「生き物の死にざま」って本を読んでみた

先日「生き物の死にざま」って本と出合いました。
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で、なかなか面白かったので、書籍案内人として紹介いたします。
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「生命は遺伝子の乗り物に過ぎない」って、確か生物学者のドーキンス氏が唱えた説でしたっけね?!
いわゆる小さな小さなDNAが生物としての主で、必死になって日々生きている実体の私が従であるって話です。
まあ人間に置き換えて考えると、
「DNAのために人間が日々生かさられてるなんてふざけるな!!」
って言いたくなる話です。
それはそうなんですが、動植物で冷静に観察すると、確かにそう思われる節もあります。
この本は、そんなエピソードをまとめたような本です。

色々な生き物の生死がつづられているのですが、私が一番興味を持って読ませていただいたのは、
「ツキノワグマ」
です。

本文から多少抜粋しながらまとめます。

ツキノワグマの行動範囲は動物の中でも極めて広い
通常は単独行動で、遭遇しないように気配に気をつけながら行動している
人間とツキノワグマが出くわしても、多くの場合は、ツキノワグマのほうから立ち去っていく。それがなわばりを持たないツキノワグマのルールなのである。
ツキノワグマが人を襲う場合の多くは、自らの身を守るための逃げ出すための威嚇攻撃
子連れの場合、子供を守ることに必死になり、攻撃的で危険
ツキノワグマのメスは1年半ほど子育てをする
親離れの時期の好奇心旺盛で母クマが見守っている状況下で、狩りをするのが面白くてしょうがない子熊に、人間が襲われる事件が多い
ツキノワグマのメスは母性愛の強い動物として知られており、1年半ほどの子育て期間は発情しない
交尾期のオスが子育て中のメスに遭遇すると、メスの発情をうながすために子殺しする
つまり母クマにとってオスは子供の敵であり、その習性から人間と出合っても、全力で子供を守ろうとする。

以前、本州最強の動物はイノシシだと記事にしました。
実際に人と出くわしたときの最強の乱暴者は乙事主です。
上記の情報でも、ツキノワグマは出会わない努力をして、出会ったら立ち去る習性ですので、通常ならそれほど恐れる動物ではありません。

ただ問題は、子連れ熊の習性です!ハンターになってから、多少は一般人よりはツキノワグマについて詳しくなっていた気になってましたが、今回改めて知る知識が多かったのが驚きでした。
ツキノワグマのオスも子殺しするんですね!!
そしてメスは母性愛が特に強い動物であるからこそ、オスであろうと人間であろうと、自分の子供に危害を加えさせる存在だと認識した瞬間に、全力で襲ってくるということです!!
いやあ!子連れ熊は怖い!!怖すぎる!!



さて、もしかしたら一般的には、子供を襲ういわゆる「子殺し」ってワードが、初耳なら衝撃的かもしれません。
確かにワードとして強烈です!!
しかし実際には「もののけ」の世界では、それほど珍しいことではないです。

例えば、有名どころではライオンが子殺しします。この記事が詳しいです。
ライオンの群れって、ボスの雄ライオン1匹に、数十頭の雌ライオンが存在する、いわゆるハーレム集団です。狩りはすべてメスが行い、獲れた獲物はまずはボスから食べ始め、次に雌、次に子供の順です。
ボスライオンって日頃何もしないように見えますが、ハーレム集団を守る役割です。
さて、そんなボスライオンに、他の雄ライオンが、ハーレムの乗っ取りを目論み挑戦したとします。もちろん、日頃何にもしないように見えているボスライオンも、命がけで戦います。
さてもしですね、ボスライオンが負けて、新しい若いボスがハーレムの頂点になった場合、そのハーレムはどうなるかということです。
子育て中の雌ライオンは発情しません。しかしその子供の遺伝子は旧ボスの子供です。
つまり、若いボスが真っ先に行うのが「子殺し」です。
さて、目の前で我が子を殺された雌ライオンはどうなるのかというと・・・新しいボスの性を受け入れるために、発情するのです。
つまり、遺伝子的な弱肉強食を体現化させているのが、自然世界で生きている動物の原理原則なんです。


あと、人に一番近い生物として有名なチンパンジーが「子殺し」します。
これを初めて知った時、私でも衝撃的でした。人間に一番近い生物といえど、その程度なんだと。
もう二度と人に一番近い生物って言うな!!って思いました。

でも、新ためて「生物は遺伝子の乗り物」って考えると、より強き遺伝子を持った子供たちを未来に残すことの方が生物の宿命であるなら、弱き遺伝子の乗り物を排除する、強きオスの行動は正しいわけなんです。
つまり子殺しは、一見残酷行為に見えますけど、生物学的な視点で動物裁判したなら無罪になるほど、正当性のある行動であるということです。


さてさて、この本を読んでいると、人間も同じ生物であるにもかかわらず、今の人間の生き様って、生物学的に間違っているのではないか?!って問いたくなる自分がいます。
SDG’sもいいけど、元々人間も生物の一種であるなら、弱肉強食的に、より良き船に遺伝子を乗せ換え続けなければ、いずれ人間は滅びる生物なんじゃないかと思ってしまいます。
性の問題も同じで、同性愛者の差別はいけませんが、同性愛者は次の世代に遺伝子を残さない存在であるという区別はするべきです。

