「欧州料理 VIVI」と「ひかりの羅針盤」で楽しんできました

先日、名古屋市美術館に行ってきたのは、前回の記事通り。
で、ランチに美術館近くにある「欧州料理VIVI」さんに行きました。
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美術館近くということもあるのか、2Fにギャラリーがある、素敵なレストランでした。
HPから予約できるので、私のような県外客には非常にありがたいお店です。
店おすすめ料理は、キャンプ&バーベキューでおなじみバーミキュラを使った煮込み料理です。
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前菜プレートは繊細で美味しかったです!
バーミキュラは逆に豪快です。単純に鍋料理ですからね。
料理はもちろんですが、店の作りがアートで楽しませてもらいました。
VIVIさんは名古屋市美術館からも近いですが、名古屋市科学館からも近いです。
名古屋市科学館には世界最大のプラネタリウムもあり、現在「化石ハンター展」も開催されていて、大盛況です。
私のように県外から名古屋市美術館・科学館を見学される方は、HPから手軽に予約できるVIVIさんは本当にお勧めです。


さて、食後2Fギャラリーに訪れてみました。
2024年3月24日まで開催されているのが「ひかりの羅針盤」というタイトルの展覧会。
飾られていた作品は、キラキラ系を駆使した抽象画って感じでした。
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私ねえ・・・正直抽象画って苦手なんですよね。
激しいエネルギーとか、漆黒の闇とか、そういう感情の揺れ動きを表現したいなら、そういう対象物を見つけて絵を描いてもらえるなら、私みたいな素人でもとりあえず「美しい少女だなあ」とか「寒々しい夜だなあ」とかわかるんですね。
それを様々な色の絵の具を塗りたくっただけのキャンバスを完成品だと言われても、何をどう見てよいかの手がかりも無いのが苦手なんです。

私は長年アマチュアながら音楽活動をしてきたのでわかるのですが、本当に良いものはジャンルを超えて伝わるんです。伝わらないのは演奏とかパフォーマンスとかが下手なせいだけだとは思っていません。
結局、何かを伝えたい!!って思いが薄いからだと思うんです。
昨年「BLUE GIANT」って、ジャズを主体としたアニメ映画が話題になりました。あの映画を見た人間の大半は、日頃ジャズを聴かない人間だと思います。しかしそんな観客を感動の渦に巻き込んだのは、夢見る青年たちの生き様だけではなく、ジャンルを超えた音楽の力だったのではないかと思います。

閑話休題、
確かに私自身、抽象画は苦手なんですけど、それを上回る作品たちのエネルギーに魅了されていたのも確かなんです。
不思議な感覚でしたね、苦手なものに魅了される感覚・・・多分ジャズを知らない方が映画BLUE GIANTに魅了されていった感覚に近いものかもしれません。
そんな時に、とある女性に声をかけられました。
休日の個展です、参ったなあ・・・よくあることです、作家西島直美さん本人でした。
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そして西沢さん、自分の作品たちの特徴を話したくて話したくて仕方ない感じで、話始めると止まらない方でした。
でもその話の1つ1つに圧倒されて、私は楽しくて面白くて仕方ありませんでした。
例えば今回の展覧会のタイトル絵画になっているこの絵ですけど、
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「この絵は元々東西南北の4部作、その「北」の絵なんですね。その北の象徴として北極星を選びまして、その北極星が花になった感じを表現してみたんです。その物語なんですけど、氷の一族がいまして、その女の子が一族を継ぐよりも、花になりたいと強く願って花になる、いわゆる人魚姫の話を思い出してもらうと、それに近しい話なんです。で、北極星って元々船乗りの羅針盤らしくて、ドッチャラコッチャラドッチャラコッチャラ・・・・・・。」
いやあ!驚きました!!
私は抽象画家って、白いキャンバスに向かって、感情の赴くままに筆を走らせている輩ばかりだと思ってました。
でも私の感じた西沢直美さんの表現方法は、絵本作家に近しいものでした。
まず作品のコンセプトとなる物語作りが先で、日本昔話くらいの長さの創作ストーリーを作る。
そして、そんな創作物語の絵本を出版するとするなら、じゃあ表紙をどう飾るか?!
私が西沢直美さんの話を聞きながら感じたのは、全ての作品において、絵本のストーリーを考えたうえで、その絵本のメイン表紙を描いている画家なんだなあって思いました。
まあ私の勝手な思い込みですが、自分の作品たちには、普通の画家以上の愛着があるアーティストではないのかなあと。


さてさて、この展覧会はレストラン併設の無料ギャラリーです。
まあ名古屋在住の名もなきアマチュア作家さんかなあってくらいに思いながら見て回り始めたのは正直なところ。
でも、苦手な抽象画ながらも、作品も作家本人も、個性というか情熱というかエネルギーが強く、
「素人画家さんすげえなあ!!だからふらりと入る個展って面白いんだよなあ!!!」
って思いながら西沢さんと会話が進むにつれて・・・穴掘って隠れたくなるくらい強烈に恥ずかしい感覚におちいりました。

西沢直美さんは東京とパリを拠点として、かのルーブル美術館でも展覧を行ったことがあるそうです。
きゃあああああ!!!アマチュアどころか、プロ中のプロでした!!
もっと言うと、若いときからフリーの個展にふらりってのは良くありましたし、どうしても休日に個展にお邪魔することが多いから、作家本人に出会うことも多かったです。
しかし私がフリーの個展で出会った数々の作家さんの中で、西沢直美さんはぶっちぎりで経歴がプロでした。

そうそう、キラキラ系の作品って私書きましたけど、使っていたのは金箔・銀箔らしいです。
で、作品の中には夜光塗料を使ってるものもあり、電気消したたら星が浮かびます。
これもプロっぽいなあって感じた部分ですが、夜光塗料って塗料としては地味なんですよ、作品の中に映えるわけではないんです。
でも、購入した人間だけが楽しめる仕掛けとして、夜光塗料で星空を描いているんですね。
こういう作品って、ポスターとか写真とかじゃ、まるで良さがわかりません。
原画ならではの良さの作品を描いて仕上げているのが、西沢直美さんです。

全く絵画に興味のない方でも、西沢直美さんの作品はお勧めします。
まずは「西沢直美」って検索かけてもらうと、インスタとか絵画販売サイトとかがトップに表示されますので、とりあえず見て見てください。
そしてもっと興味持たれた方なら、展覧会期間中にVIVIさんに訪れて原画を見ることを強くお勧めします。
2Fギャラリーだけの見学なら、食事ではなくドリンクだけでOKですので。


以上、素敵なギャラリーを持つVIVIさんと、素敵な作家さんの紹介でした。

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