鹿肉とハーブで喰らう冬の宴

今期のシカ肉料理の話です。
何度も記事に書いてますけど、基本的にカモ肉もシカ肉も、状態が良いならベリーレアで、自己責任で食べてます。
そしてそれが、カモもシカも一番美味しい食べ方だと、やっぱりいまだに感じています。
ちなみに猟師が好む「イノシシ肉」は豚肉同様、E型肝炎ウイルスの感染率が高く、生食は絶対的にNGです。

さてシカの背ロースです。
まあいつものように筋とか筋膜とかきっちり掃除して、ほぼ赤身だけの状態にしたうえで、タジン鍋でガスバーナー調理しました。
はい!鹿ロースのたたきです!!左端に少しだけあるのはカモの砂肝です。
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あっはっは!!きっちり表面は炙ってますが、中はがっちりレアですね・・・レア過ぎたかな。
でも、鹿も鴨もレアが抜群に美味しいことは間違いないです。
もう一度言いますが、
自己責任です!!
例え塊肉の内側にウイルスが存在していなくても、調理過程を間違えれば、容易に食中毒の危険性があるということ。
それはジビエ肉に限らず、食肉の精肉に関しても同様です。
私が例えば牛肉のたたきを作るときでも、調理過程における衛生面については、細心の注意をはらいます。


さてさて今回、塩もせず素焼きしてカットしただけです。
味付けはタレでいいんです、後は好みです。
一応過去にレシピ公開してます。
まあタレなんて、その日の気分でなんでもいいんですよ。
この時も、ポン酢とわさびとしょう油と柚子胡椒としょう油とオリーブ油で、即席で作りました。

さてさて、今回の話は別件。
上記写真見てもらってわかると思うのですが、緑満載です。
タレは単純に味付け。
で、緑は見た目とか、写真映えとかではなく、タレ単独では補えない香草で、これが良い仕事してます。
厳密に言えば、タレに使ったわさびや柚子も香草に近い使い方なのですが、こればかりは使ってもらえばわかります、全く別物です。
別物だからこそ、使ってみると必須のハーブとなります。

さて、ハーブの2種類のうちの1種類は「パセリ」ってわかるでしょう。
じゃあもう1種類ってわかりますか?



正解は「ディル」です。
deiru.jpg
ディルって調べてもらうとわかるのですが、通常フレンチ料理の魚系に合わせるのが主流とか。
私はこの本で教えてもらいました。
で、実はパセリもディルも、家庭菜園で育てました。

パセリは2年草、ディルは1年草です。両方ともせり科です。
どちらも春先にホームセンターで苗が売られています。
ディルは今年初めて植えてみました。
で、どちらも雑草と変わらないくらい、放置して育ちます。

さて、パセリは皆さん想像できる味だと思います。
そして、積極的に食卓にあがらせるイメージは無いと思います。
ただ一度肉料理と同時にパセリも少量食べてみてください。その爽やかさに驚くと思います。
以来、パセリは家庭菜園の定番となりました。

で、ディルです。
ディルもパセリと同じせり科なので、瞬間的エグミは似てます。
でもどちらかというと、風味的にはピンク胡椒に近いです。
私の感覚で言うと、パセリよりディルのほうがクセが強いです。


このブログは、狩猟系の方々が多くみられていると思います。
で、狩猟系の方々は、非狩猟期に釣りをされている方も多いと思います。
生魚の臭み消しのハーブの代表がわさびであることは理解していただけると思います。
それと同じように、パセリやディルは肉料理、特にジビエ料理には代表的なハーブになると感じています。

今回の記事は、メイン料理はシカのたたきでしたが、今回本当にお伝えしたかったのは、ディルとパセリという2種類のハーブの効果です。
とにかく、雑草の如く取り扱っても丈夫に育ちますので、肉料理を多用する方々にはお勧めのハーブです。


P.S.今回は育てる系のハーブの紹介でしたが、余談として肉料理に特化したスパイスを紹介します。
それはスターアニス、いわゆる八角です。ものすごく強いスパイスです。
で、八角単独で使うよりもお勧めなのが「五香粉」です。
5つのスパイスの中に八角が入ってます。
かなり強烈なスパイスです。最初は薄く薄く使うことをお勧めします。
例えばいつもの唐揚げのレシピの中に、少々五香粉を入れて混ぜ込むと、台湾屋台の印象が湧く唐揚げに仕上がります。
料理系YouTuberリュウジさんも、五香粉を使ったレシピを紹介しているのを、後から知りました。

島国の日本人は魚料理は得意でも、肉料理は大陸系に負ける感じがします。
今回紹介したハーブやスパイスは、大陸系の歴史に基づいた先人の知恵の結晶です。
最近のスーパーは優秀で、パセリもディルも五香粉も取り扱いがあることが多いです。
肉料理がお好きな皆さん、まずはご近所スーパーに足を運んでお試しあれ。





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