ネットからカラスの刺身知る春夜

いやあ!黒猫さんがアップされた記事読んで、ぶっ飛びましたね!!
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茨城県にある「カラスを食べる会」を取材した記事から、ネットに飛び火して大炎上したとのこと。
最初は黒猫さんの記事のコメント欄に、私の意見を書き込んでいたのですが、思っていたよりも大長文になったので、改めて自分のブログで思い存分書きなぐることにしました。

まあカラスを食べる会が、普通に焼き鳥にして食べていたのなら問題なかったと思うのですが、
どうやら刺身でも食べていたとのこと。この行為が炎上したらしい。
ただし、その行為に対して会の代表はこう答えてます。
「生食に食中毒のリスクがあるのは当たり前の話でしょう。ユッケだって全部同じ話。私たちは商売として参加を呼びかけているわけではありません・・・。」
この答弁に関してだけは、私は代表の肩を強く持ちたいと考えます。

このブログを読んでいる方々なら、私が多少の危険性を伴いながらも、ジビエ肉を生っぽく食していることをご存じでしょうから。
つまり、自己責任って名目のもとで食べることに対して、私は世間からの批判に対して聞く耳を持ちません。
ただこの発言についてはもう少し付け加えが必要です。
もし自己責任で食べ、もし体調を崩した場合、
「病院には行かずに自力で直す、あるいは医療費は保険証を使わず全額自費で払う。」
という覚悟も必要です。
なぜなら、危険な行為を自己責任でやっておきながら、医療費の7割を税金で賄ってもらおうなんて、それこそ虫が良すぎますからね。
そこまでの覚悟を決めたうえでのジビエ肉生食ならば、自己責任の名のもとにOKだと思うんです。例えその行為をネットに上げたとしても、きちんと責任部分が説明されていれば、私はOKだと考えます。そこから先は真似した人間の自己責任ですから。
ただなあ!カラスを生食かあ!!
そこなんです、カラスを刺身で食べるんです。


さてさて、黒猫さんはその危険性について2点あげられていまして、
1 病原性微生物、寄生虫
2 化学物質、重金属類
なるほどなあ・・・重金属類の視点は私にはありませんでした。ただこの視点でまともに話すと、焼き鳥にしてもNGになりますね。
まあ重金属問題を食材に落とし込むと、マグロやカジキのような大型魚類にも当てはまってくるので・・・私は見て見ぬふりをすることにします。
で、私は細菌・ウイルス系、そして心理的な話の方に重点を置いて、記事を進めていきます。


さてカラスは雑食です、でスカベンジャーです。
いわゆる死体処理屋なんです。
つまりカラスの消化器官の中には、恐ろしいほどの雑菌だらけだと思ってもらっていいでしょう。
同じくカラスの羽根も雑菌だらけです。
まずはカラスの基本的雑菌状況です。
で、全国的な猟友会で一般的に銃によるカラスの駆除というと、散弾銃での駆除が多いです。
散弾銃って、ビーズ大状の弾をまき散らす銃なので、複数の場所に当たることも多いです。
つまり、散弾銃で撃った場合、内臓を破壊することもあるということです。
うわああああ!やっぱりなんか嫌です!!

例え自由参加だったとはいえ「カラスを食べる会」に参加していた人間は、そういうジビエ肉に対する問題の1つ1つを理解して考慮したうえで参加しているとは思えないんですよね。
この会が発足させて30年も続いているという歴史が、主催者に対する信頼を得ていたのでは?!と考えるのです。
つまり参加者は自己責任ではなく、主催者を信じ切っての他者責任だったのではないのか?!ってのが、私のこの会と参加者に対する気持ち悪さの根幹です。


さてさて、もし私がカラスを食べるとします。
で、そのもろもろの条件を想定すると、まずエアライフルでヘッドショットの一択ですね。
次に解体方法ですが、まずカモと違って腸抜きしません、というかすべての内臓はそのままの状態で廃棄です。
毛毟りは、カラスの皮は食べれないほど硬いと聞きますので、毛毟りせずに皮ごとめくったほうが良いでしょう。
そのまま外流しで、胸肉ともも肉だけをさばいて、後は廃棄です。
そうです、ここまで家の外での作業です。
廃棄する部分はギッチリゴミ袋に入れて、さばいた胸肉ともも肉を外流しで十分に水洗いしたのち、ようやくアウトドアからインドア、いわゆる自宅のキッチンに移動できます。
ってのが、私がカラスを食べると考えた時の処理方法です。

さてさて、もう一度問題点を整理して、皆さんに問いたいです。
スカベンジャーのカラスをエアライフルでヘッドショットで獲りました。
それを上記の私が考えるカラスの解体方法で処理したとします。
その胸肉をスライスして刺身として提供されました。
さてあなたなら食べますか?!食べませんか?!

