本日「今日の当番」さんから、シカ肉をおすそ分けして頂きました。
その節はありがとうございました。
で、家に持ち帰ってから、中バラシを行って、久しぶりの鹿の骨とすじ肉見ながら考えました。
「これ、骨から出汁取りながら、すね肉やすじ肉を煮ていけば、夕食に間に合うんじゃね?!」
ってことで、久しぶりのジビエ料理となりました。
ただ突然思いついたもので、いつものコントレックスも無く、ローリエもネギも生姜もない、無し無しの状態で料理スタートとなりました。
まずは解体で出た骨を、鍋にいれて水と多めの日本酒入れて沸騰させて、後はアクをとりつつ放置。
で、次に前足のすね肉を一口大に切り分けた後、よく水洗いしたのちに、同じく水と多めの日本酒で沸騰させ、アクをとりつつ放置。
いつもなら、一度目の沸騰は煮こぼすという、水のリセットを行うのですが、今回は短時間でのフォン作りのため、出来る限り旨味を捨てたくない思いから、両鍋共、煮こぼすという作業をしていませんでした。
結果、まあそれはそれは恐ろしいほどにアクが両鍋共に出続けました。
煮もの作業というと、コトコトと放置ってイメージありますが、ここまでアクが激しいと、なかなか忙しい作業の連続となりました。
さて、当初はすね肉のみの煮込みで料理を考えていたのですが、フォン用の骨についている肉の量があまりにも多かったので、さすがにそのまま捨てるのがもったいなく感じてしまったので、骨回りのすじ肉も利用することにしました。
この時点で煮込み始めて2時間ほどです。
で、この2時間2つの鍋で行っていたのは何かというと、
1つはすね肉を柔らかくする作業。
もう1つは、骨から出汁、いわゆるフォンを取る作業。
つまりここまでは下処理工程でした。
次から調理過程に入ります。
まずは、すね肉を茹でていた鍋の湯を全て捨てます。
で、すね肉とすじ肉を合わせ、そこにフォンをひたひたになるまで投入、ここで味付け。
今回味付けはシンプルに、
しょう油・白砂糖・一味唐辛子のみにしました。味付けのコツは、煮汁を味見して多少薄め。
すじ肉煮込みの場合、すじ肉本体で味見すると、調理段階ではほとんど染み込んでいないので、調理中の味見で美味しく感じるまで調味料を入れがちなのですが、それだと煮汁が濃くなりすぎて、次の日本当に味が染み込んだときに、驚くほど味が濃くなってしまいます。
カレーもそうですが、煮込み料理って次の日のほうが美味しいっていわれますので、味付けのイメージ的には当日が多少薄くても、翌日がベストになる味付けをする感覚にすると、失敗が減ります。
まあこういうところが料理のコツです。
さて、この時点で実際にすじ肉を味見するとほとんど味がしませんけど、煮汁はちゃんと美味しいので、煮込み再開してアク取りながら放置。
で、フォンを取っていた鍋、いわゆる骨を煮ていた鍋なのですけど、最後の最後まで骨を利用してやろうと考えまして、すじ肉を取った骨をもう一度鍋に戻し、そこに水をひたひた迄入れて、ガッツリ加熱。その後まるでとんこつラーメンの出汁を取るように強火でボコボコに加熱を続けました。
半日料理ですから、多少乱暴にも少しでも残った旨味を骨から引き出す作戦に出ました。
さて、コンロ上では、味付け煮汁で煮ている中火加熱の鍋と、骨のみ強火の鍋の2つが並んでいます。
この状態で放置です。
で、肉を煮ている鍋の水量が減ったら、隣の骨鍋のフォンで水量を足しました。
さてさて、結果的に作り始めから3時間で、鹿すじ肉煮込みが完成です!
工程には入れてませんが、最後の段階で里芋を追加しました。
いやあ!いつもながらに私の料理は茶色い!!
ただですね、フォンをとるには時間が短すぎたり、臭み消しの野菜もなく、条件的にはあまり良くなかったのですけど、それでも3時間で作った割には、なかなか美味しくできました!!
記事を書き進めながら、今さら気が付いたのですが、これ一種の「肉じゃが」ですね。
で、里芋って、福井県の大野市で有名な野菜ですし、鹿なんて福井県では駆除しても駆除しても足りないほどいます。
つまり、この取り合わせの肉じゃがって、ジビエ料理でありながら、一種「福井県を象徴できる料理」の可能性を秘めていますね。
他県では想像できないほど、現在福井県の地方局のマスコミは、来年春の北陸新幹線開通の話題押しです。
それに関連した誘致商品のプレゼンも良く見ますけど、この肉じゃがって、駆除シカの利用と大野市の全国PRにもつながりますね。
まあいいです、最後新幹線開通を利用して、この記事の価値を上げようと欲張りすぎました。
単純に、久しぶりのジビエ料理が成功しましたって報告でした。
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