キンクロハジロを美味しく料理するアイデア

さてさて、今回は結果から先に書いていきます。
キンクロハジロのロティ アピシウスソース添えです!
DSC080711.jpg
これですね、キンクロハジロ単独で美味しいロティとなりました。しかし個性をずいぶん弱くしたせいか、完全にアピシウスソースに負けるというか・・・合わないんです!!
で、キンクロから魚風味がするので、これはもしかすると・・・って「わさびしょう油」で食べ始めてから、驚くほど美味しくなり、箸が止まらなくなりました!!

いやあ!!キンクロハジロは美味しいです!!
ただし、通常のカモ、マガモやカルガモとはまるで性質が違うカモだと思います。
多分想像するに、キンクロを鴨鍋の様に普通に煮てしまうと、強烈な個性の発現で、まるで食べらなくなるんじゃないかと思われます。



まず解体時に「海苔」の臭いを強烈に感じました。
逆に、カルガモやコガモの解体臭、いわゆる獣臭がまるでしなかったんです。
これは本当に不気味でしたね、このカモをカモの概念で調理すると、多分食べれないほど酷いものができるのではないかと、この時点で思い知らされました。

で、私のアイデアとは、私の経験上、臭くて固いジビエ肉に対して、一番効果的な方法をキンクロにぶつけてみました。
まあこのブログでも何度も出てきてますが、
「重曹食塩水」です。

レシピは、
水400mlに重曹と食塩が小さじ1杯ずつです。
DSC08060.JPG
上記写真は、漬け込んでから2時間後の写真。ずいぶんドリップが出ていたので、古い重曹食塩水をすべて捨てて、新しい重曹食塩水に交換して4時間。計6時間漬けました。
ドリップが出るってことは、旨味もダダ洩れってことですけど、食べれないほどの悪臭と不味さも、取り除いてくれるということです。

あとは水を何度か取り換えながら洗って、キッチンペーパーで水分を切って、下処理は終了。
で、あとは全体に十分に塩して、いつものようにタジン鍋に並べて、ガスバーナーでゆっくりと火をまんべんなく通し、蓋を利用して休ませて、脂身は徐々に焼き切るイメージで炙っていきました。
ここら辺のテクニックは、この記事に詳しいです。
オーブンを持っている方なら、3分熱入れて、3分アルミホイルでくるんで休ませるってのを繰り返して、その肉の弾力で火入れを判断するテクニックです。
とにかく肉を触ることですね。最初は表面が熱々で焼けているように見えても、触るとブヨブヨの状態です。それが何回目かにフッとかっちりした手ごたえになるんです。それがベリーレアで火が通った状態です。
あとは仕上げたい感覚で火を止めればいいんです。私はレアまで火を通したかったので、もう2分熱入れて、2分蓋して、そして蓋を外しました。

もう1つ大切なことは、塊肉を熱々のまま切らないことです。
これも何度か書いてますが、焼肉文化の日本人にとって、すべての肉料理は熱々でないとダメだってのが、そもそもの間違いです。
グルメ番組が好きそうなハンバーグの断面って、切ったら肉汁ドバアアア!!ですよね。でもそんなハンバーグを本当に美味しく食べたいのなら、ハンバーグが室温に落ち着くまで待つべきです。そうすると、熱々肉汁ドバアアが、ほとんどハンバーグの中にとじ込まることになり、結果ジューシーで美味しいハンバーグとなるのです。
これと同じことで、ローストビーフとか、今回のカモ料理とか、塊肉の場合、狙った温度まで上げた後、できる限り肉の温度を下げて落ち着かせた方が良いのです。そのほうがスライスした時に、ドリップが出るのを格段に抑えることができます。


ここまでが、キンクロハジロの処理と焼き方とソースの話でした。
記事後半では、こんな料理にたどり着いたいきさつと、他のキンクロ料理を紹介します。




さて、なんで私がこんな料理にたどり着いたかというと。
それはやっぱり、キンクロハジロが不味い!!ってネットの評判です!
ググればもっと出てきます。

で、私は今期キンクロハジロを初めて獲りました。
でもですね、せっかくの命を頂くわけだし、回収作業もなかなか大変だったので、絶対に美味しく食べてやる!!って思いは、人一倍強かったんですよね。

さて、いろいろ情報を得ながら整理していった時に、酷評のキンクロの個性をいかにして消すか?!ってのが、一番の課題になると思いました。

で、ですねカモ肉に合うソースで強い個性のある、アピシウスソースを以前紹介しました。
なぜこんなソースを作ったのか?!っていうと、実は今回のキンクロハジロ料理にぶつけるための用意でした。

料理中もなかなか強烈なソースなので、キンクロ料理の数日前に、実はもう一度アピシウスソース作ってました。
しかし、あれほど個性的なソースが、ただのわさび醤油に完敗するとは・・・こればかりはやってみないとわからないことです。

さて最後に、2品キンクロ料理を紹介します。

【4時間クーポン】【限定色】ティファール IH対応 直火(ガス火)対応 インジニオ・ネオ IHウォールナット・エクセレンス フライパン 取っ手 8点 セット L65391 T-fal ギフト・のし可

価格:15,400円
(2022/3/21 20:59時点)
感想(247件)


まずは鴨酒です。
DSC08068.JPG

作り方は雉酒と同じです。
雉酒はささみだけで作りましたが、今回はささみと手羽元まで加えました!
見た目は雉酒みたいに色が出たのですが・・・ダメでした!まったく旨味はありませんでした。
まあこれは、ガッツリ5時間、重曹食塩水に漬け込んだ後の、ささみと手羽元で作ったからだと思われます。
まあ、だからといって、重曹食塩水処理前のキンクロで作ったところで美味しいかどうか・・・ってのも微妙ですけどね。
来期、マガモが獲れたら、ささみ使って鴨酒をリベンジしたいと思います。


最後に、キンクロのもも焼きです。
DSC08066.JPG

これは単純に、塩コショウして中火でオリーブ油で焼いただけ。
最後にグリルマスターブレンド入れて、盛り付け時に乾燥パセリを振っただけ。
これ本当に使いやすいのでお勧めです!他の肉系のスパイスだと、かなり塩分が入っているタイプが多いです。でもこれは塩分がかなり少ないので、いつも通りの塩コショウの後に使えるのところが気に入ってます!

これは普通に美味しかったですね。
これも重曹食塩水のおかげだと思いますが、火加減を全く気にせずに焼いても、臭いも固さも気にならずに食べることができました。


さてさて、今回初めてキンクロハジロを調理してみました。
何もせずに美味しいカルガモやコガモと違って、かなり制限をかけた中でも、美味しい料理ができたと自負してます。
まあ来期猟場で、コガモとキンクロハジロが並んでいたら・・・コガモを狙うでしょうねー。
でも、キンクロハジロ単独で、絶好の位置だったら、迷わずに狙うと思います。

最後の最後に、今回キンクロのガラはすべて廃棄しましたが、海苔風味のガラって、もしかしたら美味しい出汁が取れたカモ。
硬水で出汁を取るやりかたも学んだので、
次にキンクロ獲れたら、カモ出汁にも挑戦してみたいと思います。






この記事へのコメント