昨今、猟銃を用いた事件が続いています。
そのたびに、私を含めた全国の銃所持許可者が戦々恐々となって見守ります。
簡単に言うと、また規制がる強まるのではないかと。
事件のたびにマスコミは、銃の許可を認めるのが甘いのではないか?って言いますけど、
「じゃあ!実際にテメエが受けて見ろよ!!」
って言いたい!
事件があるたび叩かれるのは警察なので、私個人の意見とすると、銃の所持許可に関して警察は本当に慎重ですよって、本気で警察の肩を持ちたい!!
さてさて、じゃあ猟銃を用いた殺人事件が過去どれくらいあったのかが、個人的にも知りたくなりまして調べたのですが、「銃犯罪」いわゆる拳銃を用いた暴力団の抗争事件とかも含めた記事ばかりで、猟銃のみに絞るのに苦労しました。
ただ、コメント欄から情報頂きまして、思っていた数以上の事件がありまして、全ての事件をまとめるわけにはいかないと判断したので、主だったもののみ書き連ねてみました。
1938年5月21日
津山事件
岡山県で起きた大量殺人事件。30人が死亡3人が重軽傷を負い、犯行後に犯人が自殺。
動機は心から恋した女性への想いから。
子供の時から懇意にしていた女性がいたが、他の土地に嫁いでしまったことで、犯人はその女性への恨みを強める。犯行前日に女性は村に里帰りしていて、その夜中に前代未聞の犯行が行われた。当時の集落の人口が111人とのことなので、一晩で村人の3分の1が命を失ったことになる。
犯人は犯行前に村に通じる送電線を切断し、村全体を暗闇に誘い込んだ。そして二つの懐中電灯を取り付けた鉢巻を頭に巻き、首からは自転車用ライトを紐で吊り下げ、銃弾約100発を入れたリュックに入れ、日本刀一つとあいくち二つは左腰に差し、自ら改造した9連発の猟銃を背負い、斧を両手で持った。
そして大量殺戮が行われた。
ちなみに戦争行為を除く犯罪としては、津山事件は戦後も長いこと最大の犠牲者数の事件であった。
しかし猟銃関係なく単純に死者数だけで言うと、2019年7月に起きた「京都アニメーション放火殺人事件」が記録を更新してしまった。
京アニ事件は死者36名・重軽傷者33名の犠牲者・被害者を出した。
最後に津山事件は、横溝正史の金田一耕助の映画シリーズの「八つ墓村」のモチーフになったことでも有名な事件。
1953年12月12日
青森県新和村一家7人殺害事件
青森県で起きた、実家を狙った事件
動機は、親族に対する不満によるもの。
犯人はリンゴ園農家の三男で、実家を追われ貧しい生活を余儀なくされていた犯人が、物置小屋に盗みに入ったことがきっかけとなる。
その物置小屋に猟銃が置いてあったのを見た犯人が「父親たちに殺される!!」と錯乱状態となり、その隣にあった住居に銃を持って侵入し、犯行に及ぶ。
その父親像であるが、村の顔役でリンゴ園の財産は1億円を超えるほどのもの。しかしケチで酒乱で妾を抱えて家庭を顧みないこともあり、家庭内では苦労が絶えなかったという。
戦後初期くらいの村の顔役というのは、現在では想像もできないほどの権力者であったことを考慮しないと、この事件の真相は見えてこない。
それほど三男の父親は、圧倒的権力者であったことがわかる。
なお犯人は、殺人行為におよんだ時点において、心神喪失状態だったことが認定され、殺人に関しては無罪となった。
1980年1月31日
熊野一族7人殺害事件
三重県の集落で起きた、親族を狙った事件。犯行後に犯人は自殺。
動機は謎に包まれているが、精神分裂病であった可能性が高く、妄想的で衝動的な犯行に思える。
