも担っているのだろうと。
そして一般的には、ピリッとする刺激が肉食と合うって感覚が、強いのだろうと。
まあ、胡椒は調味料というよりは、ジャンル的にスパイスなのですが、やっぱり肉料理の基本で「塩コショウ」ってまとめて記されていることを多く見るので、現代日本において、肉料理にやっぱり胡椒は必要なのかなあと。
そのちょっと下に3位として「スパイス」です。
やり方によっては、塩・スパイスのほうが、塩コショウより美味しいこともあります。
後で詳しく書きますが、このスパイスって表現は胡椒のような「単独スパイス」ではなく、総合的な色々混ぜ合わさった、肉に特化したようなスパイスのことです。
まあ簡単に想像してもらえる話で言うと、クセの強い肉を美味しく食べる最強料理は「カレー」です。
あっはっは!ジビエのレトルトカレーは通販の定番です。
そしてカレーは総合スパイスで作られた料理です。
さて、まずは簡単に3種類の調味料について紹介しました。
それでは次に、この3種類の調味料について、もう少し深く話をしていこうと思います。
まず塩です。
最初の写真で見てもらってお判りの様に、私は通常の塩しか使いません。いわゆる岩塩のような風味のある塩は使わないのです。
私の塩へのこだわりを判っていただくためには、徳川家康の塩に対する有名なエピソードが一番最適だと思われます。
徳川家康が側室の阿茶の局に
「この世で一番うまいものは何か?」と尋ねると、阿茶の局は
「それは塩です。山海の珍味も塩の味付け次第でございます」
「では一番不味いものは何だ?」
「それも塩でございます。どんなに美味しいものでも塩味が過ぎると食べられなくなります」
これはなかなか深い話です。
阿茶の局は多分家康に「料理だけでなく、政治も人事も匙加減が大切ですよ・・・。」って暗にアドバイスしている気がします。
私は大好きな話です。塩の使い方も、人の使い方も。
で、塩です。
私の塩の使い方のこだわりは、阿茶的で、
「塩が旨いから肉が旨くなるのではなく、塩加減が旨いから肉が旨い」
ってことです。
そう考えると風味塩って、どうしても何%分の容量が塩以外のものが入ってます。つまりいつもの自分の塩加減で塩したときの塩味が、多少薄くなる感じが嫌なんです。そしてその何%はスパイスで埋めれば良いと思ってますから。
調味料って、例えば一味唐辛子とかって辛味に特化した調味料ですよね。だから計算しやすい。そういう意味で私は料理に七味唐辛子を使いませんし、常備してません。辛味の計算がしづらいからです。
つまり私にとって、塩はシンプルに阿茶手法にこだわっているため、一番安い塩が一番使いやすいのです。
次に胡椒です。
胡椒はいろいろと迷走しましたが、最近ようやく写真の形に落ち着きました。
いわゆる専用のミルを買いました。
私が購入したのは中身が見えるタイプですが、同じメーカーのものです。
私も長年、普通の家庭と同じように、最初から粉末になっているタイプの胡椒を使い続けてきました。
例えば、ラーメン屋に行っても卓上に粉末の胡椒が置いてあって、自分の好みの量をかければ、ちゃんとそれにこたえるようにスパイシーになります。
それのことに疑問を挟んだことが、今まで一度もありませんでした。
ただ肉料理を多く作るようになってから、たまたまスーパーでこんなの見つけて試しで買ってみたんです。
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で、使ってみてビックリ!!
胡椒って曳きたてだと、まるで香りの立ち方がビックリするほど違うんです!!
で、好んで使うようになってから・・・1つだけ文句が出てきました。
それはこのタイプだと曳く細かさの調整ができないこと。
このミルはかなりの粗挽きなんですね。粗挽きもありがたい時があるけど、私が作る肉料理の大半はもっと細かい胡椒を求めることがあるのです。そういう調整がどうしてもしたくなって、専用の手動ミルを買うに至りました。
あと、これは先ほどの塩の話に似ているのですが、今のところブラックペッパー以外の胡椒に手を出す気にはなりません。肉料理に関して、自分好みの細かさの曳きたての黒胡椒だけで、今のところ十分満足してます。
さて最後にスパイスです、ここで言うスパイスとは色々混ぜ合わせた総合系のスパイスです。
そんな肉料理系スパイスの中で、もっとも私が愛用しているのが「グリルマスターブレンド」です。
なぜならこれが一番塩分の量が少ないからです。
ネットで検索すると、肉料理に合うスパイスとして次々にヒットすると思います。で、多分私はそれらほとんど試してます。
例えばこれとか、
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最初に挙げたマキシマムなんて、ネット記事によってはランキング1位として紹介されていたりします。
あるいは最近のアウトドアブームで、バーベキューでの最適なスパイス第1位とかで、本当に高評価されています。
ただ、私からするとマキシマムは二度と使いません。っていうか使えないんです。
マキシマムを簡単に説明すると、塩を含めた焼肉に特化した調味料で、焼肉に適量振りかけるだけで、追加の調味料が何もいらなくなるくらい美味しくなる調味料です。
そう考えると、できる限り荷物を減らしたい、キャンプにおけるバーベキューでは重宝されるスパイスでしょうね。
でも、何度も言いますが、私は塩は塩として、胡椒は胡椒として、使いたいんです。
その状態でマキシマムを使うと、塩辛くて食べれない状態になってしまいます。
総合スパイスは便利なのですけど、その中に塩コショウが入っている場合、とてもとても邪魔なんです。
そういう意味で、色々グルグル使ってみましたが、やっぱり最終的にはグリルマスターブレンドに落ち着いてしまいます。
ちなみに、グリルマスターブレンドに近いスパイスとしてこんなのあります。
これも特徴的に塩味が少ないスパイスです。で、宣伝には肉も魚も使えるって書いてますけど、これは私が使った感じの感想では、肉料理には使えないかなあ・・・でも魚にはありがたいスパイスです。
グリルマスターとハーブリッチの、一番の違いは「にんにく」です。
ガーリックパウダーが入っているか否かです。
ガッツリとグリルマスター使うと、ちゃんとニンニクの風味がして、やっぱり肉には合います。
でもハーブリッチを、特に豚肉にガッツリ使っても・・・ん?!って感じで、その効果のほどがあまり期待できないです。
しかし、油っぽい魚に使うと、途端にハーブリッチは効果を発揮します!!
私が使って一番良い!って感じたのは、ブリかまの塩焼きです。
グリルで焼いているブリかまに半分ほど火が入ったところで、十分にハーブリッチかけて仕上げると、ただの塩焼きとは思えないほどの極上の料理になります!!
そうなんですよね、私は肉料理に特化した料理人なので、グリルマスターは愛用しますが、ハーブリッチはその性能を認めながらも、現在では常備はしていません。
さて、「塩・胡椒・スパイス」って、本当に単純な調味料について、長々と説明してきました。
まあ、塩・胡椒については、現状の使い方が変わることが無いと思います。
しかし、総合スパイスにおいては「現状一位」がグリルマスターブレンドってだけで、今後も何か良いスパイスが無いか探し続けると思います。
以上、私の基本調味料の考え方でした。
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