2023年2月4日におきた、高校生のスクールバスへの空気銃誤射事件の考察です。
いつもいつも、こういう事件起きると「なんでこんな事件が起きたんだろう?」って考えちゃうんですよね。
まずは下記の記事から。
記事内に、ニュース動画ありまして、その現場となったと思われる環境が初っ端に流れます。
良い感じの空気銃ならではの猟場です。
でも事故が起きた理由が理解できません。
画面奥の小山に向かって撃つのが普通だと思うのですが・・・今回の事故は小山を背にして撃ったってことでしょうか?
あと現場近くに死んだキジがいたとのこと。
このニュース内容を信じるなら、例え矢先方向に公道があったとしても、弾はキジを捉えてます。
まあ公道を越える射撃は違反行為ですが、矢先の直線方向で田んぼの縁等、バックストップがあるなら一応OKです。
それからこんな記事もありました。
この記事内容も信じることとすると、射撃場所からバスは100mほどの距離にいたとのこと。
弾丸はガラス窓を貫通してドア付近に落ちていたとのこと。
うーーーーん、もし直接バスを撃ってしまっていたら、PCP式の100mなら、もっとエネルギーがあるんじゃないかなあ・・・。
さてさて、話をもっともっと前に巻き戻します。
私のブログを狩猟素人の方が見られることは、ほぼほぼないと思っていますが、一応銃の種類について説明しておきます。
一般的に銃というとライフル銃をイメージされる方が多いでしょう。
映画ランボー等、連射できるマシンガンなら、一般人でも容易にイメージできるでしょう。
それを精密に1発ずつ撃てるのがライフル銃です。基本的に大物猟、クマやシカやイノシシに使います。
次に散弾銃です。散弾銃とライフル銃をごちゃごちゃにしている一般人が多いんです。まあ私も狩猟の道に入るまではごっちゃでしたので、仕方ありませんけど。
散弾銃とは名前の通り、小さな弾を散らせて撃つ銃のことです。クレー射撃が散弾銃の競技です。あの飛んでいる皿をライフル銃みたいに1発弾丸で撃ち落としているわけではありません。皿の方向にビーズ状の鉛弾を火薬の力でまき散らせていて、そのうちの1発でも当たれば皿が割れるというわけです。
最後に空気銃、いわゆるエアライフルです。エアライフルは高圧圧縮空気をエネルギーとして鉛弾丸を飛ばします。獲物が動いている射撃を苦手として、スコープを使って長距離からゆっくり時間をかけて狙い、ヘッドショット等ピンポイントでの精密射撃を得意とする道具です。散弾銃と違って火薬を使わないので発射音は静かなので、散弾銃と違い民家が近くても狩猟可能な(発射音のクレームが少ない)銃です。
閑話休題、今回の事故は空気銃での事故です。
ここから先は私の推測です、悪しからず。
飛んでいる獲物を撃つ散弾銃の猟師と違って、エアライフル猟師ってスコープの中の世界で動きの少ない獲物を狙うので、例え100m先の獲物でもピンポイントで狙います。
つまりエアライフル猟師って、矢先の確認ミスってのが、まずないんですよね。
逆に言うと撃つときは獲物しか見えていません。
そのために、周囲の矢先確認は、スコープを覗く前に行います。
私が想像するに、今回の事故は矢先方向には公道はあるけど、キジを狙う角度的に公道を横切る射撃にはならないと考えての発砲だったのではないか?
そして、キジを仕留めた弾が骨に当たって跳弾したんじゃないか?!って推測します。
もし私の推測が100%当たっていたとして、話を進めます。
そうなると、今回の事故はいろんな意味で強烈に不運でした。理由を箇条書きでまとめます。
・キジに当たってなかったら事故は無かった。
・跳弾が無かったら事故は無かった。
・ガラス窓を貫通してなかったら・・・。
・弾が車内に残ってなかったら・・・。
・弾がバスのボディーに当たってたら・・・。
今回の事故は全国ニュースになりました。
これだけ大きな話題になると、今後は銃を持てなくなるでしょうね。
しかしですね、これだけ大きなニュースにならなかった確率の方が、先ほど私が述べたように、もっともっと高かったはずです。
つまり今回の事故は、強烈に不運な事故と言えるでしょう。
しかし最後に個人的見解を述べさせてもらうと、
てめえ!ふざけるな!
実は近年、空気銃所持者には追い風モードだったんです。
けろあきさんが短く伝えてます。
この件を簡単に言うと、
公安当局が、殺傷能力の強い散弾銃よりも近年威力が強くなって有害駆除にも使える空気銃に対して、規制を緩めようって案件でした。
そうなんです、空気銃所持者にとって、多少追い風モードになり始めてきたんです。
まあ昨年起きた猟銃立てこもり事件、銃所持者に激震が走った事件でした。
もちろん空気銃所持者も無事では済みませんでしたけど、それでもこの事件は散弾銃の事件でした。
しかし、その半年後に空気銃によるこの事故です。
真相は謎ですが、空気銃で重傷を負った事故です。
この事故の後、全国の空気銃所持者は例外なく、事故に関しては敏感になっていたはずです。
その半年後のスクールバス事故です!!
本当に本気でふざけるな!
銃による事故って、本人家族被害者だけでなく、日本全国の銃所持者すべてに影響を与えます。
空気銃は本当に追い風モードだったんだけどなあ・・・。
最後に私の身近にいる諸先輩方の言葉を伝えます。
「今年獲れなくても、事故さえ起こさなければ来年も狩猟はできる。獲れた数ではなく、無事故無違反で猟期を終えることが大切。」
皆、言葉は違えども、内容的には同じことを私にアドバイスしてもらいました。
私は良き先輩方に育てられたと思ってます。
まあとりあえず、この事件のおかげで、空気銃の追い風モードだったのが、どう変化するか・・・。
こればかりは、今後の公安当局の判断に委ねることになりますけどね。
この記事へのコメント
けろあき
普段から発砲に迷う場面も、撃ってから「あーココ良くなかったな」
と気づく場面もありますね。前もって判っていれば地図で、現場ではGoogleマップの航空写真で背後状況の確認したりしますが跳弾は予測しにくいですね。
規制がこれ以上厳しくならないよう、危険予知の感度を上げていきたいところです。
猟は明日が最終日。ご安全に。
morimori
本文中では偉そうに書きましたが、私がメインとしている猟場は、暴発した矢先次第では大事故につながりかねない場所でもあるので、跳弾の可能性も含めて、矢先は常に確認してます。
とにかく規制がこれ以上厳しくならないようにってのが、全エアライフル所持者の心構えだと思います。