犯人の息子が腎臓病になり、犯人自身の職業病ともいえる振動障害に悩まされる生活を送って、ノイローゼと呼ばれる状態が続いていたという。
犯行2日前の夜中に、親族の家を訪れ様子はおかしく、ひどく落ち込んでいるように見えたとのこと。
犯行当日の昼に、仕事場で体調不良で仕事を早退、その後親族は振動障害を日頃診ている医師に相談し、医師は往診する。その時に犯人は、「ワシは病気ではない!帰れ!!」と激高、その時主治医は「分裂病に見えるので、万が一に備えて猟銃は隠しておいた方が良い。」とアドバイスする。その言葉を受け、犯人の妻はガンロッカーの鍵を隠す。
その後、犯人の体調を心配した近くに住む親族が、犯人の家に集まる形となるところで、犯行が始まった。
まず犯人は斧を持って襲撃、その斧を取り上げられても、その前にその斧でガンロッカーを壊していたのか猟銃を持ちだして、次々と惨殺に及ぶ。
結局、7人が死亡・3人が重軽傷、その後犯人は自殺した。
2002年7月4日
宇都宮・猟銃殺傷事件
栃木県で起きた、隣人トラブルによる事件。犯行後に犯人は自殺。
動機も隣人トラブル。
1978年、昭和53年、まずはこの時の時代背景を読み取らないと、この事件の真相は浮かんでこない。
いわゆる日本の高度成長期が終わった直後くらいの時代に、同じ会社に勤務していて、会社の斡旋で住宅を建て、それがお隣同士となったという、2つの家庭があった。最初は経済状況も家のサイズも家族環境も同じような環境のため、親しく近所づきあいをしていたが、徐々に遠慮が無くなり、それをきっかけに絶縁状態となり、それをきっかけに隣人プライド戦争へと発展していく。
まあ簡単に言うと、一方の家が庭を全面芝生に張り替えたら、もう一方の家も芝生に張り替えるとか、一方の家が新車を購入したら、もう一方の家も新車を買うとか。
この隣人戦争に終止符を打ったのが、犯人の妻が脳梗塞となり、一級身体障碍者として車いす生活を余儀なくされてしまった。
その後犯人は退職し、一日中家にいて妻の介護を行うこととなる。そこで新たなトラブルが生まれる。
隣人の嫁が毎日入念な布団たたきを行い、それが騒音トラブルとなり、隣人トラブルは後へ引けない状況となっていく。
犯行当日、いつものように布団たたきを行っている隣人の嫁に向かって散弾銃を発砲、その後散弾でガラス戸を破って住宅に侵入、絶命前の隣人の嫁に5発を発射。
その後騒ぎを聞きつけた義妹にも発射、その後重い後遺症を負いながらも命だけは取り留めた。
2007年12月14日
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件
長崎県にあるスポーツクラブ会員の男が、クラブの施設内で散弾銃を11発発砲し男女計2人を殺害6人に重軽傷を負わせた事件。犯行後犯人は自殺。
動機は一方的な疑似恋愛。
犯人は事件のあったスポーツクラブの女性インストラクターに好意を持ち、犯行前にその気持ちを伝えていたが、断られていたとのこと。
そして犯行当日、スポーツクラブのプールには、女性インストラクターの彼氏もその他にも客がいたけど、彼氏を押しのけ他の客に目もくれず、プールで小中学生を指導していたインストラクターが子供たちを非難させようとしていたところを、至近距離で射殺。
その後、ロビー近くで犯行を阻止しようとした男性も至近距離から数発撃って射殺。
犯人は知り合い10名ほどに当日の犯行現場に来るように連絡を打つ。多分一世一代の見せ場を知り合いに見せたかった感情からか?!