・・・やっぱり自己判断として、私はこのカラスの刺身は・・・嫌ですね

私なりにカラスをより安全に刺身で食べるルールを作ったので、確かにこのカラスの状態なら、食中毒の面からも、衛生的な面からも、安全性は高いと言えるでしょう。
ただ・・・やっぱり、最後の最後に心理的面なんですよね、どんなに安全性が高いとわかっていながらも、心理的に拒否するものを食べる行為が、ジビエ肉を美味しく食べる行為に繋がらないと思うんです。

私の感覚的に、カラスはてっちゃんに近いです。
てっちゃんとはホルモンで「牛の大腸」です。つまりうんこだらけの部位です。
さて、新鮮な大腸を流水で洗い、小麦粉を揉み込んで洗い、それを繰り返して匂いが無くなるまで洗いました。
食中毒の面からも、衛生的な面からも、100%安全であると仮定しましょう。
てっちゃんの刺身が目の前にあります。
さてあなたなら食べますか?!食べませんか?!
うーーーん、やっぱりさすがに刺身はチョットなあ・・・。

もちろんカラスの刺身を自己責任で食べる人を否定はしませんよ。
ただ私は心理的に嫌なので食べないだけです。


元々私は食が好きで、ジビエ肉に興味があって、この狩猟の道に入り込みました。
で、その視点から言うと、フランス料理でも日本料理でもカラス料理が名物料理として存在しない時点で「美味しいジビエではない」ことが、歴史的にも文化的にも証明されているといって過言ではないです。
そのために駆除対象のカラスやニホンザルが、今後SDG’s的に食材として推奨されても、食文化的に受け入れられることはありえないと思ってます。
同じくコオロギを食材とすることも無理でしょうね。それはもっともっと貧しい国の貧しい食生活を支援するための道でしかないです。

私は駆除対象の動物を食材として生かすために政治がきちんと支援するなら、シカだと考えます。
一般的に猟師の間ではイノシシのほうがジビエ肉として重宝されていますが、フランス料理における食材としてはシカのほうが有能な食材で、メイン料理の皿としても提供されるほどのジビエです。

さて現在、有害駆除で処分されるシカもイノシシも埋設か焼却処分です。
で、例えば埋設するならば、獲った時の写真と、埋設時の写真が必要です。それがないと報奨金が得られません。
まあこれは私の所属する猟友会特有の話かもしれませんけど。
細かな報奨金の話はどうでも良くて、問題はそのシステムにあります。
その報奨金よりも高い金額でジビエ肉を買い取り、レストランには一般食肉レベルにまで安く設定する、こうゆう流通を国が整えさえすれば、世の中の料理人はこぞってジビエ料理を提供するようになると思われるんですけどね。


以上、カラスの刺身記事から刺激を受けたことを、つらつらと書きなぐってみました。



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この記事へのコメント

  • 黒猫

    いやぁ、まさかの記事、ありがとうございます。そう考えますと、私の記事にも盲点がありましたね。

    確かに重金属や化学物質的な部分は、魚の方が影響というか食物連鎖による濃縮が大きいですね。

    そしてスカベンジャーである点、羽毛も虫だらけである点。おそらく細かいダニとかいっぱいいて、シカやイノシシの様にウィルスや細菌を媒介している可能性もありますね。

    事故責任にしては、リスクが大きすぎます。。。
    2023年03月27日 15:57
  • morimori

    いやいやいや、面白そうな情報をいち早く察知して記事にする行動力はさすがです。私はただの二番煎じです。
    ただ改めて「カラスの刺身」って言葉は、強烈な破壊力ありますね。この会が続くのであれば、次は「カワウの刺身」にも是非挑戦していただきたいものです。
    2023年03月27日 19:58