私は常々、男女差別男女区別は違うものだと考えてますので。
男女は平等ではなく、性差があります。
もし性の差もないと主張する人間がいるのなら、私と「朝まで討論会」しましょうよ。まあ朝を待たずに一瞬で論破できますから。
簡単に言うなら、銭湯を全て混浴に、脱衣所も一緒に、トイレも共同にすればいいんじゃないですか?!男女のすべてが平等と主張するならね。
ハイ論破
つまり男女は絶対的に違う差があります。例えば男性は子供を産めませんが、女性は子供を産むことができます。もっというと、体形・骨格・内臓も含めて、男女ではきっちりと区別をしなければならない性差があるんです。
私が言っているのは、性差はあるけど、上下方向の価値的な差別は絶対的によくないです。
しかしですね、左右方向の区別はするべきだと言っているわけです。


閑話休題、さて現状では医学を筆頭とした科学と、石油を筆頭とした化石エネルギーで、人間は揺るぎない生命価値を得てますけど、より強き遺伝子を残す努力を忘れているような気がします。


この本は、様々な生き物の死にざまをショートエッセイ的に書いているので、どの部分で共感するか?だけで、その後の印象自体も、すごく変化する本だと思います。
こういう読み手の力量を問うような本だからこそ、私が皆さんに伝えたくなるような良書だと考えています。
最後まで子殺しと性について話をまとめましたけど、もう1つ「ゴリラが死に関して強い関心を持っている動物」ってのも面白いテーマでした。最後のテーマは人間で「人間はまだ見ぬ死を怖がる動物である」ってのも興味深かったです。実は私は若い時から「死」というものに対して、強く関心を持っていて、いまだにできる限り正確な「死」という現象に対して、知識を得ようと本を探し続けているのかもしれません。
死というテーマでまた後日記事をアップする日がくるかも。

この記事へのコメント

  • 黒猫

    男女平等を主張する人たちは、単に都合と利益の良いとこ取りですね。

    一番分かりやすいのが、ガソリンスタンドや映画館の割引レディースデイ。あるいはネットや雑誌のコラムなどにある、「こんな男とつき合うと損をする」「デートでうんざりする残念な男の行動」等といったものですね。男女を逆にしても受け入れられるのか?問いたいものです。

    スポーツ競技も、わざわざ男女に分けて行いますね。男女平等なら混合ですればいいのに。

    ちなみに男性は女性よりも視覚情報の影響を受けやすいらしく、狙うという動作をする射撃やアーチェリーでは平均点に性差が関係すると読んだことがあります。
    2022年07月05日 11:43
  • morimori

    なるほどなあ・・・都合と利益のご都合主義者ってことですか!その視点は私はなかったなあ、もっと病的に男女平等を叫んでいる人間たちを視野に入れていたもので。いわゆる「宇宙船地球号」で「国と国に国境という線」はなく、全人類はすべて男女も含めて平等だから、戦争は絶対に間違っている!って主張です。
    つまり「戦争反対」と「男女平等」を同視点での言論が、昨今SDG’sが皮切りとなって、まるで正論のような流れになっている現状に対して、今回の後半の記事は水をかけたつもりでいました。
    2022年07月05日 20:36
  • カモ撃ち

    面白いですね。
    遺伝子の乗り物ですか・・なるほどと思いました。
    少しでも強い遺伝子を残していくため動植物は日々生きている。
    動物の世界を見ていると、まさにそのとおりって感じですよね。
    生き物は、遺伝子様の思い通りに操られている感があります。

    もちろん人間も遺伝子の乗り物なのでしょうが、知能を持った人類は、遺伝子様の思惑に逆らって進んでいるところがあるようにも思えます。

    医学の発達によって、本当なら死んでしまうはずの弱い遺伝子が残っていく。
    これって、遺伝子様の考えに逆らってますよね。
    もちろん、このことは、その瞬間の世代にとっては幸せなことですが、未来の人類にとっては、迷惑なことでしょう。

    飢餓との闘いを生き抜いたご先祖様は、余ったエネルギーは出来る限り脂肪として蓄えておく機能を残してくれたのですが、飽食の時代を生きる我々にとっては、成人病のリスクを高めるだけの迷惑な機能になっています。
    遺伝子様の作戦ミスなのでしょうか?

    自分の子供を殺してしまったというニュースを時々見かけますが、これって、自分の子供さえ育てることの出来ないような親の遺伝子など残さない方がいい、ということなので、これは生物としては正しい行動なのかもしれません。
    2022年07月07日 11:30
  • morimori

    カモ撃ちさん、コメントありがとうございます。
    いやあ!鋭いご意見ありがとうございます!私も時に遺伝子様って神の力を得ているんじゃ?!って思うときがあり、今回の新型コロナも高齢者を間引くための、神の鉄槌だと考えてます。
    あと子殺しの話ですが、カモ撃ちさんと同意見です。本文中では過激になるために書けませんけど、私は人間の親も子供を殺す権利を持っていると考えてます。奇形の胎児を親が中絶する権利を持つように、酒鬼薔薇聖斗のように普通の両親から突然変異でモンスターが生まれた場合に、子育てを中絶する権利もあるんじゃないかと。
    まあ一般的にはカモ撃ちさんや私の意見は、強烈に少数派の過激意見に分類されてしまうかもしれませんけど、いざ自然界に目を向けてみると、自然のほうがもっともっと残酷だということを思い知らされます。
    2022年07月07日 19:55