まあ事件の詳細は良いとして、この事件後、銃規制状況が大きく変わることとなる。
まず、犯人が経済的に破綻していたにもかかわらず合法的に銃を所持していたこと、そして日頃の犯人の奇行から再三近隣住民が警察に銃所持許可の取り消しを求めていたにも関わらず、特に対策が採られてなかったこと。
そして事件後の翌年銃刀法が改正。
2010年1月12日
羽曳野発砲事件
大阪府で起きた、離婚調停中に起きた事件。3人を射殺、その後犯人は自殺。
当時犯人は、妻に暴力を振るうなどして離婚調停中で、親権問題を争っていた。
で、犯人が居酒屋で離婚調停の件で義母と話し合っていた時に激高し、店を出て家に戻り、ライフル銃を持ち込み、義母と居酒屋オーナーとアルバイト店員を射殺、その直後に自殺。
佐世保事件によって銃刀法の改正があり、DVの銃所持を認めないこととなったが、当時の妻らの証言から問題ないとなったとのことの後に、起きた事件。
2022年1月27日
ふじみ野市散弾銃男立てこもり事件
埼玉県ふじみ野市にて、犯人の母親が死亡したことで、母親が利用していた出張介護クリニックの医療関係者6名を呼び出し、医療関係者7名を散弾銃や催眠スプレーで攻撃し、そのうちの1人である医師を人質に取り自宅に立てこもった。胸を銃撃された医師は死亡。
犯人は日頃からカスハラ、いわゆるカスタマーズハラスメントを行ってきた性質。
もし警察がその事実を知っていたなら、銃所持許可にも影響があったと思われる。
この事件についての考察は、別記事にまとめているので、興味ある方はご一読を。
2022年7月8日
安倍晋三銃撃事件
奈良県にて元自由民主党総裁の安倍晋三が選挙の応援演説中に銃撃され死亡。
正確には自作改造銃による銃撃だったが、一部マスコミは散弾銃で3発撃ったと報道。その後何の訂正も無いまま今日に至る。
2023年5月25日
長野猟銃立てこもり事件
迷彩服姿の犯人が女性2人をナイフで襲い、その後現場に駆け付けた警察官2人をパトカーのガラス越しに銃撃、その後自宅に立てこもる。
犯人は翌明け方投降、死者は4人。
平成以降で猟銃事件において最大の死者数となる。
そしてこの事件において、被害者は加害者とは身内でも知り合いでもないことが、一種異様な事件である。
現時点で、警察から詳細な情報が流れてこないため、事件の詳細は不明。
この記事へのコメント
通りすがり
2000年2月24日 愛知県安城市 46歳女性が散弾銃で不倫相手の妻を殺害、犯行後自殺
2001年11月4日 群馬県安中市 73歳男性が散弾銃で息子を殺害
2002年3月8日 群馬県館林市 62歳男性が散弾銃で兄を殺害
2003年7月11日 高知県高知市 67歳男性が散弾銃で仕事上の知人を殺害
2003年9月20日 京都府京都市 63歳男性が散弾銃で自宅向かいの住人を殺害、犯行後自殺
2005年2月24日 愛媛県今治市 72歳男性が弟夫妻を銃撃し1人殺害1人負傷させる、犯行後自殺
2007年5月31日 鹿児島県鹿児島市 53歳男性が散弾銃で弟を殺害
2007年12月9日 高知県津野町 55歳男性が散弾銃で隣人を銃撃し1人殺害1人負傷させる
2011年4月30日 鹿児島県鹿児島市 65歳男性がライフル銃で不倫相手を殺害
2014年1月30日 神奈川県横浜市 23歳男性が散弾銃で父親を殺害
あと宇都宮猟銃殺傷事件で、「隣人トラブル殺人事件で散弾銃使用例が無い」というのは誤りで、1986年 徳島県で散弾銃で4人殺傷(うち2人隣人)と1993年神奈川県で隣人トラブルから散弾銃で1人殺害(もう1人を殴って負傷させる)があります。
morimori
いやあ!調べ方が甘かったです!!思っていた数以上の事件があったみたいです。
さすがにこれだけ多いと、全ての事件を取り上げまとめることが難しいので、記事自体を主だったもののまとめとして変更させていただきます。
情報ありがとうございました。