梅雨入りやジビエ料理で過ぎる余暇

丸一日、ジビエと格闘していた日がありましたので、その報告です。

今期獲った鴨、もらった雉と鹿をさばいた時に出たガラをまとめて冷凍保存してました。
あとシカ肉を赤身肉にするために、掃除したすじ等もガラとまとめて冷凍していました。
そんなガラが、LLサイズのジップロックに2袋もありました。
まず朝から、フォン作り、いわゆるガラスープ作りです。

長時間煮込むことが大前提なので、特に前日から解凍していません。大鍋に水張って、冷凍すじほりこんで、中火でゆっくりと解凍しながら煮こぼしました。
正直、あまりのガラの多さに、鍋2つ使いました。
1回目の煮こぼしは、解凍するためと、余分なアクを出すためです。
鴨ガラの内側の血合いの部分を、指でこすり洗いながら掃除したり、キジのすね肉を切り開いて、出汁を出しやすくしたり、シカの長い足の骨は、石で叩き割ったりして、全てのガラやすじを水洗いして、鍋も1度きれいに洗って、もう一度鍋に入れて、コントレックスを入れて火にかけます。
私のブログ中、ジビエ出汁を取るときの定番のコントレックスです。
これを使うと、驚くほどアクが少なくなります。

さて、コントレックスで沸騰させ、1回目のアクをとったら、後は長時間煮込むモードに入っていきます。
完全に写真撮るの忘れてましたが、私は今回ブーケガルニを作って、鍋に入れました。
ブーケガルニなんて、香草を包んでまとめただけのものです。
私は、自家菜園のタイムと、2年目で伸びきるだけ伸びきったパセリと、薬味ネギを、5㎝ほどに切って、粒胡椒も数粒入れて、キッチンペーパー2枚でくるみ、木綿糸でぐるぐる巻きにして縛りました。
それとは別に、ローリエと、ここで多少の日本酒を入れました。

あと私のジビエ出汁の火加減なのですが、沸騰したら中火の弱火です。
清湯スープいわゆる澄み切ったスープを目指しているわけでもなく、とんこつのようにすべてを乳化させるようなスープを目指しているわけでもないので、ゆっくりポコポコいっている状態をキープしていきます。
で、この状態だと、蒸発量も結構あって、一時間ほど放置すると、3~4cmほどスープが減っています。
で、多少水足して、強火にして、沸騰したら中火の弱火に落とす。
そうなんですよね、長時間煮込むモードと言っても、ちょこちょこやることがあるので、結局1日仕事になってしまうんです。


元々鍋2つ使って、フォン作りしてます。鍋は同じ大きさではなく、大鍋と中鍋。
昼前に、大鍋にはシカの足の骨のような大きなガラを残し、中鍋に大鍋のガラを移動できるだけ移動。
そして大鍋に、「シカ前足」と書かれた冷凍の塊を投入、5㎝ほど鍋から出てましたけど、溶けるまで放置。
鍋に入っていた部分が溶けて柔らかくなり始めたら、全ての前足が鍋に入りました。
時間差で突っ込んだ前足は、チャーシューにする予定。
前足が溶け切ると、大バラシでバラバラになっていたものが、冷凍されて塊1本になっていたことが判明。そのまま煮込みます。

さて2時間後、ここで一度ガラ等すべての具材を見直しました。
ザルにガラをすくって、ガラに付いているくず肉を手でぬぐい取って、くず肉とガラと仕訳けます。
あと、時間差で入れたシカ前足はすべて中鍋に入れ、大鍋にはガラのみを入れました。
ガラのみの大鍋の方は最初だけ、沸騰してから15分ほど強火で強めに沸騰させました。出てくるアクはこまめに取りました。
中鍋の方は浸るほどのフォンと、黒砂糖としょう油のみでちょい濃いめで味付け。あとは沸騰するまで強火、その後落し蓋して、弱火で放置。

夕方にはこんな感じになりました。
DSC08563.JPG
左上が6L大鍋のフォン、右上がシカチャーシュー、中央下がくず肉です。
写真アップのシカチャーシューがこんな感じ、
DSC08565.JPG
鍋の中身の右にまとめられているのが、落し蓋に使ったキッチンペーパーです。
切り分けたら、思っていたよりも量が多かったので、半分以上が冷凍庫戻りとなりました。
DSC08568.JPG

フォンもこの形で冷凍庫行き。
DSC08567.JPG
薄く平べったく冷凍しておくと、後日キッチンの角にぶつけて、割りながら適量使えるので便利です。
今回はこれが2袋できました。

最後にくず肉。
正直、チャーシューも冷凍するほど余っているので、くず肉は即冷凍庫行きとなりました。


さて夕飯ですが、フォンに、余ったチャーシュータレを、味見しながら少しづつ入れて、スープとしました。
DSC08569.JPG

最後のメインが、くず肉を切り刻んで、多めのキノコと炒めた具と、フォン100%で炊いた、炊き込みご飯です。
DSC08571.JPG
やっぱり良いですね!!炊き込みご飯は美味い!!
おかずはシカチャーシューの晩御飯となりました。


フォン作りと並行してのなんやかんやで、いつもガラから出汁を取るときは、こんな感じで1日作業となってしまいます。
ちなみに、冷凍肉を数日解凍してからの、塊肉をさばきながら掃除して、料理用に切り分けて、そして低温料理するとなると、いつも4時間以上はかかってしまいます。

そうなんですよね、獲った獲物を大バラシからの中バラシして、さばいて掃除して、その日のうちに料理する諸先輩方が多いので、本当に尊敬します。私にはその体力と集中力がありませんので、いつもいつもジップロックに入るサイズになるまでさばいたら、即冷凍!!
獲れたその日に料理するのは、砂肝とか心臓とかタンとかの内臓系とか、イノシシのあばら骨のように冷凍するには長すぎる部分とかだけです。

まあ簡単に言うと、狩猟を楽しむ時間と、料理を楽しむ時間をできるだけ分けたい感覚があって、疲労を引きずりながら、ジビエ料理を作りたくないというのが本音です。

以上、1日料理漬けの日を報告してみました。








この記事へのコメント

  • クマ五郎

    うわー!ジビエ料理いいですねー。
    シカもイノシシもクマもまだ食べたことがないですが
    美味しそうですね。
    しかもかなり贅沢な炊き込みご飯・・・。
    黄金の輝きをしてます♥
    猟師さんの特権ですねー
    2023年08月20日 16:21
  • morimori

    クマ五郎さん、コメントありがとうございます。
    多少、夢を壊してしまう発言かもしれませんが、普通の料理方法だと、野生肉より家畜肉のほうが抜群に旨いです。
    でもジビエ肉は、ギリギリの温度調節で、出来る限りレアに仕上げると、野性味と共に生命力あふれる美味しさに変化することも確かです。
    結局、家庭料理でジビエ肉を扱うのって、本当に難しいって話です。
    ただジビエに共通して骨からは良い出汁が出ますね。
    鶏ガラよりも、キジガラのほうが良い出汁となります。
    これも生命力って話につながるのかもしれません。
    2023年08月21日 20:15