キジ胸肉の調理方法を色々と考えてたところ、
「塩と冷蔵庫でできちゃう熟成」ってタイトルの記事を見つけました。
で、ここで料理指南しているのが魚柄仁之助さんでした。
最近、とんとご無沙汰してましたが、昔はよく魚柄さんの本を読んでいました。
この2冊は今でも持っています。
さてさて、先ほどの記事で言われているのが、
「冷蔵庫っていう名前にとらわれてちゃあ、いけません。冷蔵庫とは、一定の低温が保たれ、ゆっくりと風が回っている箱なんです。これ、『干す』のにぴったりの環境ですぞ。ちゃんと冷蔵庫を清潔にして、整理していれば、ね」
いやあ!!久しぶりに魚柄さんの言葉にビビビ!!と打たれました!!
そうかあ!これほど低温乾燥の環境が整われている家電製品は無いんだ!!
キジ肉の熟成方法をネットで探してみても、どれもこれも羽根付きのまま、外にぶら下げて2週間ほど熟成ってあるんですけど、雪国福井県でも、積雪のあった次の日に10度超える日があったりもするので、外気温に任せたまま2週間って、さすがに危ないです。
だから、ずっとずっと精肉された状態での熟成方法を探していまして、今回そんな感じの記事にたどり着いたというわけです。
これはやってみるしかありません!!
さて実験です。
網も肉もすべてにアルコール消毒を噴霧にて行いました。で、多少表面をキッチンペーパーで拭き取り、その後両面に塩気の強いプロブレンドスパイスを塩代わりにまぶしました。
で、冷蔵庫のチルド室に入れて保存・熟成しました。
熟成は丸3日やりまして、こんな感じになりました。
実は胸肉だけでなく、もも肉も同じ方法で熟成しました。
前回の記事で、キジ胸肉・キジ皮・ささみ・心臓と砂肝は、餡で食べる方法を思いつきました。
しかし、手羽元ともも肉って、結局は焼くしかなくて、これといった料理方法が思いついていません。
そこで胸肉同様にもも肉も熟成実験してみました。
上記写真左の2つがもも肉で、右が胸肉です。
さてさて、見た目良い感じで乾燥かかってて、触った感じもかなり締まった感じがします。
で、この状態では普通にフライパンで焼くのは無理と判断して、タジン鍋とガスバーナーで、表面にたっぷりごま油を塗って、炙っては保温加熱して調理していきます。
肉の厚みを考えて、炙って休むの2クール後に、胸肉を追加することにしました。
今回は完全に中まで火を通します。
はい!熟成キジ肉の炙りです。
左がもも肉で、右が胸肉です。
見た目も食べた感じも、燻製一歩手前って感じで、噛み応えはあるけど、噛んでいるうちにキジ肉の旨味を感じます。
そうですね、完全に火を通したキジ肉料理の中では、美味しい料理となりました。
なるほどなあ・・・キジ肉に限らず、冷蔵庫の熟成ってありだなあ。
例えば、キジ出汁で作ったキジの炊き込みご飯に、この炙り肉を混ぜ込むのはありですね。
例えば、キジ出汁で作ったキジラーメンの上にトッピングするのもありですね。
例えば、以前作ったキジ出汁のポトフの中に、塊ごとぶっこむのもありですね。
水分が抜けているからこそ、出汁のきいた水分多めの料理と合わせると、もっと美味しくなりそうな気がします。
あるいはアヒージョのように、水分代わりに油を吸わせても、相性は良さそうです。
何ていいますか、キジ肉は悩ましいです。特にキジ胸肉は。
でも、キジ胸肉を美味しく食べる方法を見つけたら、鶏むね肉って抜群に安い素材を美味しく食べるレシピにもつながると確信しています。
キジ肉は悩ましいからこそ面白いジビエだと、最近ようやくそう思えるようになってきました。
この記事へのコメント
S410のW
morimori
なるほどなあ、濃いめの味で甘辛くグズグズにキジもも肉煮込むと、混ぜご飯の具としては美味しくなるかもなあ・・・。
元々キジは出汁が旨いので、以前記事にしましたが、炊き込みご飯は間違いなく旨いです。
ただ私のやっている実験料理は「キジ胸肉」です。キジ胸肉を、誰が食べても美味しいレベルまで落とし込むことができるように頑張ってます。冷凍庫にはまだキジがあるので、実験料理は続きます。もう構想は練ってますので、ご期待を。