サル捕獲中の麻酔銃暴発事故について

なんか今年に入ってから、銃による事件・事故がニュースに取り上げられることが増えてきたような気がします・・・本当に迷惑な風潮です。

詳細な事件はこちらから。
この事件を聞いた時に、正直意味がわからなかったんですよね。

まずは、
なぜ一般市民の近くで麻酔銃を準備していたのか?
なぜ銃身にテーピングしていたのか?

先に2つ目の疑問からいきます。上記の記事内に書かれているのは、
「事故当時、銃の空気漏れを防ぐために銃身にテーピングをしている際にトリガーに触れて暴発したということで、市が事故の原因を詳しく調べています。」
銃の空気漏れを防ぐためのテーピング?!
まあ麻酔銃にはそんな作業が必要だと無理やり理解したうえで、
テーピング作業の前に装填してたの?!
って、やっぱりさっぱりわかりません。

私は例え獲れなくても長いことこの狩猟という趣味と付き合いたい思いが強いので、絶対にイージーな事故だけは避けたいんですよね。
そういう意味で、私は獲物を見つけたうえですべてセッティングを終えてからでしか、弾丸を装填しません。
つまり、私の狩猟中になにか銃身に作業が必要となり、その作業中にたまたま引き金に当たってしまっても、何も起きないのです。
なんというか、やっぱりさっぱりわかりません。

次に1つ目の疑問、これを調べるとこんな環境省から出されているパンフレットに行きつきました。
saruhokaku.jpg
なるほどねえ・・・2016年にはサルを市街地で麻酔銃による捕獲を推奨しようとしていたんですねえ。
つまり一般人の近くで麻酔銃を取り扱うことが増えてきたというわけです。
だとしても、事故につながった言い訳にはなりません。逆ですね、一般人の近くで銃を取り扱うことが増えたのなら、もっと独自で安全対策をしなければならないということです。


さて話を基本に戻して改めて「麻酔銃」について説明します。
まず、麻酔銃と言えど「銃」です。
つまり「銃所持許可証」が必要です。
次に、麻酔に使われる主成分は「ケタミン」という「麻薬」です。
つまり「医師・獣医師免許」が必要です。現実的には獣医師でしょうね。

もうお判りですね、麻酔銃を扱うためには、
銃を持った獣医師でないと無理なんです!!
とにかくめちゃくちゃにハードル高いんです!!

で、もう1つ言わせてもらうと、上記環境省パンフレットのP14にも書かれているのですが、
「麻薬の回収は必須」
ってことです。実はこれがかなりハードルを上げます。
そのために麻薬の入った投薬器は必ず回収しなければなりません。
つまり罠にかかったクマやイノシシ相手なら、確実に投薬器は回収できますので、麻酔銃を持つ人間からすると気持ち的に楽な状況でしょう。

しかし市街地でフリーのサル狙いで麻酔銃を撃つのは、住民にとってメリットでも、撃つほうにとってなんのメリットもないんです。
例えば、サルに当たっても当たり所が悪く、あるいは麻酔薬の量が少し足りなく、投薬器をぶら下げたまま逃走された場合、
どこまでもどこまでも回収の義務が生じます!!
この義務は撃った本人のみにかかる義務です。麻薬を管理できる人間だけにかかる義務です。
つまりですね、私から見て麻酔銃を持つメリット・使用するメリットって、まったくないんですよ。
特に、市街地のサル駆除の麻酔銃の使用って、デメリットしかないんです。
本当にね、駆除目的で現場の最先端に立つ麻酔銃の方には頭が下がります。

これは私見ですが、今回の事件で事故を起こした人間を責めることは簡単です。しかし麻酔銃を持つ人間全体をたたくような風潮に持っていくことだけは避けてほしいと思ってます。



最後に言わせてもらうと、ニホンザルは狩猟鳥獣にするべきですね。いわゆるカワウと同じ位置づけにするべきです。
そして麻酔銃の使う麻酔薬の開発を進めるべきです。ケタミンさえ使わなければ、私でも麻酔銃を扱うことができますので。
もっと言うと、食べて人体に害のない麻酔薬ができれば、罠猟の止め刺しをもっと安全に行うこともできます。
そんな麻酔薬があるなら、吹き矢で罠猟の役に立つことも出てくるでしょう。

例えば全身麻酔薬のラボナールとかが麻酔銃の主成分として有効であるなら、3年に1度の講習を義務化してもいいから一般人が扱えるようになると、猟友会の世界が劇的に変化すると考えているのは私だけでしょうか?







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